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白練  作者: 高月和泉
第一章 帝都
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第四話 運命の歯車の忠告

ローズはドアを開けた後すぐに入らず再び中を見て動きがないことを確認した後、ローズは荷物室に入る第一歩を踏み出した。荷物室に荷物の山があり、荷扱い乗務員が荷物を目的地によって決まられた区画に置かれている、区画内の荷物が不規則である。


荷物の山にスーツケースだけではなく、ビニール製の大きな袋もあり、大きな布で荷物を包むのもある。ここ貴族ルームの荷物室ではない。ローズは中に入って隅っこに布に包まれた小さな箱の形をした荷物がローズの注意を引いた。ローズはこの荷物を見て疑った。


貴族でなければ託送規格に従って小さな箱を託送するのは割に合わない。また、庶民では貴族と違った複雑性があり、荷物室には荷物が多くてこんな小さな箱が荷物室で万が一なくしたら荷扱い乗務員が責任を負わなければならない。ローズが布に包まれた小さな箱を注意深く見ようとした時に列車が止まった。


ローズと婆さんはオアシス海底バスターミナル駅から列車に乗り出発して今まで列車が一刻も止まらなかった。この時に乗務員のアナウンスがローズの耳に入った、「オアシスマッハースター航空ターミナルに到着しました、乗り換えのお客様は時刻にご注意ください」


続いて柳宇りゅううは荷物室のドアを軽く開けてローズに言う、「もう駅に着いた」


駅に着く前にターゲットを見つけられなかったローズはがっかりして荷物室を出た後、既にセキュリティチェックされた荷物が荷物トレーラーでホームに直行するのを見た。荷物トレーラーは列車の荷物車両に対応する位置に止まり、ローズは荷物を手に持ち、列車に積み始めた。


係が乗車券チェックとお客が乗車すると同時に荷扱い乗務員による「ワイルドスピード」もホームで上演されているのだ。ローズは列車が経由駅も荷物を積まなければならない事と荷物が目的地に到着した後、荷扱い乗務員に降ろされるのが分かった。ローズは荷扱い乗務員を演じて暴露されるのは時間の問題と胸の中で考えている。


まだ、誰にも認識されていないが荷物室に戻って急いでターゲットを探さなければならないのだ。ローズが一分一秒を争った後にすべての客も列車に乗った。改札口が閉まり、列車のドアも閉まった、ローズと柳宇りゅううは荷扱い乗務員の事務室に戻り、列車はまもなく発車なのだ。ローズは速く歩きして再び荷物室に入り、再び布に包まれた小さな箱の前に来た。


ローズは布を解いて箱を開けると体は金縛りにかかり身動きがとれないのだ。ローズの視線がぼやける。奇しげな人が箱から出てローズの反応するのを待たず結界を張った。奇しげな人が箱から出て来るスピードと結界を張るスピードも祓魔師の眼でも見えない速さなのだ。


周りの音が消えてローズは静寂に引き込まれたのだ。この時の結界の外にいる柳宇りゅううは何も知らないままで荷扱い乗務員の事務室で手かかりを探している。


結界にいるローズは独り言を呟く、「金縛りか!」

ローズはもがいていると同時に重い空気の中で見つめられる視線を感じた。


この視線はなんだろう?

ローズの胸の中でそう思った。


突然に静寂な結界の中で時計の鳴る音が聞こえて、ローズは目を見回して周りを見ると壁に掛けられている鐘の針が十一半に止まっているのが見えたのだ。この時にローズの金縛りが解けた。ローズのぼやける視線もはっきりになった。


金縛りであろうと、時計の鳴る音であろうとそんなもの知るかっ、とローズの胸の中でそう思った。ここに来た目的はあの病原体の正体を明らかにすること、ローズはあの箱から出てきた奇しい人を捕えようとするが箱の奇しい人はローズの動きを先読みしたかのように素早く箱に戻ったのだ。


ローズは再び箱を開けようとするが箱の蓋が瞬間粘着剤でもつけられたかのようにかたくて、開けられないのだ。ローズは箱を持ち上げて見た、さっきはたまたま箱を開けれたと思う。たぶん箱に秘密のコンパートメントに小型の短剣が隠されているかもしれない。


開き方が下手だと箱の秘密のコンパートメントにある小型の短剣が発射され、箱を開けようとする人はランダムに射殺されるとか、もしくは開け方が下手だと箱が自壊するなど。ほかに人に知られてざる罠があるかもしれない。はじめて箱を開けれたのは偶然なのかもしれない。


