通報されたらしく、パトカーにくっつかれて監視されました

　私は基本左側車線しか走りません。

　これをしていると、真ん中車線や右側車線の車を追い抜いてしまったりすることがよくあるます。

　飛ばしているつもりはありません。制限速度にはあまりこだわりませんが（私の交通エッセイ『車を運転するにおいて絶対に守るべきものとは何か』にそのへんの理由は書きました）、とにかくキープセンターやキープライトをする車が多いので、行列しているそれらの車線を左側からスイスイ抜いて行く形になってしまうことが多いのです。

　もちろん遅すぎる車につっかえたら追い越しをします。

　その場合、真ん中車線も遅すぎたら、追い越し車線まで行って追い越しし、終わったらまた一番左側に戻ることになります。

　これでよく通報されます。

　私が『ジグザグ運転をしている』とか、『もっと優しい運転をするように言ってやれ』とか言われました。

　登坂車線を走っていて、もうすぐ車線がなくなるというところで右ウィンカーを出したら本線の車が後ろからスピードを上げてブロックしに来て、構わずウィンカー６回出した後にゆっくり本線に出たらクラクションを鳴らされ、「急ブレーキを踏まされた！」と通報されたこともあります。あなたがそのままのスピードで走っていれば何事もなかったんですが……。どうやら左側から自分の前に入って来る車を『ふざけている』と思うような方は多いようです。

　会社の名前が入っている車に乗っているので、いつもなら会社に通報されます。

　先日はどうやら遂に警察に通報されたようで、パトカーさんに張りつかれました。

　私が車の多い東名高速道路を走っている時のことでした。

　場所は横浜町田〜秦野中井までぐらいの区間だったと覚えています。

　横浜町田IC付近やジャンクション付近は流出入が多いので私も左車線を走らないことが多いです。状況によっては３車線の一番右を走り続けることも多いです。

　でも左側が空いていたらもちろんそんなことはしません。

　工事区間で『渋滞防止のため連続規制中』と書かれているのを見たことがありませんか？

　私が基本キープレフトをして、追い越しも積極的にするのは、いわば渋滞防止のためです。

　そんな私が追い越し車線を走り続けることがある理由もまた、渋滞防止のためです。

　左側が空いてるわけでもないのに、意地になってキープレフトするような必要はありません。それでは周囲に速度変化を起こさせてしまい、渋滞の元凶になってしまいます。そういう場合は工事区間と同じように、車線変更をなるべくしない走り方をしたほうが渋滞防止になるのです。

　状況によって最適な車線の選び方というものはあるのです。

　ところが90%の車は同じ車線を延々と走っています。少なくとも私にはそんな印象があります。

　一番左側の車線はガラガラ。ほとんどの車は真ん中車線に行列を作り、追い越し車線を延々と走り続ける車も多い。

　あの辺りがしょっちゅう渋滞するのはそりゃ当然と思います。一番級に遅い大型トラックもど真ん中を延々走っていますから、それを追い越すためにまた追い越し車線がギッチギチに詰まります。ちなみにあのへんは大型トラックは左側に何も走っていないのに真ん中車線を走り続けると違反になります。『通行帯違反』、１点７千円の罰金です。

　ちゃんとキープレフトをする車にとって、あれはとても走りにくい状況を作り出してしまっていることになります。

　走りにくいならみんなと同じ走り方（延々ど真ん中走行）をしろと言われそうですが、それが状況の元凶になっているのに、わざわざ自分まで渋滞作りに参加する気にはなりません。

　それゆえに前述した通り、私はなるべく周囲の渋滞をブーストしないような走り方を心がけているのです。

　行列につく時は車間距離を使い、渋滞吸収に努めています。

　私の悪いクセで前置きが長くなりました。うざくてすみませんm(_ _)m

　ここからようやく私がパトカーに張りつかれた話に入ります。

　私が混み気味の東名高速を前述したような走り方で走っていると、追い越し車線を飛ばして一台のパトカーが追いついて来ました。

　それは私に近くなるとスピードを緩め、左側車線を走る私の後ろにぴったりつきました。

　私は運転のしかたを変えませんでした。それまでと同じペースで、前が詰まったら追い越しをし、左側が混むことが予想されるポイントでは真ん中車線を延々と走り、そこも混んだら右側車線に出て延々追い越しをしました。

　パトカーは私に合わせてついて来ます。まるで私を監視するように。

　早い時点で気づきました。

　ああ、誰かが私を『ふざけた車がいる！　取り締まってくれ！』とでも通報したのだな、と。

　延々同じ車線を走らない私はふざけた運転をしていると思われたのだな、と。

　でも私はいつも通りの走り方を変えませんでした。

　むしろパトカーさんに見てもらおうと思いました。

　左側車線が少し先で詰まって大きな速度変化が来ることが予測されたので、真ん中車線へレーンチェンジしようと右ウィンカーを出しました。３秒、６秒、10秒……出し続けました。私の右隣の車が、前にぱっかりと車間距離とはとても言えない大穴を開け、私と並走を続けていたからです。

　嫌がらせのつもりではありません。教育とかをしているつもりもありません。ただ、『そこにいられると私が車線変更できませんよ』と当然のことをアピールするためです。

　いつもならこういう時、並走車は『ふざけんな！』みたいにクラクションを鳴らして来ますが、私の後ろにパトカーがいるので出来ないようでした。

　私はこういう時いつもするように、微減速をして、並走車の後ろに車線変更し、そのまま追い越し車線まで出て、並走車を追い越して、真ん中車線に戻りました。

　パトカーがちょっと『ウッ…』とサイレンを鳴らしそうに見えました。そして急いで私を追いかけて来ましたが、私がその後何もいなくなった左側車線に戻り、大人しく走っているのを見ると、しばらく延々と私の右斜め後ろをついて走っていましたが、やがてスピードを上げて前に見えなくなりました。

　私は左側車線、真ん中車線、追い越し車線それぞれを同じ速度では走りません。

　左側車線から真ん中車線に出た時点で２〜10km/hペースを上げます。サッと左側の車を追い越し、並走時間を短くするためです。

　私が並走車を追い越したのはそういう理由です。

　真ん中車線を左側車線の私と同じペースで並走する車はつまり、真ん中車線に出た私より遅いのです。

　パトカーが何も言わずに走り去ったのは、そんな私の運転を『問題なし』と判断したためでしょう。

　私を通報する方に言いたいです。

　私を通報する前に、ご自分の運転を見直してみてはどうでしょうか？

　あなたが真ん中車線を延々並走していたら、私は車線変更ができません。

　自分が困るから、自分が嫌だから、そう主張しているのではありません。

　そんな道路を狭くするような走り方がなぜ正しいと思うのか？　を問いたいのです。