面白いことをしたい
「え?」
「いや、だってどう見てもここの人たちと雰囲気っていうか人種が違うじゃないですか」
ヒイラギと私たち。
若干違う理由な気もするけど、お互いキョトンとした表情のまま沈黙が広がった。
「こんなゴブリンだらけのところにおおよそ親類とも思えない人たちが集めっている以上、これはここの本来の住人とは到底考えにくい。となると、僕と同じここじゃないところから来た人と考えるのが妥当です。僕と同じならそうですね。ここが夢の中だとでも仮定しているんじゃないですか?」
それまでに感じていた柔らかな雰囲気から一転、どこかピンと張った雰囲気を感じ始めたのは私だけじゃないはず。
「そうだね。君もそこまで考えられてるってことは、こっちの世界に来たのはそれこそ数十回はいっているんじゃないかな?」
その中でもユイは慌てずにヒイラギの仮定に更にこちらの疑問をぶつける。
ヒイラギは少しニッとして被っていたローブを取り去る。
それまではうっすらとしか見えなかった顔が露わになり、そこには楽しそうに笑う美少女の顔があった。
「いやー、すごいなー!そうです、その通りですよ。僕はもうこっちの世界に数十回、というか正確な値はもう覚えていないほど来てますよ。それこそこれまで食べてきたパンの枚数を覚えていないようにね」
「じゃあ僕たちからしたらこの世界の大先輩ですね。ちなみに今話されている言語は…」
「もちろん日本語。ということはその辺のことも既に周知ってことね」
未だ驚きっぱなしの私たちの中で唯一ユイだけがヒイラギについていけているように見える。
そこで私たち同様に驚きっぱなしだった源がヒイラギに問いかける。
「君も俺たちと同じように日本の何処かから来たってことでいいのかい?」
「まあ、そうなりますよね」
「そうするとどうして君はわざわざあの国のしかも軍隊というかなんというかに属しているんだい?」
「それは簡単な話ですよ」
またもヒイラギはその顔に笑みを浮かべる。
「だって面白いじゃないですか」