偶然ではあるが、箱に隠された罠が壊れたという意味ではない。もしかして、視線がぼやけていた時にはっきりは見えていないがその黒影がこの箱の開け閉めをコントロールしているのかもしれない。しかし、今はローズに再び箱を開ける術がないのだ。


この頃ローズに一番近い荷物がローズの視線にはいった。荷物はカビが生えて腐っていることに気づき、明らかにここは長い間管理する人はいなかった。ローズは分かったんだ。ここは荷扱い室ではない。


本物の荷扱い室はきっと掃除する。

ここは虚構の荷扱い室なのだ。


列車の走行中のガッタンゴットンの音がないのも変なのだ。ローズは二度目に変な空間へ引き込まれたのが分かったが結界にいることにまだ気づいてない。変な空間に騙されそうだった、とローズは思っていた。


ローズが結界の中を見渡していると、カビが生えた荷物の横にブレスレットが落ちている。ローズは一目でブレスレットが自分のものだと分かった、ブレスレットの上に田舎の母との写真がペンダント中に入っている。ローズが今つけている同じものである。ローズはあまり考えていない、ブレスレットを拾いポケットに入れた。


この時に一人の女が現れた。

本を受け取った女だ。


何も言わずにローズを絞め殺そうとする。ローズの気管は圧迫され、たちまち顔は鬱血して、破裂しそうに膨らんだ。なんか、呼吸は細いものになっていきそうだ。絞め殺されそうだ。もがいている時に本を受け取った女を誤殺した。ローズの顔に驚き慄くの表情が浮かび上がり、両手をどこに置けばいいのか分からず手の震えが止まらない。


いつ頃から手のひらに冷や汗をかいて居ても立ってもいられない。ローズの目つきがまるで全ての希望が破れたかのように暗くなり表情が硬く、気持ちが極度に落ち込んでいる。果てしない絶望を感じて全身に重苦しさの気持ちが漂っている。誤殺した心の苦痛がローズを人の事に対して無関心で疎遠にさせたようだ。


すると、この時に結界中にある女の声が届く、「暗闇から逃げず、暗闇を受け入れ!」


誤殺された女の屍を見ていた、注意せずにその女の話に耳を傾けたローズの頭中に何か切れる音がした。


プッチン。


そう、ここに屍をどうするかだ。


この時にローズは荷扱い室のドアの外が伝わってくる動きを感じた。ここは虚構の荷扱い室であることを忘れたのようだ。何も考えずに託送される大きな荷物の後ろに慌てて隠れるようとしている途端にローズの手首に付けているブレスレットがちょうど、カビが生えて腐っている荷物の真横の地面に落ちた。


ブレスレットが落ちたのをローズは気ついていないのだ。ローズは大きな荷物の後ろに隠れた。結界に囲まれている虚構な荷扱い室の入り口から伝わってくる動きは荷扱い乗務員の事務室で調査中の柳宇りゅううの動きではなかった、むしろ入り口から入ってくる二人目のローズの動きなのだ。


ローズは二人目のローズが入ってくるのを見た。ローズの視線は荷扱い室の入口から小さな箱に移った。なぜか、解いていた布がきちんと箱を包んでいる。ローズの視線はまた二人目のローズに落ちた。この時のローズは当初に自分が感じた視線が荷物後ろに隠れていた自分から出たものだと理解したようだ。


冷静なローズが徐々に戻ってきている。


続いて、ローズが見えたのは二人目のローズが布を解き、小さな箱を開けて金縛りに当り、再び時計の音が鳴った後ブレスレットに気づいた。本を受け取った女は既に誤殺されたなのにまた現れた。二人目のローズを殺そうとするが二人目のローズよって誤殺した。


二人目のローズがパニックになる。


同じ時にローズは今の状況を整理した。自分は本体を除き二人がいる、二人目のローズと三人目のローズである。そして、ローズが今知られている屍の身元は二体とも本を受け取った女に属する。第一体目の屍はA女として、第二体目の屍はB女とする。


第三体目は仮に出てくるとしよ、第三体目はC女とする。まず、ローズはA女を誤殺した。二人目のローズはB女を誤殺した。三人目のローズは出てくるだろうか?C女も誤殺されるだろうか?


