表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白練  作者: 高月和泉
第一章 帝都
5/7

第五話 チャイナタウン

チャイナタウン駅に着いたのだ。


ローズと婆さんは列車から降りて、婆さんはローズの眠そうな顔を見た。


「まだ眠いかな?」と婆さんは言う。


「うん」とローズは言う。朝ご飯を食べていないローズのお腹はぐーぐー鳴っている。


「眠そうだし、みんなはここで待っててね、私は売店でパン買ってくるね」と婆さんは言う。


「うん」とローズは言う。


みんな列車で朝ごはんを食べた。

ローズだけは朝ご飯を食べていない、よく寝た。


ローズはチャイナタウン駅のベンチに座った。ビオラと柳宇りゅううはローズが目覚めるのを待ちながら雑談している。婆さんが売店に行った後にローズはやっと目が覚めた。ローズは駅を見渡し、かなり大きい駅である。列車は四方八方に通じてている、列車の乗り換えがさらに便利なところである。


ある列車がローズの目に入った、オリエント急行に似ている。なんだかローズはお手洗いに置かれてあった探偵小説を思い出した。ローズは駅にあるあの列車をよく見ると新オリエント急行だった。この時、婆さんは売店から戻りローズが好きなたまごパンを持っている、ローズがパンを食べた後にみんなと一緒に駅から出た。


「チャイナタウン賑やかだね」とビオラは言う。


「骨董品市場があるよ、珍しい骨董が出てくるかな」と柳宇りゅううは言う。


「遊ぶ暇はない」と婆さんは言う。


「チャイナタウンはこんな大きい、リーを探し出すのは無理かな」とローズは言う。


「なにを言っているの?私はリーのお店に行ったことがある、大丈夫だよ」と婆さんは言う。


しばらくすると、リーのお店の前に着いた、婆さんは店の入り口から中に見ると、ある人を見えたのだ。その人のせいで婆さんはどうしてもリーに会いに行くのが不便である。すると、婆さんはローズに言う。


「今からリーに会った時に必要な暗号を伝えるよ」と婆さんは言う。


「暗号とは?」とローズは言う。


「リーと会話中に真珠について話すのが暗号だよ」と婆さんは言う。


「婆さん、安心してね、暗号は分かったよ」とローズは言う。ローズは骨董品のお店に入った。


「いらっしゃいませ」とリーは坦々と言う。


「おはようございます。新オリエント急行列車で真珠を買ったが微妙に変なのでほかの真珠が欲しいです」とローズは言う。


「おはようございます。色々ありますよ、お嬢はどこ産の真珠が欲しいですか?」とリーは言う。


「中国の珠海しゅかいの真珠がいいです」とローズは言う。


「これです。中国の珠海は昔から真珠の主要産地である、お嬢は見る目がありますね」とリーは言う。


ローズは言葉の機会を狙い暗号を言おうとしている。しかし、ローズはガラスのショーウィンドーを隔てある真珠に惹かれた。惹かれたのはその真珠の艶と輝きではなく、その真珠が発している祓魔師の独特なオーラなのだ。同じオーラは惹かれ合う。


「この真珠は何日に浜揚げでしたか?」とガラスのショーウィンドウに置かれた真珠に惹かれたローズは指をしながら言う。


ローズが指した真珠はリーは売らないのものである。ローズは無意識に口からこの言葉が出たあとにやっと気づいた、言葉の機会をつかまえたようだ。今のローズの一言でリーは気づいた。この子はお客ではない、我が一族の当主様であるかもしれない。


普通の買い物の客は浜揚げした日を聞かないのだ。また、この子の尋常ではないオーラが襲ってくる、この子のオーラの中の力はとても強いである。オーラは呪術によって隠されているが、この強い力は一番親しい人だけが感じられるのだ。


リーはその時に産婆として永遠にその時の生まれたてのローズのオーラの力が自分を震撼させたことを忘れないのだ。


「2月8日です」とリーは言う。


「そうか」とローズは言う。ローズも気づいた、真珠の培養の仕事でもしていない限り浜揚げした日を答えられる人そうそういない、たとえ、ベテランの真珠を専門売りのオーナーでも。


