表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白練  作者: 高月和泉
第一章 帝都
6/7

第六話 雷霆の衝突

チャイナタウンの静寂な夜。


暗雲が街を圧迫している、細い雨は冷たい気体のように軽い。路地で街灯がいとうが点滅している。夜風が通り過ぎ雑草が風に吹かれてゆらゆらと止まらない。


シャオのお店の奥の部屋にて。


「ここの人々はどうする?」とビオラは言う。


「避難させよう」と柳宇りゅううは言う。


「いや、間に合わない!妖狐の王はもう来ている、思ったより早い」とシャオは言う。


シャオが先頭で店を出る。


「これでもし一般人に負傷者が出たら......」とローズは暁の後についてきて走りながら言う。


霊域空間れいいきくうかんを展開するしかないよ!私の霊域空間を展開できない、他の避難者が中に居てそろそろ満員だよ!」とシャオは言う。


婆さんは既に結界を張ったのだ。


結界の外では風が吹き小雨が降っている。

わんちゃんの遠吠えから離れた人々は穏やかに眠っているのだ。結界は環境をコントロールできるが天気をコントロールできない。


風や雨など結界を通り抜けて中に入ってくるのだ。結界中では、小雨中で妖狐の王の身から発したドス黒いどろどろした瘴気しょうきが、風によって吹き荒れて空に果てしない邪悪のオーラが漂っている。


「この黒い気体は何?」とローズは言う。


「瘴気です」とビオラは言う。


「瘴気ですか?」とローズは言う。


「そうです。今、瘴気は感染症に分類されている、しかし、妖狐の王の場合は感染症ではなく気体の物質です」とビオラは言う。


婆さん気ついた。


「これはただの瘴気じゃない、結界は地平線のような線ですが結界の範囲が大きくても、結界を施す人が線から遠く離れていても自分が張った結界を感知することができる、いま、私が張った結界を感知することができない、この瘴気しょうきが私と結界の感知を遮断した」と婆さんは言う。


「この場合だと、今の瘴気は人が死んだ後の鬱結の感情である、もし自然死なら時間とともに消えるはず。しかし、もし執念が深すぎに加え異常な死でしたら瘴気が形成されて、徐々に瘴気は悪の生命力に形成される、結局、瘴気は死人から出てきたものなので少し死体の臭いがする」とビオラは言う。


「あと、極端の野望があるのも瘴気は出てくる、瘴気は魔物や妖怪の命の源とも呼ばれている、それらにとって有益かつ他生物にとって有害なもの」と柳宇りゅううは言う。


「そうです」とビオラは言う。


目の前の瘴気は結界全体に広がっているのを見て、ビオラの目つきは重くなった。強烈な瘴気中でシャオは胃酸は沸き上がり吐き出そうになった。


「大丈夫、まだこれからだよ!」とビオラはシャオに言う。


「婆さんは結界への感知を瘴気で遮断されたってことは私達が結界に閉じ込められるってことじゃないか?妖狐の王は正気か!」とシャオは口を拭きながら言う。


「正気だったら瘴気ないって」とビオラは暁に言う。


リーは良いアイデアが思いついて腰につけている巾着袋を開けた、中に六つの夜明珠イエミンジュが入っているのだ。夜明珠は暗やみの中でも光を放つという伝説の真珠である、元々は魔除けの効果があると言われている。古代の龍の国の内モンゴルにのみ伝わる帝や王族らの秘蔵の宝玉ほうぎょくなのだ。


「妖狐の王の身から発した瘴気しょうき、この匂い、風と小雨で難しい状況になる、みんなは分散すると奇襲されやすいので分散しないように注意して、やむを得ず分散されたらこの夜明珠イエミンジュを輝かせて、手に持って上げるなり、首に掛けるなり、とにかく輝かせればいい」とリーは言う。


「しかし、万が一分散されて奇襲されたら夜明珠イエミンジュが妖狐の王に奪われた後に輝かせたら、私達を騙すでしょう、それはひどい目に遭うのではないか?」と柳宇りゅううは言う。