状況を整理した後にローズの視線は再び二人目のローズに戻った、見えたのは二人目のローズが荷扱い室のドアの外が伝わってくる動きを感じたため、慌てて託送される大きな荷物の後ろに隠れようとしている時に自分が手首に付けているブレスレットが地面に落ちた。すると、ローズは自分の手首を確認した、ブレスレットがない。


ローズは気づいた、これはループのことなのだ。時計の音が鳴る時はループが始まる事を告げられているので次に時計が鳴るまでになんとかしないと。三人目のローズは出てくるのだ。C女はループのこと気づいているなら行動の軌跡を変えるはず、気づいてなければ誤殺されるに決まっている。


既に荷物の後ろに隠れていたローズは二人目のローズが自分のところに向かってくるのを見て、逃げ場がないと感じた。幸いなことに二人目のローズは他の荷物の後ろに隠れた。この時にローズは生存本能に駆られたのか、それとも本体の自分以外の自分が現れることを許さないという心理に駆られたのか、荷物の後ろから出てきたのだ。


そして、荷扱い室の入り口から入ってきた三人目のローズを見えた。ローズと三人目のローズはお互いに顔を見合わせた。ローズは目の前の三人目のローズを見て、A女に殺されかけたことから三人目のローズも二人目のローズも自分を傷つける可能性があると判断して、三人目のローズと二人目のローズを縛ろうと考えた。


ちょうど近くの横に二本の麻のロープがあった。三人目のローズを縛った。三人目のローズの手首を確認した、手首にブレスレットをつけている。同時に他の荷物の後ろに隠れている二人目のローズを引っ張り出して縛り上げた。二人目のローズの手首を再確認した、手首にブレスレットがない。


ローズはいったん冷静になり始めた。


なぜ、二人目と三人目のローズが現れたのか、本を受け取った女性がなぜ自分を殺そうとするのか、ローズの頭の中に疑問と困惑に満ちている。ローズは虚構の荷扱い室で歩き回り始めた。疑問と困惑を解くための突破口を探している。


C女のいる気配を感じられなかったし、それにC女は出てこなかったので、これでローズは自分が三人目以降のローズの行動の軌跡を変えさせるとC女以降のD女やE女なども出てこないだろうと、ローズは虚構の荷扱い室歩きながら隅々調べている。


使える物体の手がかりは託送される開けられない小さな箱だけなのだ。


この時に女の声が再び結界に響く、「闇は君が必要であり、君は闇が必要である」


女の言葉はローズの耳に潜り込み、ローズの意識が侵されて頭の中に一言が浮かび上がった、ループのことであるならば誤殺しても自首する必要はなくなった。


女が再び話し出す、「恐怖と絶望こそ真の力の源です。さあ!最も美しい音の奏を始めよう」


意識が侵されたローズは思い始めた、じゃ、意図的の誤殺でも問われない。ここは虚構の空間ですし、殺しても何も問われない。唯一の生き残りが虚構の荷扱い室から出れる。意外なことに他のローズたちもこのような考えを持っているのだ、だがローズはそれを知らないのだ。


ただ、自分が最後まで生き残った人だと思うとローズ目の底の興奮は炎用に燃え上がり両目に広がる、今のローズは咲く彼岸花のように極めて危険なのだ。ローズは再びカビの生えた荷物の前に来て、自分が失くしたブレスレットを拾い、とりあえず自分の手首につけた。


ローズがブレスレットを拾う時に自分のブレスレットと同じ材質のものを見えのでカビが生えた荷物をどかして、同じ材質の物の全体を見えた。また同じブレスレットなのだ。他に同じたくさんのブレスレットが地面に散乱してある。


ローズは気づいた、これはループされているだけでなく、無限にループされているのだ。これだと三人目以降、または二人目以前のローズはどこにいる?


ローズは完全にロストした。


一つの声が不意にローズの耳に入った、「悪趣味な遊びはいい加減にしてちょうだい!」


このとても貫通力があり爆発的な声はまるでライオンの咆哮のようだ。二人目のローズ、三人目のローズと本を受け取った女の死体たちなどを一気に形もなく跡もなく消えたのだ。この時のローズは侵された意識が飛んでいった。


結界中のものが消えたのを見たローズは確認のためポケットに入れあったブレスレットを触ろうとしたが、ポケットに何も入っていない。結界によって騙されたのを確信したのだ。列車の真相を知りたいせいか、ローズは箱の前に行った。