今、目の前のこの人がリーなのかもしれない。ローズはちらっと周りを見たが、何気なくちらっと見たようだ。あと、ほかの客もいるし、普通の買い物の客のようにしないとまずい事になる。


「この真珠はいつのものだと思いますか?」とリーは言う。本物の当主様なのか、どうかを確かめないといけないのとそれにローズがこの真珠を身につけたことがあるからだ。


「結構、小さいですね。1523です、約500年前」とローズは言う。


もともと、大きなこの真珠は何百年の間に誰かが真珠を磨いて磨いた。今、この真珠は小さくなった。ローズの記憶にナサーズ帝国の田舎からを帝都までに来て豪邸で初めて奉公したことを除いて、152328という6つの数字しか浮かばない。


ローズがガラスのショーウィンドウに置かれた真珠に惹かれた時、ローズにとって6つの数字の謎が解けたのだ。


「お嬢ちゃんはそこまで真珠を見分けられるなんて、すごいね」と婆さんが気になっている客は言う。


「いやいや、新聞紙を見て分かっただけだよ」とローズは言う。


ローズ答えを聞いたリーは目の前の人がきっと当主様だと確信できる、リーは今もっとも重要なのは1523という数字である。真珠の1523という数字はここで当主様にしか分からないのだ。


しかし、出身地も確かめないと、「ほかに欲しい真珠はありますか?」とリーは言う。


「長安の真珠です」とローズは言う。もう、長安しかないかかもしれない。


これでリーはローズの出身地は長安と誕生の年月日は1523年2月8日が噛み合うことが分かった。しかも、新オリエント急行列車は今日でチャイナタウンから初運行である、運行開始まで残りは5分である、ということは当主様はほかの急行列車でここに来たのだ。


リーは確信出来たことで嬉しいのだ。

ずっと待ってた、当主様!


「長安で産出される真珠はとても貴重な物なのでご縁がある方にしか見せません、裏側の置いてあります、こちらへどうぞ」とリーは言う。


「おい!リー!お前は子ども金も稼げなければならんのか?」婆さんが気になっている客が言う。


「私はただの商売する人だよ」とリーはにっこり笑いながら言う。店の裏側の通路にてリーはアルバイトのわんに声をかけた。


わん!今、表にいる客はぎょくが欲しいのでこれを持っていて、表の客は常連のVIPなのでくれぐれも気をつけてね。わんはできるので任せたよ!」とリーは言う。


今、店内にいるVIPの客はいつもリーを直接に会いたがる。リーは時間を稼ぐためこうするしかないのだ。


店の表。

「私の玉はまだなのかな?」と婆さんが気になっている客は言う。


「ただいま、お持ちします」とわんは言う。


「お!これはこれは、リーの弟子入りのわんさんじゃないですか!」と婆さんが気になっている客は言う。


いんさん!からかわないでください。しかし、出来ればオーナーの弟子になりたいです」とわんさんは言う。


「リーの弟子になれるために頑張ってね」といんは言う。


「お言葉ありがとうございます。いんさんはVIPなのでこちらへ、どうぞ」とわんは言う。わんが案内したのは店内のVIPルームである。


リーの骨董品の店のVIPルームは壁の全ては古画が描かれていた。家具は全て紅木こうきでできているのだ。紅木こうきは遣唐使が唐の国より和の国に持ち込んたことで唐木カラキと呼ばれ珍重されいるのだ。


和の国では紅木こうきは三味線のさおの最高級材として知られている。三味線は和の国の伝統の楽器なので紅木こうきを使うと木目、色合いの美しさ音色の素晴らしさが伝わるのだ。


紅木こうきは東南アジアが主要産地で、硬質で、香は虫を駆逐するのが特徴である。龍の国の古代の皇居の家具の木材は紅木こうきしか使わないのだ。リーの骨董品の店のVIPルームは浅色の紅木こうきの家具を置くことでルームはかなり明るいのだ。


透かし彫りの紅木こうきによって作られた木のソファーに淡い黄色の座布団が置かれている。ソファーは栗色の絨毯の上品な雰囲気に支えられて古典な華奢を感じる。ルームの全体が古めかしい絵のようである。


中央に置かれている紅木こうきのティーテーブルは紅木こうきのソファーに囲まれてより一層に厳粛で優雅なのだ。いんはソファーに座った。わんも腰をかけていんにお茶を一杯入れた。


