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幼馴染の美少女と自宅で徹夜ゲームをするはずだったのに、コンビニのイタズラをきっかけに、初体験してしまった話。  作者: きたみ詩亜


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2/5

第2話 初体験の翌日。

 朝の教室。

 窓から差し込む秋の光が、黒板をぼんやりと照らしている。


 俺――佐原遥斗は、自分の席でぼんやりと机を見つめていた。


(……昨日のこと)


 頭に浮かぶのは、昨夜の幼馴染――遠屋凪葉の顔。


 赤くなった頬。

 近い距離。


 ──昨夜の、凪葉との甘い行為。


「おい、遥斗」


 肩を軽く叩かれ、俺ははっと我に返った。


 振り向くと、親友の杉野健太がニヤニヤした顔で立っている。


「なんだよ、朝から魂抜けてるぞ」


「別に……」


 俺は視線を逸らした。


 すると健太は机に肘をつき、ぐっと顔を近づけてくる。


「遥斗」


「……なんだよ」


「遠屋となにかあったのか?」


 心臓がドクンと跳ねた。


「──な、なんもねぇよ」


「嘘つけ。顔に書いてあるぞ?」


 健太はあっさり言う。


「さっき昇降口で見たけど、遠屋もなんか変だったぞ」


「え?」


 思わず顔を上げる。


「ぼーっとしてるし、遥斗のことチラチラ見てるし」


「……」


 昨日の夜のことを思い出し、俺の顔は一気に熱くなった。


(そりゃ……そうなるよな……)


 幼馴染と――あんなことしちまったんだ。

 普通に戻れるわけがない。


 そのとき。


「おはよー」


 聞き慣れた声が教室に響いた。


 俺は反射的に顔を上げる。


 教室の入口に立っていたのは――凪葉だった。


 ポニーテールを揺らしながら、いつものように教室へ入ってくる。


 けれど。


 目が合った瞬間。


「……っ」


 凪葉は一瞬だけ固まった。


 そしてすぐに視線を逸らす。


(やっぱり……)


 昨日までの凪葉じゃない。

 どこかぎこちない。


 健太が小声で言った。


「ほらな」


「……うるさい」


 俺は机に突っ伏した。


 そのまま午前の授業は、ほとんど頭に入らなかった。



---


 昼休み。


 廊下の自販機でジュースを買っていると――


「遥斗」


 後ろから声がした。


 振り向く。


 凪葉だった。


 ポニーテールが揺れ、少しだけ息が上がっている。


「……よう」


 ぎこちない挨拶。


 凪葉は少し視線を泳がせてから、小さく言った。


「昨日……さ」


「……」


「……ありがと」


「え?」


 思わず聞き返す。


 凪葉は少し頬を赤くして、そっぽを向いた。


「べ、別に深い意味じゃないけど!」


「お、おう……」


 沈黙。


 自販機のモーター音だけが響く。


 そして凪葉は、小さな声で言った。


「今日……行っていい?」


「……え?」


「遥斗の部屋」


 心臓がまた大きく鳴った。


 凪葉は続ける。


「ゲーム……しよ」


 そう言いながら、ちらっと俺を見る。


 その目は、昨日の夜を思い出させるような表情だった。


「……ああ」


 俺は小さく頷いた。



---


 夜。


 俺の部屋。


 テレビにはゲーム画面が映っている。


 けれど――


 コントローラーを持つ手は、まったく集中していない。


 隣には凪葉。


 昨日と同じ距離。

 同じ部屋。

 同じ二人。


「……遥斗」


 凪葉が小さく言う。


「ん?」


「ゲーム……楽しい?」


「……いや」


 正直に答える。


 凪葉は少し笑った。


 そして――


 コントローラーを、ぽんっと机に置く。


「じゃあ」


 凪葉は俺を見た。


 少しだけ赤い顔で。


「ゲームじゃなくて……」


 言葉は途中で途切れた。


 けれど、次の瞬間。


 俺たちは自然と互いに近づいていた。


 抱きしめ合い、静かに唇を重ねる。


「……遥斗」


「……凪葉」


   ◇◇◇


「──なんか、まだ入ってるような気がする」


 3回戦を終えたあと。

 凪葉が、真っ白なおなかをさすりながらつぶやく。


「……そ、そうか?」


「……だって遥斗、大きいんだもん」


 頬を膨らませる凪葉。


 離れたあと、凪葉は少し照れたように笑った。


「俺たち……ただの幼馴染だったのにな」


「だね……」


 静かな部屋。


 ゲーム画面の光だけが、二人を照らしている。


 昨日の夜の続き。


 幼馴染との距離は――

 もう、元には戻らないのかもしれない。

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