しばらくすると荷物扱い室は静かになった。

ローズが開けられなかった箱の蓋が開いている。


箱から出てきた奇しい人の顔はローズと瓜二つであるが、顔の半分に激しい感情の表れた恐ろしい形相なのだ。もう片方の顔がとても普通の明るいなのだ。全体的にすごい顔をしているのだ。ローズはびっくりして気絶するところだった。


ローズが話すのを待たずに箱から出てきた瓜二つなローズは半分の明るい顔を使って言う、「私は未来の貴女です。時間はあまり残っていません。これから私の言うことを信じてください」


ローズは婆さんから真実を知ったこと、結界で起こった事。そして、今は目の前に箱から出てきた瓜二つの未来の自分がいる、しかも全体的にすごい顔。もう、これから先は何あってもおかしくないのが分かった。しかし、ほんとの状況がどうなのか相手の話を聞いてからまた決めなければならない。


「もし、私に未来の運命を教えてくれるなら貴方は滅びます。私は貴方です。貴方は私です。私を滅ぼさせるのが怖くないですか?」とローズは言う。ローズの気持ちは無力でどうしようもない感じがして、まるで空に漂う炊煙すいえんのようだ。


「私は永遠に解けない術が降ろされた。貴女は消えず新しい未来がある」と未来の明るいローズは言う。


「いったいどんな術ですか?もし、私を探すなら堂々と私を訪ねてください。なぜ、このような方法で私を案内するのですか?」とローズは言う。


「まず、私に降された術は変化の呪文、体に刻むと永遠に大人の手のひらほどの大きさになる。私は箱と一緒にシュレーディンガーの猫と呼ばれる武器および悪趣味の一度切りのおもちゃにされた。しかし、私は捨てられた武器です」と未来の明るいローズは言う。


「シュレーディンガーの猫.....」とローズは言う。


「このシュレーディンガーの猫を作るには先に祓魔師の体に変化の呪文を刻み、呪文によって骨も神経も一緒に小さくなった祓魔師は箱に閉じ込め、箱の中に悪の魂を置く。 取り付けた装置で箱の中のエネルギーの崩壊が起こると、それを引き金に神器のブラックハンマーが振り下ろされ、悪の魂が飛び散って粒子状になり、箱中に浮遊させるの仕掛けにする。 悪の魂が粒子状で飛び散りれば箱中の祓魔師はそれを受けざるおえない訳になるです」と未来の明るいローズは言う。


「それって仏か魔物か、一刹那の距離じゃないか、そして知らずのうちに自分を見失うことになる」とローズは言う。


「そうです。極めての意志を通さないとここで貴女と話せるはずがない、あと私が案内したのではなく貴女が成すべきことがあるからここに来たのです、私と未来の凶悪のローズどっちかが黙るもしくは動きがオフになっている状態だと、意識がどっちかによって押し抑えられているのだ」と未来の明るいローズは言う。


すると、今のローズは未来の恐ろしい形相のローズを一瞥した。意識が未来の明るいローズによっておししずめされたせいなのか、目玉をぎょろつかせてにらんでいる、狼のように形相は凶悪なのだ。


「貴女の周りの人は皆ハイレベルの祓魔師です。ハイレベル指導を受けれるが各祓魔師の目的や立場が違うので私の出現によって自然に争いが起る。争いを避けて貴女と話したいのです。まして、誰かがこの箱を開けると中の祓魔師が箱を開けた人の視線に入る前に消える設定をされている、私は残存の裏能力を発動して延長術を使ったこそ貴女と話せる、貴女に今すぐ使える術を教えたい、残り少ない時間ではあるが貴女に術を教えるのに対して充分な時間です」と未来の明るいローズは言う。


「どのような術ですか?」とローズは言う。ローズも余計なことを言わない。


「これから教えるものは全てが禁術と禁じられた神器であるが、なぜ禁術と禁じられた神器はただ禁じられているだけで滅ぼさないのか知ってる?」と未来の明るいローズは言う。


「それ知りません」とローズは言う。


「万が一のために命の保証があるようになのです」と未来の明るいローズは言う。


「禁術の習得と禁じられた神器の受け入れをするか、しないか貴女の次第です」と未来の明るいローズは言う。


「私の直感は私に学ぶべきだと教えてくれました」とローズは言う。結界で起こったことで正直なところローズは未来の明るいローズを信じるしかない。


「では始めます。一つ目は延長の術、実体物ではない時間、空間、寿命、意識しか延長できないのでエネルギー消耗が激しい術なので気軽に使ってはいけない。二つ目は移転の術、なんでも知らずに移転できるが悪用されないように要注意です、エネルギーの消耗は小さい」と未来の明るいローズは言う。