「オーナーはいんさんのために名玉めいぎょくと呼ばれる、新疆ウイグル自治区の和田地区(ホータン地区)でしか採取されない玉を仕入ました、どうぞ、ご覧ください」とわんは言う。わんは古めかしい箱を開けた。


「これは羊脂白玉ようしはくぎょくじゃないですか!玉の中でもっとも上等な物!軟玉ネフライトであるが軟玉の中では比較的硬く、細かくて潤い感があり、光に当てると淡いピンク色が出てくるという、さすが国石こくせきと誉れたもの」といんは言う。


「丈夫な質感と羊脂白玉ようしはくぎょく繊細な特質はいんさんの優雅と謙遜な特徴に似合います」とわんは言う。


「ありがとう。しかし、羊脂白玉ようしはくぎょくは今では入手が困難な物なのでさすがリーです。リーが仕入れできない品物はない!わんは良い師匠をつかまったね!」といんは言う。


そうして、二人はお茶を飲みながらおしゃべりをしたり骨董品が好きないんにとって快適な買い物の時間をゆっくり過ごせるのだ。一方、リーとローズは店の裏にある部屋に入りリーはドアをロックした。


「安全のため霊域の空間を発動する」とリーは言う。人を害する心があってはならない、人を警戒する心がないといけないのだ。


リーは術の一つの技を施した。

それは霊域れいいきと呼ばれる、一級祓魔師しか使えない技である。霊域れいいきは空間を現実の世間から隔離するのだ。


霊域れいいきの空間と現実の場所と同じであっても空間で保管したものなどは現実の場所に現れないのだ。施す人によって、霊域れいいきの空間も異なるのだ。


ある霊域れいいきの空間は遊園地で、ある空間は港や川、あるいは海、ある空間は砂漠や荒野で、ある空間は貪欲と罪悪、または心の奥底で乗り越えられられないものごとによっての地獄のような光景もある。


または一体どこなのか分からないが霧しかない空間。施す人によってさまざまな霊域れいいきの空間があるのだ。リーの霊域れいいきの空間は長安のある大きな庭付きの大きな屋敷である。


ローズはリーの霊域の空間に入ったのだ。霊域の空間の長安の屋敷でリーとローズ二人しかいないのだ。リーはローズに片膝をひざまずき、左手を右のほうの胸に当てる。


「当主様を謁見します!やっと当主様に会えました」とリーは言う。


「あなたがリーですね、初めてお会いなのに申し訳ないですが、私は自分のものを取りに来た」とリーの霊域の空間に入ったローズは言う。


リーが分かった、ローズは記憶喪失になっている。ローズの記憶が一刻も早くよみがえって欲しい。リーはアクセサリー箱を開けた、中に真珠のペンダントだけが入っている、それはリーがとても大事に保管しているのだ。


「こちらです」とリーは言う。


ローズは真珠のペンダントを見て、淡々とアクセサリー箱から取り出した瞬間にローズの全ての記憶がよみがえったのだ。


「これがわたしの記憶なんだ!」とローズは言う。熱い記憶がローズの魂を吹き込んだ。


ローズは次から次へと自分の記憶を見た。


大きな庭付きの屋敷で生まれてからまもなく、復讐の妖狐の王に奪い、妖狐の王はローズに向って母と自称する。妖狐の王は人間の感情に理解し難いの上にローズは妖狐の王の子ではないなので妖狐の王は母の溺愛と恋人の寵愛の感情の狭間に迷い、ローズを殺した。


ローズの最後の記憶は走馬灯である、ローズが初めて走馬灯を見た時は既に死を迎える心の準備ができたいたが、今、走馬灯を見たのは記憶を取り戻して記憶を見たからだ。


霊域れいいきの空間でリーもローズの記憶を見たのだ。ローズのもとの体は妖狐の王により首を切り裂いたのだ。首は急所である、呪術でも首を傷なしの状態に戻す可能性はないので、それに元の体は億年に一つ、体質的にもローズの二つの魂を受け入れられる。


二つの魂を受け入れられる適合な体は今ない状態なので無理やり体質的に適合しない体に二つの魂を受け入れさせると寿命が縮むのだ。ローズの一つ目の魂だけでも守り抜くのだ。今の安全策はローズの魂が今で使っている体を器として、考えも、魂も、記憶も一体化させるのをリーは決めたのだ。


