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Create  作者: shi
第5章
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お姉さんの家

忍耐力も上がったところで私たちは次の目的地へと向かう。

「み、みなさん。次はどこに向かいましょうか」

「そ、そうだなぁ。今、食べ物だったから次はそれ以外のものの方が良いんじゃないかな。ね、ユイ」

「う、うん。そうだね。あんまりたくさん食べすぎても却って体調を悪くしそうだしね」

私とユイとヒイラギはどことなく歯切れの悪い会話をする。


「そうね!これだけ大きな国だったら食べ物以外にも魅力的なものはいーっぱいありそうだわ!」

「私もそう思うよ。興味深いものがありすぎて困ってしまうくらいだねぇ」

この2人は何でこんなに元気なのか不思議なくらいだ。

私たちと違って忍耐力が6くらい上がってるんじゃないか?

と、ここでアイダムに来た時のことを思い出す。

「そういえば…」

私はズボンのポケットに手を入れて一枚の紙を取り出す。


「ここに来た時にメアさんにメモ用紙を手渡されて…、あったあった。もし他に行く所が無さそうだったらここに行くのはどう?まだ時間的には早いとは思うから、もう少し暗くなった頃にはなると思うけど」

この国でヒイラギの他に知っている数少ない人。

検閲所で会ったメアさん。

その時に彼女の家の地図が描かれたメモを貰っていたことを思い出した。


「ここに来て気になったところを一通り見て回ったらメアさんの家に行ってみようよ。最悪、道が分かんなくてもヒイラギが知っているだろうし」

というか、このままアヤのペースで回っていたら後日の交渉の時に一体どんなことのなっているやら分かったものではない。

私の気になった所、ユイの気になった所、アヤの興味が湧いた所、アイラが目を輝かせた所。

時間が許す限り色んな所を回って、ついぞメアの家に行こうかという話になった。

気づけば、忍耐力も15は上がっていた。


メアの家は大通りからは少し離れた比較的閑静な住宅地の中にあった。

家自体も決して派手な外観ではなく、他の家と何ら変わらないありふれたシンプルな家であった。

玄関先にメアの表札がなければ、もう数十分は探し回っていたであろうほどに。


呼び鈴を鳴らすと程なくしてドアの奥から足音が近づいてくる。

ドアが開くと検閲所に会った時とは違う、プライベート感満載のメアの姿が。

先頭にいた私の姿を認識するとゆっくりとメアの顔がほぐれて笑顔になっていく。


「あら~。あのメモを見て来てくれたの?そんなにお姉さんに会いたかったの?大したおもてなしもあるから、ささ、上がって、上がって!」


メアの部屋はシックな雰囲気で整えられており、部屋の中に置かれているソファや机は数も配置も最適な環境下にあり、その上で鏡や絵画などの装飾品がその環境を彩る構成要素としてごく当たり前のようにさこに存在し、この1空間の調和を完璧なものとしている。


「私の予想だともう少し早く来るかなって思ってたけど、案外楽しんできたようだね。どうだった?」

既にキッチンへと向かっていたメアは人数分のカップに紅茶を注ぎながら私たちに尋ねる。


「楽しかったわ!私たちの住んでいるところでは見た事も無いものがこの国にはあったの!」

「うん。それだけじゃなくて知っているようなものもあったけど、この国にはこの国の特徴を持ったものがあったから、ほとんどのものが新鮮に感じられたよ…」

「私はずっとあの集落にいたから全部が驚きしかなかったねぇ…。ただ、出店で売られていた野菜を見た時だけは私たちが作っている野菜の方が立派だとは思っちゃったねぇ」

「うんうん。3人同時に喋られてもよく分からないけど、とりあえず楽しかったみたいで良かったよ」

メアは席に着くとニコニコしたまま正直に話した。


全員がコップの紅茶を一口飲むと、やはり再びメアが話始める。

「それで?明日は国王の所に行くんだとして、この後はどうするの?」

「うーん。特には決めてないですね。そもそも今回の目的は交渉な訳であって、観光がメインの目的ではない訳ですし。その場の雰囲気と言いますか、流れに依るところがあるんですよ。我々」

「ふーん?じゃあ特に考えてるところとかもないんだ。ここに来てから考えれば良いかって感じなんだね」

「そー…ですね。私の予想だと慣れない移動で今頃疲れているだろうなって思ってたんですけどね。いかんせん」

そう言ってアイラとアヤの方にチラと目をやる。


「あははー。成程ね。そりゃあ予定が無いのも当然な訳だ。そしたらさ、明日は私、検閲の仕事がお休みの日なんだ。だから、もしよ良ければ今日はあなたたちの住んでいるところのお話をして欲しいな。私ってこの国からほとんど出たことが無いから、こうやって直接聞く機会ってほとんど無くて。ヒイラギも普段忙しいから中々話聞けないんだよー」

「そうなの?それじゃあ…」


それから私たちはお互いのことを時間の許す限り話すことになった。

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