夜明珠イエミンジュを受け取ったシャオはリーと柳宇りゅううを見て、そして頭を下げて手の中の夜明珠を見た。


夜明珠イエミンジュも神器の一つなので妖狐の王に奪われたら夜明珠(イエミンジュ)は自分で私を見つけ、困っている人の現在地まで案内してくれるが必要な前提は困っている人は夜明珠イエミンジュを付けたことがある、普通の神器は妖に発見されにくいです、まして妖狐の王に発見されないため私は夜明珠の上に術をかけた」とリーは言う。


柳宇りゅうう夜明珠イエミンジュ聞いたことあるが実際に見たことがないため、夜明珠を手のひらに載せた。


他の人は夜明珠を受け取り、ローズも受け取った。


この時、パワーストーンの魔除けの効果がある夜明珠イエミンジュのエネルギーのせいでローズの魂を持つエマの体は神気しんきを発する、未来の自分と会ったことで封印は半分くらい解けたのだ。不思議な霊気れいきが森に満ちているように体から溢れてくる神気しんきが妖狐の王の瘴気しょうきと衝突したのだ。


お互いを動揺させようとする力の衝突はまるで空間を引き裂くように恐ろしく、ほかの人が近づきにくくなり、一気に周りの空気が緊張し始める。普通の万物の元となる神気が溢れてくるによってのローズの霊域空間れいいきくうかんの封印も解けそうだ。


妖狐の王もローズの封印が解くことに気付き、ローズをコントロールされないのを分かった妖狐の王はひとしきりの怒りが胸に湧き上がる。


妖狐の王が人の形に化ける。


「ローズ!あの一族に戻る気?君に無理だ」と人の形に化けた妖狐の王は言う。


ローズ言葉に無回答なのだ。


「祓魔一族に戻ったとしても一族は君を認めない、君は私しかない」と人の形に化けた妖狐の王は言う。


なぜ、未来のローズが現れるのか?

ローズは分かったのだ。妖狐の王の話をまた信じたからだ。しかし、未来のローズに会ったローズはもう妖狐の王の言葉を信じないのだ。


「あんたの横にいた時、私は野望のための用心棒にもなっていた、あんたに譲歩し服従し、何をしても無条件にあんたを味方にしていて正しいと信じていた、愛の名義で他人と自分を傷つけるのはいつでも価値がないのです。依存で変化と結末がはっきり見えないことはとっても悲しみのこと」とローズは言う。


人の形に化けた妖狐の王はローズの言葉を聞くと全身が濃厚な非現実感に囲まれている、極力に動揺を隠そうとしたが目の中のショックは疑いの余地がない。


「あんたはコントロール欲が強すぎて、なんでも自分の思い通りにやりたがり、コントロール欲に依存している、野望が大きすぎて壊滅性が次々とやってくるのです」とローズは言う。ローズの口調は平淡へいたんで少しの失態もなく、眉をひそめたこともなかったが言った言葉の一字一句は理を占めている。


ローズは妖狐の王を見ている、人の形に化けた妖狐の王はローズの言葉を聞き怒っているが怒りをぶつけるところがない姿をローズは見えたのだ。ローズは気がつくと視線に人が入る、その人は用心棒なのだ。しかし、その用心棒はローズの代わりのものであった。


「そこの用心棒!祓魔師を何だと思うのですか?」とローズは妖狐の王の横に居る人に聞く。


「一種の職業です、特別倫理上でモラルの欠陥のない職業です」と妖狐の王の用心棒は言う。


「今日はちょっと話しが多いようだね」と人の形に化けた妖狐の王は用心棒に言う。明らかに妖狐の王は新しい用心棒をそんなに重んじるのではなく、単なる武器や道具として使っているのだ。


