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隣の残念教師  作者: 虎元チョコ
8/18

元カノと実家で鉢合わせ。

 俺の予想通り、昼前には台所は、綺麗に片付いた、以外に料理をしていた様で、換気扇には、しつこい油汚れがこびりついていたが、前に工務店の樋口さんに教えてもらい、実家でもレンジフードの汚れ取りに使っている、ディゾルビットで簡単に綺麗になった。

 勿論、ガステーブル代わりのカセットコンロの油汚れも、ディゾルビットと重曹水を使い新品の様に磨き上げた。


 床や壁まで綺麗に拭き上げて台所の雰囲気が変わった事に瑛里子さんは驚いていたが、実家で営むカフェレストランの厨房を常に掃除していたので、キッチンの掃除には、少しばかり自信がある。


 俺が、台所を仕上げたところで、切りがいいので次の部屋のゴミを分別していた瑛里子さんに声を掛けて昼食を摂る事にした。


 まだ正午には、時間が有るが、朝から瑛里子さんの部屋の片付けをしているので、自分で作るのも、少し億劫なので、客として実家に食べに行く事にした。


 瑛里子さんは、やっと沙織姉ちゃんにお土産を渡せるとばかりに、前に俺に投げ付けた物と同じ包みの箱を持ってニコニコしていた。


 実家のカフェレストランに着くと、瑛里子さんの携帯に着信が入り、


「悪い、電話が掛かってきたから、先に入ってくれないか、電話が終わったらすぐに入るから。」


 先に店に入ると、中学生の栞以外の家族+沙織姉ちゃんが揃っていた。

 同学年の妹は、既に学校から、帰って来ていたのだが、中学生の栞は、期末試験が終っても通常授業らしいが、高校生は、期末試験が終われば、試験休みが有ったり、半ドンになったりするので、自由になる時間が増えて、高校生になってすぐは、ラッキーど思っていた、ちなみに、俺が通う学校は、後者で、試験休みがなく3時間授業になる。

 そんな訳で、この時間、体育会系のクラブの生徒以外は、ほぼ下校しているという事になる。


 だからなのか?御笠川綾姫が実家のカフェレストランでパンケーキを食べていた。


 御笠川は、俺の顔を見るなり、


「あんた、学校サボったの?」


 何か敵意剥き出しに質問してきた。


「御笠川さん、俺は、留年が決まっているので、基本4月迄学校に通う必要ないんだけど、もう一度、高校3年生を出来る事を、大学受験のアドバンテージにするために、学校に通わせてもらっているんだ、期末試験の後、通常の受験が無いなら、俺が学校に通う理由って無いとおもわないか?」


「今日は、沢村君に少し話があって、クラスに行ったら、貴方がいないから、店に来たら店にも居なくて、少し頭にきてたのよ。

 大体、学校サボって何処に行ってたのよ?」


「ああ、俺は、今この家に住んでいないから、ここに来ても会えないぜ、今日は、たまたま昼食を食べに来ただけだし。」


「エッ?じゃあ、今何処に住んでるのよ?」


「学校の近くのアパートだよ、足が少し不自由なもんでね、だから、足がいつ治るか分からないから自動車通学とか特別に認めて貰えたし、ここよりも近い所に引っ越したんだよ。」


 俺が言い終わると、ほぼ同時に瑛里子さんが店に入って来て、


「和彦君、待たせてわるかった、って、まだ席に着いてなかったのかい?

 おや?彼女はコンビニで前に会った事があるね。」


「和彦君その人は?彼女なの?」


「そんな訳ないだろ、彼女は、アパートの隣の住人で、沙織姉ちゃんの大学の先輩で瑛里子さんだ、沙織姉ちゃんと俺の部屋を交換して、一悶着有ったけど、隣人同士仲良くしてもらってる。

 今日は、瑛里子さんの手伝いをしていたんだ。

 ところで、俺に話しって何だ?」


「もうそんな気分じゃ無くなったわ、また今度にしましょう。」


「ああ、分かった。

 沙織姉ちゃん、俺は、日替わり、瑛里子さんは、何頼むの?」


「沙織ちゃん、私も日替わりで、ライスの代わりにバゲットで頼む。」


(ん?日替わりにバゲットって、俺の憧れていた綺麗な、お姉さんと同じ注文だな。)


「和彦君、明日は学校に行くのかい?私も明日、君の学校に用事が出来たのだ、用事自体は、すぐ済むから、良ければ一緒に学校に行かないか?

 明日の片付けは、昼からになるけど、今のペースで進めると、この後次第になるが、明日半日も有れば、どうにか終わりそうだし。」


「そうですね、俺も今日中にほぼほぼ終わりが見えて来ると思うから、明日は、半日でいけるとおもいますよ。」


「そうか、和彦君が、そう言ってくれるなら、間違いないだろう。

 実は、和彦君の学校で3学期の間、生徒相談室のカウンセラーをする事になったんだ、これでも、セラピストとカウンセラーの資格を持っているから、君の学校で3月一杯迄、相談室のお姉さんとして働く事になったんだ。

 明日は、その顔見せになったので、少し気合いを入れなくては(笑)」


「そう言えば、相談室の山科先生お腹が大きくなっていたから、もうすぐ赤ちゃんが産まれるんだ。

 瑛里子さん片付けの方も気合いを入れましょうね(笑)」


「和彦君は家の、おかんの様に現実主義なのだなぁ。」


「私は、貴女を、だらけた娘に育てた覚えはありません!(笑)」


「やっぱ、おかんだわ(笑)」


「おかんって言われても、あんまり嬉しくないですね(笑)」



 昼食を済ませ、アパートに戻る頃には御笠川の姿は、いつの間にかなくなっていた、瑛里子さんと喋っているうちに店を出たのだろう。

 店から帰る時、妹に、明日は終業式だから、学校に来るのよ!と言われた。


 午後からも片付け頑張ろう! 



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