「延長の術は気配を延長できたりするですか?」とローズは言う。


「現段階ではできないが理論上では開発すればできるよ」と未来の明るいローズは言う。


「なるほど」とローズは言う。


「三つ目はライオンの咆哮、無限ループゲームを破壊した貫通力と爆発性がある声です。ライオンの咆哮は十人に一人しか習得できない難しい術です。建築物などの実体物も破壊できるほどです。四つ目は幻術の人生のリハーサル、幻術の中で相手のためとか主張しながら未来を見せて、相手に精神的のダメージを与えること。この幻術に効き使えるターゲットはメンタル弱い敵しかいない」と未来の明るいローズは言う。


祓魔一族の魂なので術は抵抗がなくローズを受け入れた。ローズも平穏に術を受け入れた。


「思ったよりのみこみが速い!五つ目は術ではないがブラックハンマーと言われる神器をあげる、丸いほうで叩けばものが粒子状で飛び散る、尖ったほうで叩けばなんでも抹消される、神器も悪用しないのと悪用されないように気をつけてください」と未来の明るいローズは言う。


今のローズは専用の武器を得られたのだ。

神器もローズと相性が良いのだ。


「信じられない一つの事があるので最後にはっきりさせたい、本を受け取った女性も、捜査中に現れた魔物も、移転の術を降し腐食性オーラを移転しようとしたのも、結界の中で起こった事はすべて貴方がやったのですか?」とローズは言う。


「それ隣のものがやったです、私の移転の術が隣のものに悪用された」と未来の明るいローズは言う。


「黙れ!あんたに何を知っている?悪用ですって?これは愛する人の代わりに世界を征服するんです」と未来の凶悪のローズは未来の明るいローズは言う。


「未来の凶悪なローズはあの狐の意志と方針を継承ている」と未来の明るいローズはローズに言う。


未来の凶悪なローズはこの世と宇宙の破壊しようとしている、それを阻止する人は私じゃなくても、きっとローズはする、と未来の明るいローズは思っている。


「この世界は私だけが支配できる。あんたのいわゆる正義と夢はただ手の中のおもちゃと足元の埃に過ぎない、いつでもそれを砕くことができる!なにしろ、死ぬ前の悲鳴は最も美しい旋律です」と未来の凶悪のローズは未来の明るいローズは言う。


未来の凶悪のローズは企みがあった。


未来の凶悪のローズは世界を支配するために敵対する者を排除することで結界を設置し、無限ループゲームで傀儡の術を使い、託送された人形を利用してローズを殺めようとする。ローズを殺める前にローズのゆっくりと変化を見たくて声でローズの意識を侵し、操っていたのだ。


もし、未来の凶悪なローズは本当にローズを殺めたら未来のローズは世界に全く存在せず、エマの身体にあったローズの魂も存在しない、使われているエマの体だけが残されてるのだ。だが、未来の凶悪なローズは知らないのだ。ローズはあの狐は何者なのかを思い出したいけど思い出せず両手で頭を覆い、激しい頭痛に襲われている。


まるで記憶喪失でもしたかのようだ。


「私にもっと近づき、暗闇の魅力を感じて一緒に沈みましょう。ローズが暗闇に落ちる時の姿きっと最も美しい堕落に違いない」未来の凶悪なローズはローズを見て言う。


ローズの頭は頭痛によって破裂しそうだ。


「闇への誘いに抵抗したいのかな?君はできない、ローズ」と未来の凶悪なローズは言う。


「それに良い縁だったわ、来世で愛する人と会えるなら前縁を続けたい」未来の凶悪なローズはヤンデレである、愛する人に依存性を持っているのだ。


「何を言ってる?あんたは祓魔一族の血筋なのに一族の面をよくも自らの手で汚したくれたね、あんたがあの狐の悪趣味な遊びだけ継承してどうするんです?」と未来の明るいローズは未来の凶悪なローズに言う。


「なんですって?」と未来の凶悪なローズは言う。


「チッ!私が今いるこのシュレーディンガーの猫と呼ばれる箱はあの狐の傑作!無限ループゲームはあんたの傑作!傀儡の術で列車の乗客が託送する人形を使い本体のローズを除き二体のローズと誤殺される前の女を二体くらい再現して、無限ループゲームを作り上げた、しかも、カビが生えた荷物とかの設定がミスっているし、趣味悪っ!」と未来の明るいローズは言う。


