翔と唯
俺の名前は、斉藤翔、桐谷唯人は、小さい頃の幼馴染だ。近所で、親同士の仲が良く、家族ぐるみで旅行に行くことも。
俺が唯を好きになったのは、高校に入ってからだった。
小さいことから、引込み思案な性格で、友達もあまり多くなかった。俺にいつもくっついていた唯は、妹のような存在だ。
俺は、中学の時から、女子に囲まれることが多かった。いつもそばにいる唯に嫉妬するものも少なくない。そのせいで、いじめに遭っていた。
でも、俺は、いじめる女子に対して、
「唯をいじめる奴は、ぜってぇー許さねぇ!」
爽やかで温和だった翔が唯一、激怒した瞬間だった。その光景を見た唯も少し震えていた。それからは、唯へのいじめはなくなった。俺が唯を守ると小さい頃から誓っていた。唯には、頼れる友人がいない。彼女の悲しむ顔は、見たくない。
二人は、泉谷高校に入学。唯に友達ができるか不安だった。
でも、俺が最初に友達になった安田春人、最初は、警戒してあまり話さなかったが、人当たりのいい春とだんだん話すようになった。今では、自分から積極的に会話するようになって、そのおかげか、クラスの女子とも仲良くなっていった。俺は、少し安心した。
その年の夏、俺は、唯を連れて花火大会に行った。
花火の光に映る浴衣の唯、今まで妹のように思っていた一人の女性として見ていなかった。しかし、今日、この日、こんなにも綺麗な女性だったことに気づいた。
―唯は、俺のことをどう思っているのだろう。俺は、もしかしたら、前から、お前のことが好きだったのかもしれい。
その帰り道、俺は、唯に自分の思いを伝えた。
「俺、唯のことが好きだ。俺の彼女になってくれないか」
唯は、いきなりのことで動揺していたが、頬を少し赤くして、
「私も小さい頃から好きだったよ。私でよければ、よろしくお願いします」
そして二人は、付き合い始めた。