「輪廻の術!死者を生者に!!」とリーは言う。


リーは裏能力を使ってローズを復活させる、輪廻の術は施す人のエネルギーが減らされるのだ。下手したら両方とも傷つけられ、エネルギーと寿命が減るかもしれない。一級祓魔師だったリーのエネルギーは減らされるが寿命は減りもせず、増えもせずなのだ。


リーは確信がある事をしかしないのだ。

ローズが一体化するとリーは確信しているなのだ。


ローズは長い死を経て、今、生きる機会がある。魂と肉体が絡み合って魂が活気に満ちているのだ。体内の熱さが襲ってくるのを感じるのだ。それは流れている血液、熱い血液は細い血管に流れて肉体にも温度がある。


彩る季節を感じた、とても暑くて汗が肌から滲み出る、服は滲み出た汗に纏う、服の袖で頬の汗を拭いた。ローズは生きる。真珠のペンダントはネックレスとしてローズの首にぶらさがっている。


「リー!」とローズは言う。


「当主様!」とリーは言う。


「ありがとう、リー」とローズは言う。


「これは私がやるべきことです」とリーは言う。


ローズは微笑んだ。


「ローズの二つ目の魂は近くにいると祓魔師の本能で感知した、とても近い」とリーは言う。


「二つ目は婆さんの体にある、その婆さんと一緒にここへきたよ」とローズは言う。


「その婆さんは今どこにいる?」とリーは言う。


「店の前で私を待っている」とローズは言う。


「そうなんだ。ほんとうに私の店の裏部屋をローズと婆さんを住ませたいが今はどうにも難しいのだ、婆さんとここへ行って」とリーは言う。リーはある住所が書かれた紙をローズに渡したのだ。


「これは......」とローズは言う。


「ローズと婆さんは泊るところがないのでそこの住所にところに住んでいる人はローズと婆さんを泊めてくれる、この場所に着いたら必ずこの紙を燃やすことを忘れないでください」とリーは紙にある住所を指先で指しながら言う。


「ありがとう」とローズは言う。


「すべては当主様のためにですから」とリーは誠実に言う。リーは霊域れいいきの空間を解除した。霊域れいいきの空間である長安の大きな庭付きの屋敷は消えた。


チャイナタウンの骨董品の店の裏部屋にて。

「真珠のペンダントは如何でしたか?」とリー言う。


「真珠しか支えられないペンダントは美しいです、これを買います、そのまま付けますのでラッピングはいりません」とローズは言う。


ローズの反応の良さにリーは嬉しいのだ。静かに笑ったリーは裏部屋のドアのロックを解除してドアを開けた。リーはローズを連れて店の裏通路、応接室の入り口の前とVIPルームの前を通り過ぎ、それからホールを通り抜けて骨董品店を出た。


リーは店の玄関の前ででローズを見送った。ローズは婆さんと合流して、これからの宿泊先のことを婆さんに話した。この時、意外なことに妖狐の王は大胆にリーの骨董品のお店の屋根の上でローズと婆さんを見ている。


「手間がかからない」と妖狐の王は言った。今の妖狐の王はとっくに一級祓魔師でも敵わない状態である。妖狐の王は突然ローズの首にかけてある真珠のペンダントを見て、手を出せずに振り向いて行った。


ローズと婆さんは歩いて、歩いて、やっと紙に書かれた場所までたどり着いた。ここの街をかなり熟知していないと絶対に迷うほどの場所である、とても隠蔽性が高いのだ。ドアの前に掛かられた看板は本日、定休日。アルバイトの人もいないのだ。


ローズは試しにドアをノックした、一人の男性だけがドアを開け出てきた、男性の真っ黒な髪きれいに整えられいる、特にあの細長い目はいつもすべてを鋭く見抜くような感じがする。白い肌はこの男性の黒髪と精巧な顔立ちを際立たせている。