「見て!あんたの新しい用心棒の目は片目しか世界を見えないが、事実を見えている」とローズは言う。


ローズのは瞬きをしたまぶたを軽く上げて、無関心に人の形に化た妖狐の王を見たがローズのその見下す姿勢は思わず妖狐の王に少しの服従の心を生まさせる。


「あんたの服従は必要ない、私はただあんたの死体を踏んでこそ私は安心して眠れる」とローズは言う。


人の形に化けた妖狐の王は狐姿に戻った。


妖狐の王の世界では敵を殺すか、敵に殺されるかの二択しかないのでローズのこの言葉を聞くと、妖狐の王の瞳は地獄から来た修羅のようで全ての細胞は殺意に満ちている。殺意は魂の奥深くから来た最も原始的でワイルドな望みなのだ。


「召喚の術・炎獄えんごくの修羅!」と妖狐の王は言う。すると、妖狐の王の後ろにごうごうと炎に包まれた高さ百メートルの巨大な修羅が現れて、赤い瞳と若々しい身体と三つの顔と六本の腕を持っているのだ。戦いに適している身体なのだ。


修羅の手に炎に包まれた武器を持っている。


一本目の手の武器は、射られた人が地獄の業火に焼かれることができる業火の弓矢である。二本目の手は、業火の弓矢を引くために何も持たないのだ。三本目の手の武器は、怪しげな魔の音波を発する琴で、特定の曲を弾くだけで敵を果てしない恐怖に陥らせられる魔音まおんの琴である。


四本目の手は、魔音の琴を弾くために何も持たないのだ。五本目の手は、世の中の善良を束縛し、マイナスな気持ちを誘発させる、世の中のすべての怨念が凝集してできた神秘的な織物の怨念の網である。六本目の手の武器は、手のひらにある終焉の眼である。


終焉の眼は非自然の物であり、古きの神々が残された禁じられた神器なのだ。終焉の眼は世界の終わりを告げるものなのだ。その神器はいま修羅の手のひらにある、それは瞼が呪文で覆われていて瞼が上がると青い光を放つ巨大な眼球である、瞳の奥に別次元の虚無な空間と繋がっている。


虚無な空間は宇宙のすべての秘密を洞察し、眼が開いた時に日常の埃から銀河までこの世に存在する構造を瞬時にロックができる。恐ろしいのは虚無な空間を引き裂くに十分なエネルギーを放出して直接に物質の構造を分解し世を無形にするのだ。


終焉の眼を作動させるに巨大なエネルギーを消費し、通常は宇宙の恒星のエネルギーを犠牲にしたり、大量の生物の魂を吸収することで作動するのだ。使うごとに世の中が無秩序であればあるほど宇宙の寿命を短縮し、終焉の眼を使う代価は使用者やその使用させるものの精神と万物の終焉を観測するための無限の苦痛に耐えるしかない。


これも妖狐の王は強くなればなるほど苦痛が倍増の原因なのだ。最終的に使用者や使用させたものの魂は永遠に虚無な空間に監禁されるのだ。しかし、今は終焉の眼は閉じていて修羅の手は手のひらにある終焉の眼を守るため完全に拳を握らず、まるで卵を軽く握ってから卵が抜かれた後の拳の形だけになっているのだ。


ローズは巨きな修羅を見て召喚の術を施した。


「召喚の術・羅生門!」とローズは言う。


すると、巨きな門が現れたのだ。この門は単純な門ではなく、悪のものを吸い込む門なのだ、門の中は一生を賭けても出れない迷宮がある、入ったものの行方は基本に誰も知られないのだ。今、入ったものの行方と羅生門のもう一つの使い方は一人だけ知っている。


この羅生門は祓魔師としての究極の禁術の一つ。炎獄えんごくの修羅が近づき、ローズの周りの空気は反転したかのように熱くなってきている。炎獄の修羅は羅生門を攻撃しようとしているが羅生門の門がちょっと開いていたところ、修羅に纏う炎は半分の以下くらい吸い込まれた。