そう、本を受け取った女は未来の凶悪なローズが傀儡の術によって出来上がったものだった。


ローズは列車の真相は分かった。

腐食性オーラを持つ病原体は未来の凶悪なローズ。

未来の凶悪なローズはなんて酷い。


「狐様を傷つけると、私が全世界が狐様のために陪葬ばいそうさせる!」と未来の凶悪のローズは未来の明るいローズに言う。


「恥を知れ、この祓魔一族を裏切った裏切り者め」と未来の明るいローズは未来の凶悪なローズに言う。


ローズの頭痛が少しおさまった。


「貴方は未来の凶悪のローズと同じ体を使っているのになぜ貴方だけは腐食性オーラに丈夫なの?」と今のローズは言う。


「元々は腐食性オーラを防ぐ体質だったが、悪の魂が腐食性オーラを持っていたのでブラックハンマーの叩きにより悪の魂は浮遊する粒子状になり、耳や鼻などに侵入し腐食性オーラを防ぐ体質を内部から破壊され隣の顔は病原体になったのです。私は結構な内力を極めていたので腐食性オーラを防ぐ残りの体質はまあまあ丈夫です、隣りの顔が病原体になってからお互い独立した思考力を持つようになった、まるで意見が合わない兄弟のようです」と未来の明るいローズは言う。


「そう言うことね」とローズは言う。


「最後は肝心な内力ないりょくをあげる。内力は攻撃、防御、治療など様々な用途に用いられ、術と神器の使いの基礎と位置づけられているもの、内力がないと術と神器も使えなくなる、貴女はまだ一体化してないし、ローズの魂はエマの体を使っているので内力はエマの体を通してローズの魂に注入する、あとはエマの体はただの人間であり内力がエマの体を通している過程で吸収されないよ、安心してね」未来の明るいローズは言う。


ローズは頷いた。


「じゃ背中をこっちに向いてください」と未来に明るいローズは言う。


すると未来の明るいローズは両手をローズの肩甲骨の下に当てて移転の術を使わずに内力をローズに移転し始めた。しばらくするとローズの魂が熱くなり、今までよりもさらに多くのエネルギーが放出されている。


内力の移転が終えてローズは質問し始めた、「一体化とはなんですか?」


「それについてですが、私より詳しい方と出会えるのでその方とお話してください」と未来の明るいローズは言う。


「時間がないもんね。貴方は一体化したですか?」とローズは言う。


「あの狐の手によってされたよ。時間がないので一つお願いがあるのです。私を殺してください」と未来の明るいローズは言う。


「それは......」ローズは言う。

ローズは躊躇しているのだ。


「未来の凶悪なローズに殺されるのと貴女に殺されるのは性質が違うんです、これは幻術ではない、本物の人生のリハーサルなのです、私を殺さないと未来は変えられずガチで無限ループになり、この箱にいる私の姿になってしまう。このままだとまた私の忠告なども無駄になる、何を躊躇しているんです?」と未来の明るいローズは言う。


そう、ローズは何を躊躇しているの?未来を変えるためかつての自分を殺さなければならないなんて、どんなに心配なことか。ローズは乗客がいるの所から探して、荷扱い乗務員を演じて、未来の凶悪な自分が張った結界に騙されて、やっとここへたどり着いたのだ。


真相を探す旅先では何があってもおかしくはないの覚悟したが、いざ立ち向かう時は誰しも生まれたての子鹿みたいなのだ。神器であるブラックハンマーを手に握るローズは頭痛を耐えてそう考えている。


「荒唐無稽に見える事や物も規則性があるのです、貴女が私と隣のものと出会ったのようにです」と未来の明るいローズは言う。


「貴女が思う荒唐無稽を理解する事が成長にも繋がるのです、例えばここで未来の自分を殺すこと」と未来の凶悪のローズは言う。


「なんか、これは祓魔師が言いそうなことを......あんたらしくないね」と未来の明るいローズは未来の凶悪なローズに言う。


「私は逃げ場がないからさ」と未来の凶悪なローズは言う。


ああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛-----!!!