顔は女性よりも小顔である。

男性は身に長袍チャンパオと呼ばれる中国式の長いチャイナ服を着ている。長袍チャンパオは簡潔な柄が刺繍されている。中にカンフーパンツが履いているのだ。


全体的に見知らぬ人は近づき難いという気配を漂っている、微笑をたたえているととても親切で優しいのだ。ローズは紙を目の前の男性に渡し、男性は紙に書かれているものを見た。男性は目の前のローズと婆さんが入りやすくようにドアを大きく開いたのだ。


「ここは会員制のお店、お二人はリーの知り合いだから私は安心する」と男性は言う。男性はお店のオーナーなのだ。


「部屋へご案内します、こちらへ、どうぞ」と男性オーナーは言う。


「ありがとうございます」とローズと婆さんは異口同音に言う。ローズと婆さんは案内された部屋に入ったあとに荷物を置いた。


男性オーナーはローズと婆さんに礼をした。


「私はシァオです」と男性オーナーは言う。


シァオは最年少で一級祓魔師に抜擢された人で透視眼とうしがんの術を持っている、この術を使うとまず他人の個人情報や身分などすぐ分かるのだ。それから周りの一般人が見えていないものを見えるのだ。シァオの前では秘密を隠したくても隠せないのだ。透視眼とうしがんのもう一つの機能はシァオは使わない、使いたくもないのだ。


透視眼とうしがんでローズの個人情報は分かったが、婆さんの個人情報ではリーの知り合いとしか反映されない。シァオが経営する店は会員制の店であるがやはり店なので安全性のためシァオが領域の術を発揮したのだ。シァオの霊域の空間は大自然である、周囲は山に囲まれて真っ白な雲が青い空に漂う。


広がる芝生に鮮やかな花が咲いているのだ。空気が新鮮で肺を潤し、少し歩くといくつかの果樹が見えてくる、時々に蝶が目の前に飛んで行く。また、数匹の可愛いウサギが通り過ぎる。


目は遠くを見ると建築物がぼんやりと見える。幻さはまるで桃源郷のような場所の秘密を探らせるようにいざなっているようだ。残念ながらいざないにのる場合ではないのだ。


「当主様に失礼と存じますが、あえて話を単刀直入させていただきます。婆さん今は仮の一体化の状態である、いつでも他の魂に体を乗っ取られる危険があり、危険を防ぐ為に婆さんが一体化させるようにリーから頼まれました」とシァオは言う。


ローズと婆さん自身も仮の一体化の状態が危険で、魂を入れる容器を簡単に奪われるだけでなく、防御性も低いのが知っている。婆さんはシァオの微かに張ったこめかみを見ると、カンフーの内力は非常に深いとは言えないが腕前が丈夫な武術を習う人であることは分かるのだ。


それだけでなく祓魔師のオーラも漂わせている。婆さんは安心に一体化するのをシァオに任せた。シァオは霊域の空間で婆さんに輪廻の術を施す、婆さんは今まで感じたことのない感覚を感じた、その感覚は考えがもっと鮮明になり、今の器をコントロールしやすくなった。


婆さんが一体化なった。すると、シァオはある黒いジュエリー箱を手にした。


「モーニングジュエリーを預かっているので、いま当主に返却します」とシァオは婆さんに言う。


モーニングジュエリーは故人の遺髪を入れるの装飾品であり、紅茶の国では哀悼する為のものである。編み込んだ遺髪をブローチやバングル、指輪などに埋め込むである。特に指輪が知られているのだ。モーニングジュエリーが本格的に流行したのはヴィクトリア朝であるが、きっかけとなったのはヴィクトリア朝の以前なのだ。


シァオは黒色のジュエリー箱を開けた。中に楕円形のものがいくつか繋いでいるブレスレットが入っている。ブレスレットのシャーシは白色である、編まれた黒の髪は毛は固めて作られたあり下にイニシャルが書かれてあるのだ。裏面は面ガラスが付いてある。


祓魔機関のモーニングジュエリーは代々傑出な祓魔師は死後にそれを器として、魂はモーニングジュエリーに宿り、当主と祓魔機関の守護神となる。必要な時に当主だけ守護神を召喚できるのだ。婆さんはシァオが保管したモーニングジュエリーを受け取った。


ほんとうの当主はローズであるが、ローズの魂は成長が止まっているのと五百年も成長が止まらずに婆さんの身に付いているローズの二つ目の魂は一時的に二つ目の魂のほうが守護神を召喚するのにもっと適していることを示しているのだ。


