21/30
第二十一話 孤独
夜半にマリアは目を覚ました。
窓から漏れる月明かりが、マリアの肩までかかる金色の髪を輝かせていた。
珍しく、夢を見た。ずっと昔の夢。ミケーレと出会った時の、とても懐かしい夢だった。懐かしいけれど、その日から、天涯孤独の身の上になったのだ。
でも、マリアはそのことを悲しいと思ったことはない。
ふと、頬に手をやると、濡れた。
涙――?
いつの間にか、泣いていたようだ。泣いたのは、いつ振りだろうか?
両親の死にも、大切な友人を見送った時にも、涙は零れなかったのに――。
ベッドの傍のサイドテーブルに置いていた短刀を、マリアは手に取った。その昔、ミケーレに贈られた短刀だ。
マリアは短刀を愛おしそうに胸に抱き、ベッドに横になった。
偶には、無性に人恋しくなることもある。
やがて――。マリアはまた、静かな寝息を立て始めた。