修羅はすぐ門の前から離れた。


修羅の赤い瞳が微かに収縮して本能的な警戒心が湧き上がり、羅生門の攻撃を避けている。修羅の身に纏う炎は地獄の炎なので周りを火の海に変え、すべての命を瞬時に灰に変えることができるのだ。修羅の空いている手で火球を作り、手のひらに乱舞する熱い火球かきゅうが羅生門に攻撃し、まさか、羅生門に吸い込まれた。


妖狐の王は戦いで優位に立ちたいでもあって再び人の形に化けた。妖狐の王はジャンプしようとする、力を足に貯めて足が地面から離れる瞬間に足首につけている鈴が鳴る。たとえ、人の形に化けても根本は妖狐なのでジャンプ力、破壊力、敏捷性びんしょうせいは妖狐の状態に劣らない。


妖狐の王は召喚された炎獄えんごくの修羅の腕までジャンプした。修羅の炎に包まれている業火の弓矢を持って行った。使うものが神器を触れた時に神器自身はその使うものに応じて、サイズの変化がその場でできるのだ。人の姿の妖狐の王は空中から炎に包まれた二本の矢を流れ星のように射した。


ローズは瞬間に反応して矢が来る方向を捉え、避けながら神器のブラックハンマーを使い、目の前に来ている二本の矢を叩いた。ローズが何か動くのを待たずに妖狐の王は五本の矢が後を追って、より急な速さで射した。二本は両目、一本は喉、最後の二本は胸、同時にローズに撃ったのだ。


異なる方向の炎に包まれた五本の矢のスピードは驚異的なのだ。ローズは妖狐の王の攻撃の軌跡を分析し、巧みに五本の矢を避けて動きがとても流暢なのだ。攻撃を完璧に避けたローズへの恨めしさとローズを射とせなかった恥ずかしさのせいで、人の形に化けた妖狐の王は怒り出したのだ。


妖狐の王は内力ないりょくを使い、矢の上の業火を何倍も激しく盛ったのだ。矢を持って先端部をローズに向けながら修羅の腕から飛び降りる、再び足首の鈴が鳴りローズに駆けつける。激しく盛った業火と妖狐の王の内力のせいで圧倒するような力を感じたローズは数歩くらい退却した、そこで施そうとした術のバランスが崩壊した。


妖狐の王が戦いで優勢を占めそうに見えるのだ。


危機一髪でローズが金鐘罩きんしょうとうと呼ばれる拳法を使った。内力によって全身は金色の鐘の胴体のように覆い包まれて、全身は鐘の胴体のように硬くすることであらゆる攻撃を受けない、防御力が高い少林寺拳法しょうりんじけんぽうの一つなのだ。


この時に空からひとしきり雷の音が襲ってくる。雨は降り続く。金鐘罩きんしょうとうと激しく盛った矢の業火とお互いの内力ないりょくの衝突で衝撃力が大きすぎて、またお互いの内力に阻まれてローズと妖狐の王は弾けたのだ。


究極の禁術、矢を避けた体術と少林寺拳法しょうりんじけんぽうを見たシャオ、リーと婆さんは驚いた、いつの間に禁術、体術と拳法をまで使えるようになったと三人は不思議に思っている。妖を見えないとローズは言ったはずなのに今は見えていると柳宇りゅううは不思議に思っているのだ。


妖狐の王の分身は襲う。


暁の神器は双剣そうけんなので右手と左手に一本ずつの剣を握って妖狐の王の分身を切った。


小刀使いのリーは護身用の小刀が隠れた扇子をちょっと大きめのレッグポーチに入れて、またレッグポーチから三寸以上で四寸未満の小刀を内力ないりょくと合わせて使い、尋常でない速度で妖狐の王の別の分身に射した。リーが使う小刀も神器なのだ。


柳宇りゅううの神器は本である、普通の本ではなく柳氏りゅうしが代々伝わっている家宝なのだ。悪を本に閉じ込めて浄化ではないが術式に転換できるのだ。


ビオラの神器は解剖に使うのメス、普通のメスと違い呪文を書かれてあるのだ。呪文を唱えて操られているメスが大きな円を作り防御壁を作った。分身は攻撃に成功しようとしたがビオラの反応が速すぎたため分身が防御壁にぶつかって遠くまで跳ね返った。