ローズは葛藤を経た。


結局は神器であるブラックハンマーを手に握っても、未来のローズを滅ぼさなかった。未来の明るいローズはローズに命を守るための呪術と神器を渡し、ローズに多くの指導を与えた。基礎の全ての内力ないりょくもローズの体に移転した。これはローズが啓蒙の師匠と呼んでも過言ではないだろう。


未来の明るいローズと未来の凶悪なローズが一体であるにも関わらず、ローズは未来の明るいローズの良さを覚えているだけでこれが本当に運命の無限ループを破ったのだ。同時に未来の明るいローズは最後の忠告を終えたので未来のローズはあっという間に消えて、箱も消えたのだ。


運命の無限ループを破った者に印がつけられる、この印は神獣しんじゅうとの契約でもあり、印は入れ墨のように手首に浮かぶのだ。ローズの手首に麒麟が現れたのだ。麒麟は紀元前から龍の国の伝説の動物で、慶事の前に現れるのが多く、めでたい印なのだ。


他のものを慈しみ、思いやりを持った縁起の良い神獣しんじゅうである。生きている虫を踏まずに草を折らない、百獣の長なのだ。また名君の誕生に合わせて現れる天下泰平てんかたいへいの印なのだ。麒麟の印が浮かんでいたローズのその手がブラックハンマーを握っていた。


ローズは手を離した。

ブラックハンマが地面に落ちる。


神器が落下するとともに結界が消える。ローズは無気力にバタッと地面に座り込み、普通の人なら短い時間内での激しい気持ちの起伏に耐えられない。気持ちが激しく起伏と伴い心臓の鼓動が加速になる。心臓と脳は最も力が消費する臓器なので休む必要がある。


ローズは今しばらく脱力しているなのです。

神器と言われるものは重いので不注意に落とすと落下音が結構大きいです。落下音を聞いた柳宇りゅうう荷扱い室に入った。


ローズが地面に座っているのを見て声かけた、「大丈夫ですか?」


ローズは柳宇りゅううが自分に話す声を聞こえたが、ただ柳宇の言葉に答えられないほど脱力しているのた。柳宇はローズの状態を見た後に脱力したことを知り、まず人を救うため何も聞かず楽々にお姫様抱っこでローズを抱きあげ、荷扱い事務室の外へ行った。


この時の婆さんは調査で庶民ルームの座席車両まで来たのだ。乗客に気づかれないまま荷物車両に入った。廊下で柳宇りゅううと出会った。婆さんは二人とも乗務員の制服を着ているのを見て状況を理解した。


「ローズを私に渡して」と婆さんは言う。


柳宇りゅううは婆さんと初対面なのでそれに婆さんのさきの言葉を聞くとちょっと警戒心が起こった。


この時にローズは口から声を絞り出した、「私を婆さんに渡して」とローズは言う。言葉を言った後にすぐ柳宇りゅううの懐に倒れた。


本人がそう言うなら仕方ないので柳宇りゅううはローズを婆さんに渡す。婆さんは柳宇の懐からローズを受け取る時、ローズの手首の印が見えたのだ。婆さんもローズの手首の印が縁起の良いものであることを知っているのだ。


今はまず人を救うことが大事なので婆さんは余計なことを言わずに柳宇りゅううの腕の中のローズを一気に受け取り、制服に着替える前の服がどこにあるかと柳宇に尋ねた。ローズの服が女性お手洗いにあると柳宇りゅううは答えた。柳宇りゅううの返事を聞いた婆さんは女性お手洗いに入り、柳宇は再び男性お手洗いに入って服を着替えた。


女性お手洗いにて着替えの手伝いが終わった婆さんはローズを抱き上げて、列車内の通路に乗客がないのを確認して、乗客の注意もない時に柳宇りゅううと一緒に荷物車両を出たのだ。列車の貴族ルームにいたビオラは調査のために庶民ルームに来たところこのまま婆さん、ローズと柳宇りゅううと合流した。


ビオラは柳宇に全く気づかなかった。


ビオラが婆さんを見て話す、「私の調査によると最初から病原体の真実は存在せず、この列車に存在しないという事はこの世に存在しないという意味ではない」


婆さんは懐の中のローズを見た。


「何があったかローズが目覚めるまで待たないと」とビオラは言う。ずっと婆さんの隣に人がいるなあと感じたビオラはの視線はローズに落ちるが、伏し目で柳宇りゅううを観察している。


「ビオラ、この方がローズを助けてくれた」と婆さんは言う。人が本気で相手を救いたい時に相手を懐に抱くのだ、まして救われた人は十五の少女だった。婆さんはまさにこのお姫様抱っこの場面を見えたので柳宇りゅううがローズを救う人と確信したのだ。


