魔法の言葉、“クルクルパー” 一瞬で記憶がすべて消えるよ。
僕のクラスで“都市伝説”として語り継がれている
言葉が残されている。
嫌いな相手に、“クルクルパー”と言うと、、、?
相手の記憶されてるモノがすべてぶっ飛ぶ。
自分の名前や親兄弟、愛する人まで全ての楽しかった記憶が
失ってしまう。
・・・ただし、条件が合えばそうなる。
何もない時に、相手にこの言葉を言ってもただ笑われて終わる。
何も起きないし、相手の記憶は消えやしない!
じゃあ、その条件というのは何なのか?
記憶を奪う妖怪がいる場所に行って、嫌いな相手にこの言葉を
言う事が大事なんだ!
勿論、絶対にそうなる訳でもない。
その場所に行って、嫌いな相手に言ってもならない時はならない。
“記憶を奪う妖怪”は気まぐれだから。
こっちの思い通りになる訳じゃないという事だ!
でも? 今から30年以上前にタイミングよくそうなった子がいた!
今では“精神病院に入っている。”
当時は子供だった男性も、今では立派なおじさんだ!
ただ何も思い出せないし。
日常生活も儘ならない!
毎日一人の時に、小声でブツブツと何かを言っている。
その言葉を聞こうと? 病院の先生が男性に近づくも
日本語でもない言葉だったらしい。
理解不能な言葉を呟く男性は、皆が精神がおかしくなった
と思っていた。
・・・でもある日、病院の男性の個室の部屋で首吊り自殺を
しているところを看護師が見つける。
遺書のようなモノには、“謎の文字がびっしりと書かれていた。”
誰も解読できぬまま、今でもその遺書は大事に病院で保管されている。
ここで気になる事が何個かある!
一つ目は、“男性は何故? 首吊り自殺をしたのか?”
二つ目に、“謎の文字がびっしりと書かれていた紙。”
遺書にも見えないその紙に書かれた文字は、最後に男性は
何を残したかったのか?
疑問が残る男性の自殺に、皆煮え切らなかったという。
*
・・・そして、30年以上ぶりに僕は嫌い奴を連れてその場所に行った。
勿論! 何も起きないかもしれない。
それでも、一度試してみたいんだ!
僕は“一緒にその場所に連れて行ったコイツが嫌いだから。”
コイツのすべての記憶を消したい!
僕の嫌いなコイツは、僕の大好きな女の子を横から奪い取った。
ずっと【親友】だと想っていたのに。
本当は違った。
僕と彼女は、3年間も付き合っていた。
結婚するなら? “僕は彼女だと決めていた!”
だけどある時、彼女が僕にこんな事を言った。
『・・・ごめん、結人! 私ねコウちゃんの事が好きになったの。』
『えぇ!? コウの事が!?』
『うん! コウちゃんも私の事が好きだって!』
『・・・今からコウに電話してココに呼んで、話はそれからだ!』
『・・・ううん。』
・・・数時間後、コウがやってきた。
3人で話し合って、凜がコウを本気で好きでコウも凜を大事にするから
と言われ、僕はしぶしぶ彼女から身を引いた。
だけど? 3カ月もしないうちに、コウは他の女と浮気をする。
その後、彼女は僕に泣きつてきた。
でもその時は既に、僕はもう彼女から心が離れていた。
“もう彼女とはヨリを戻せない!”
彼女は彼に浮気されて、僕に何度も何度もしつこくもう一度!
ヨリを戻したいと泣き縋った。
『ごめんね、本当にごめん、やっぱり私は結人じゃなきゃダメなの!』
『・・・凛、もう僕は凛とヨリを戻す気はないんだ。』
『・・・でもまだ私の事好きなんでしょ?』
『もうあの時、諦めた。』
『・・・そこを何とかできないかな?』
『ムリだよ。』
『私は諦めないから! 今度こそ結人だけを見ていくから!』
『・・・・・・』
僕は彼女とはもうやり直さない!
だけど? 彼女を傷つけた親友は許さない!
『悪いな! こんなところに呼び出したりなんかして。』
『・・・い、いや? 別にいいよ、ただまさか結人から俺に連絡
くれるとは思わなかったから...。』
『凜の事はもういいよ、彼女はもう別れているし、だけど? お前とは
親友で今まで通りいたいんだ!』
『結人、俺もそう思ってたところだよ! 女が入るとめんどくさしな!』
『あぁ!』
『・・・でも? ここ何なんだ?』
『“クルクルパー”』
『はぁ!? 何? 急に!?』
『・・・もういいんだ。』
【ゴォーーーーーーゴォーーーーーー】
『なんだ? 今の音!?』
僕には、はっきり見えていた! “記憶を奪う妖怪が!”
嫌いなコイツは、一瞬ですべての記憶を失った。
『・・・・・・』
『コウ?』
『・・・・・・』
『記憶が何もないんだな!』
『・・・・・・』
『お前の行くところは、あそこしかないよ。』
『・・・・・・』
『首吊り自殺した男性が入っていた病院。』
『・・・・・・』
『僕が連れててあげるよ、コウ。』
『・・・・・・』
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