その後、メスは鉄の雨のように妖狐の王の分身に刺した。また別の妖狐の王の分身も人の形に化けて武器を使い攻撃しているのだ。神器の衝突音の中で互いの剣や小刀を振る度に疾風が伴う。攻防転換は激しく周りの空気はまるで妖狐の王との衝突で固まったようだ。


このまま戦い続けても意味ないとローズは思う。


「特別倫理に基づき私は祓魔師として、妖狐の王を片す」とローズは言う。ローズは術式が書かれてた浄化札じょうかふだをレッグポーチから取り出した。


一般人の視点から見ると、浄化札じょうかふだは神社や寺で出しているお守りや魔除け札にしか見えないのだ。祓魔師の視点からみると、浄化札じょうかふだは悪の生命力を純粋なエネルギーに変換する、悪の生命力を「器」に縛り、外界に被害を与えないようにする祓魔道具ふつまどうぐなのだ。


祓魔道具の中ではかなりレベルが高い道具なのだ。


妖狐の王は浄化札じょうかふだを見た途端に数歩くらい後退した。明らかに妖狐の王は驚いて怖かったのだ。妖狐の王が驚いたのは、ローズがなぜレベル高いの祓魔道具を持っているのかということなのだ。


そして、妖狐の王が怖かったのは、浄化札じょうかふだ自体が妖狐の王が恐れているものなのだ。妖狐の王にとって、浄化符じょうかふだ封印符ふういんふだより恐ろしいもの。


撤退のチャンスを見つけた妖狐の王は屋根の上に飛び上がった。


「ちくしょう!時が来たら祓魔師が誰であろうと関係なく片すからな」と妖狐の王は一言を残して瘴気しょうきの中に消えた。


周りの瘴気も妖狐の王とともに遠く消えていく。逃げようとする妖狐の王をシャオは追いたいがローズに止められた、シャオは賢いであるがたまには若気の至りのところもあるのだ。


「待って!妖狐の王を片すのは時間の問題です、ここを離脱するのが惜しいと思うと妖狐の王に振り回されてるだけになる、妖狐の王は罠を張ってあるかもしれないので今は追わないにしよう」とローズは言う。


「分かった」とシャオは言う。


「じゃ、これからどうしますか?」とリーは言う。


「まずは結界を解いて、周りの環境や建物などが破損していないかを見てみよう」とローズは言う。


「もし、破損があれば祓魔機関や祓魔協会、もしくは祓魔一族に申請を提出しないといけない。特別倫理に基づき私達は正当防衛なので祓魔機関や祓魔協会はチャイナタウンに破損した所を修繕してくれるが、今の私達はどこにも所属してないので例え破損があっても自腹しかない」とシャオは言う。


「安心して暁、祓魔一族の強みは建物を破損しないで敵を片すことです、大丈夫だよ」とリーは言う。


「ローズが戻れば良くなると思う」とシャオは言う。


「まあ、そうだね」とリーは言う。


他の人に話している時に婆さんは結界を解いた。


「もう、朝だね」とビオラは言う。


「一晩寝てないので破損点検が終わったら爆睡する」と柳宇りゅううは言う。


空気は湿っていて寒く、道端の葉っぱや木の葉っぱが朝風の中で揺れている。遠い東の空に夜明けの光が大地に射し、空は華やかになり始めた。


「ところでローズ!羅生門を召喚する術と体術などはどこで習ったの?」とリーは言う。


「それはここ来るまでの寝台列車で倒れてた時です」とローズは言う。


「倒れてた時にですか?」とシャオとリーは異口同音に言う。


「そうです」とローズは言う。


「それ一体どうやって......」とシャオは言う。


「これはちょっと遡る話」とローズは言う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