BLACK BLANK

　空欄にも、種類があるかも？

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　いまからでも あとからでも

　書き込んでやれる空欄なら

　なにひとつ 嘆くことなどない

　むしろ そこには自由がある

　むしろ そこには希望がある

　むしろ そこには可能性がある

　埋まっていないことに 不安をおぼえても

　塞(ふさ)がれていないことに 喜びを見出(みいだ)せ

　白い空欄

　そのなかにはなにもないからこそ

　満たして なおもありあまる

　はみ出して 枠におさまらぬ

　なにものかが あり得るのだ

　されど わがまえに 口をあけるは

　白い空欄ならぬ 黒い空欄

　埋めるものもないまま塞(ふさ)がれているそれは

　ひらいた空白ではなく とじた空黒(くうこく)

　自由も 希望も 可能性も残さずに

　塗(ぬ)り潰(つぶ)された BLACK BLANK

　ここには ただ

　膠着(こうちゃく)と 絶望と 不可能とが満ちている

　われが願えるのは

　その 膠着(こうちゃく)と 絶望と 不可能が

　この空欄を 満たしてあまらぬこと

　この空欄に はみ出さずおさまること

　そして ほかの まだ白い空欄までを

　黒く塗(ぬ)り潰(つぶ)すことがないこと

　それだけだ

　目のまえに空欄をならべるきみよ

　その枠のなかが

　まだ白いうちに まだ黒く染まらぬうちに

　塞(ふさ)がれていない そこを

　埋めるべきものをみつけるがいい

　その枠のなかが まだ白いうちならば

　自由だか 希望だか 可能性だかが

　幾(いく)らかでも 残されていることだろうから

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　白ければ、書き込んでやればいい。