「私はビオラ・サルビアです、ビオラと呼んでください」とビオラは言う。


「私は柳宇りゅううです、りゅうと呼んでください」と柳宇は言う。


「寝台に行こう」と婆さんは言う。


婆さんは懐の中のローズを寝台に寝かせて、ビオラはまずローズに呼吸と脈拍があるか確認した。ローズのタイトな服などを緩めて、同時に下肢を高く上げて脳などの重要な臓器への血液供給を確保する。脈拍があるかを確認した時にビオラはローズの手首の麒麟の印に気ついた。


ビオラも麒麟が縁起の良いものだと知っている。


柳宇りゅううはローズの顔が赤くなったのを見て手でローズの額を触り熱が出たことを確認した。タオルを持って水につけて水分を絞り出し、濡れたタオルをローズの額に置いた。ビオラはローズに緊急措置を行う、首の後ろで生え際のうなじの筋肉の外側で凹んでいる場所に風池ふうちと言われるツボがある。


ツボの位置のくぼみは池のようなので「池」と言われている、また風病ふうびょうを治療する重要なツボなので風池ふうちツボと呼ばれているのだ。古代の龍の国では漢方で身体に冷たい風に当たって悪寒、発熱やめまいとウイルスなど目に見えない外因も風の毒に冒されて起こる病気と見なされている。


和の国では平安時代からその意味で「風」が使用されはじめ「風病」(ふびょう)とも呼ばれていた。風邪に関する病気は風池ふうちツボの位置で治療し、不快感を緩和することができる。風池ふうちはその位置から名付けられているのだ。


今は風池ふうちツボを押すことが目の疲れ、めまい、発熱などに対しての緊急措置とされているのだ。また、風池ふうちツボも熱中症予防のところでもあるのだ。ビオラが風池ふうちツボを押して血液が上手く循環させるために風池ふうちツボのところに暖かいタオルを置いた。


すると、ローズは目が覚めた。


「介抱してくれてありがとう」とローズは言う。


ローズが目覚めたので三人とも安心した。


「何かを食べよう」と婆さんはローズに言う。


「だいじょうぶ、水を飲みたい」とローズは言う。


すると、婆さんはバック中にある一本の水を出してローズに飲まさせた。正午の日差しはまるでスポットライトのよう窓に差し込んだ。祓魔協会では会長が占いをしていて占いの水晶玉でローズの動きをみていた。


「あの一族の血筋が神獣の麒麟と契約するなんて、今までなかった事、あの一族は善弧ぜんこの代表格である金狐きんこ白狐びゃっこまた鬼捕り将と言われる白虎はっことしかと契約しなかったわ」と祓魔協会の会長は占い水晶玉を見ながら言う。


一方、祓魔一族の代理当主は三つの目と言われる千里眼を持っている、代理当主も千里眼でローズの動きを見ていたのだ。


「諦めべきの声も届いているが、私は貴女を信じていた」と祓魔一族の代理当主は言う。


この時の列車内では、ローズは短い時間内の激しい気持ちの起伏に耐えた後に最終的に穏やかな気持ちに戻ることができると言うことは元々強いメンタルを持っているに違いない。寝台に座っていてローズの背中が寝台の端に寄りかかっている。婆さんは荷物車両内でいったい何が起こったのかとローズに尋ねた。


「ヨーロッパでは悪魔、和の国では妖怪や霊、東南アジアでは巫蠱ふこ、我が国では妖怪や悪鬼あっきと呼ばれている、これだけの異なる名称があると言うことは各文化が世界の限界性を示しているなのです。霊異現象は今の現代科学で証明ができないものなのです、それらの現象の「源」は恐ろしい「もの」であり、適切に言うと人間より少し高度な魂である、それらと対抗するために試練を経り磨かれてもっと高度な魂が必要です」とローズは言う。


婆さんは理解できる。

なぜなら、婆さんの魂もローズのもの、ローズは生まれつき二個の魂を持っているのだ。今はしばらく婆さんの身体に保管しているだけなのだ。


ビオラも信じている。

なぜなら、そう言った類の治療も研究しているのだ。


「一緒に旅しませんか?」とローズは柳宇りゅううに言う。


柳宇りゅううは昔から術式の本を読んでいたので術式を研究していた。今は新しい小説のインスピレーションのために一緒に旅するに決めた。

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