「ありがとう、シァオ」と婆さんは言う。


「当主様の為にできる事をやります」とシァオは言う。シァオは霊域の空間を解除した。


会員制のお店の部屋にて。

シァオはこの店の住所が書かれてあった紙を暖炉に入れて燃やした。シァオは再び透視眼とうしがんを使い婆さんのほうを見た。これで婆さんの個人情報が見えたのだ。


「色々あってきっと疲れるでしょう、何か美味しい食べ物でも作ります!ウチはレストランなので注文はどんどんしてね」とシァオは言う。


しばらくすると、テーブルに季節を感じさせる料理が来た。お魚、お肉とお野菜、四季の味覚を堪能できるのだ。食べ終わるとシャオはローズに話した。


「いま、一族に戻るのは決して簡単な事ではない、祓魔協会が妖狐の王とローズを虎視眈々に狙っているはずです。しかし、協会は民間の人が祓魔ライセンスを持っている人の集まりであり、ローズを狙うのに対して祓魔機関エクソシストインスティチューショの許可状や指令状がないと協会は動けないので暫くローズは安全です。祓魔機関は昔の帝が設立されたもの、ローズは祓魔一族の血筋なので協会も祓魔機関もローズを欲しがるのは仕方ないことです。あと、妖狐の王が近々に来ると予感がする」とはシァオは言う。


「そうね、祓魔機関エクソシストインスティチューショは協会を吸収しちゃえばいいのにね」とローズは言う。


「これは吸収できないものです、祓魔機関エクソシストインスティチューショはまるで国際刑事などのように動くので、協会に属する人は国境以内であればどこでも派遣される、協会も祓魔機関も互いの資源に頼りガチ。祓魔一族の資源は完全に別の話ですが、祓魔機関に直属の特別倫理委員会に目をつけられないように気をつけて、じゃないと妖狐の王を片す人はいなくなる。あと、妖狐の王は祓魔機関に一度手を伸ばしたが祓魔機関は常世の国と連合し撃退中に逃してしまった」とシャオは言う。


話を聞いたローズは自分より若いシャオは恐るべしと思いはった。ローズは自分の神器であるブラックハンマーを見た。


「妖狐の王が世に出て以来まだ悪事をし続けている、幾つかの所がむやみに踏みにじり、一寸の草も生えず人々は生計を立てる事もできなくなってしまった場所も幾つかある」とシァオは言う。


「じゃあ、その人たちは今どこにいるの?」とローズは言う。


「今は私の霊域れいいきの空間に住んでいる」とシァオは言う。


「見に行ってもいいかな?」とローズは目をキラキラして言う。


「遊びたいだけだろ」とシァオは言う。シァオはローズにデコピンした。


「痛いっ!当主に何をする気ですか?」とローズは両手で額を覆いながら言う。


シァオと婆さんは笑った。


「さきは輪廻の術を施したから、エネルギーは既に減っているので、霊域の空間を二回も施すのは難しいです、さきの霊域の空間でローズと婆さんのあの立ち位置はきっと遠くにある建物を見えたと思う、その人たちは今そこに住んでいる」とシァオは言う。


強敵と戦う前にシァオはローズの遊びを付き添うのは御免だ。もちろん、シァオは敵を迎えるにはエネルギーを温存するのが必要である。


「よかった、シァオの霊域の空間に住んでいる人々は救われただけでなく、飲み食いの心配もない、しかし、今、とても心配なのはこのチャイナタウンの人々です」とローズは言う。


「そうね、そろそろこれの出番だ」とシァオは言いながら武器を取り出してテーブルに置いた。武器は双剣そうけんと称される、攻撃速度と移動速度が早いのと火力の貢献度は非常に高い武器なのだ。


一方、骨董品を経営するリーはVIPを見送ったあとにアルバイトのわんを早めに上がらせた。リーのエネルギーもほぼ回復した、店の裏部屋で長い間に使わなかった武器を取り出して拭いているのだ。


リーの武器は二種類があり、一つ目は護身用の小刀が隠れたの扇子、二つ目は三寸以上で四寸未満の小刀を内力ないりょくと合わせて使うものである、尋常でない速度で命中精度は百発百中なのだ。


リーの表情はある戦いを迎えているようだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