お袋の小言は、聞きたくない!
戦闘始まりませんでした。
瑛里子さんが部屋に戻ると、俺は、すぐに実家の家電に電話をすると、3コールで妹の栞が電話を取った。
親父に替わって欲しいと頼むと、何故かお袋が
電話に出て、アパートの大家さんの家を、親父が購入した事について、長々と文句を言われた。
俺自身がアパートを購入した事については、事故によって大金を手に入れた事や、脚が治らなかった場合を考えて、働かずに収入を得る事が出来るので、両親も手放しで賛成してくれたのだが、ほぼほぼ衝動買いのノリで家を一軒購入した親父に対して、お袋は、「何の相談も無かった!」と激しい怒りをぶつけたらしい。
そして、俺も親父の共犯者の様に文句を言われたのだが、まさか、家を買うのに、お袋に相談していないとは思わなかった。
と弁解すると、俺に対しての怒りは鎮めてくれた。
その後、親父が電話を替わり、
「和彦、嫌な思いをさせて済まない!
父さん自分の貯金で買うからと母さんには、事後承諾で良いかと思ってたが、事前に相談しなかった事で母さんを怒らせてしまった。」
「もお済んだ事だから、いいけど、それよりも、樋口さんに連絡取って貰えるかな?1部屋トイレの交換を年内に頼みたいんだけど。」
「何だ、お前、良治(樋口さんの名前)の連絡先知らないのか?」
「いや知ってるけど、父さんが頼んだ方が何かと融通が効くし………」
「自分のアパートなんだから、自分で頼めばいいじゃないか?
多分お前が頼んでも、ちゃんと友人価格が効くと思うぞ。」
「俺さぁ、今日、何で母さんの小言を長々と聞かされたんだろう?」
「くっ、仕方ない、出来の悪い息子の為に、御父様が一肌脱いでやろう!」
「じゃ頼んだよ。」
「ちょ、ちょっと待てぃ!今の父さんの台詞に、何か突っ込みとかないのか?」
「母さんの小言で、少し疲れたんだよ、突っ込み欲しいなら、元気な時にお願いするね。」
「仕方ない、良治には連絡してやるよ。」
電話を切って暫くすると、樋口さんから直接電話が掛かってきた、
「和彦君、3日後からなら、1人職人をまわせるけど、1人作業になるから、3日じゃ終らないかも知れないよ。」
「その辺は、年内に工事が終了すれば文句が言いませんから、一応、部屋に住んでる人に了解が取れたら、お願いします。」
電話を切って時計を見ると、まだ8時前なので、瑛里子さんの部屋のドアをノックしてみた。
「はい、どなた?」
「隣の、沢村です、トイレの交換の話しなんですけど、年内に工事してもらえますよ。」
すると、玄関のドアを、ほんの僅か開け表に出てきて、後ろ手にドアを閉め、
「新年にな、新しいトイレが使えるんだね!」
「はい、3日後に工事に入れるそうですが、都合の方は、如何ですか?」
「みっ、3日後?」
「はい、年末で忙しいらしく、1人しか職人さん来ないので、日にちは、少し掛かるかも知れないとの事ですが、都合つきますか?」
「部屋の片付けが、間に合うのだろうか?」
「それなら、手伝いましょあか?」
「い、いや手伝って貰うのは吝かではないのだが、もう少し部屋の状況が好転すれば、お願いしたいかも…………」
「じゃあ、今夜のうちに、男性の僕が見てはいけない様な物が有りましたら、先に片付けておいて下さいね(笑)
明日から手伝いに来ますから(笑)」
「エッ?本気なのかい?」
「ええ、余裕持ってサクッと片付けちゃいましょう!
じゃあ、僕は工務店の方に連絡入れておきますので、また明日!」
そこまで言うと素早く部屋に戻り、樋口さんにOKの電話を入れた。
明日は、授業無いから、朝から瑛里子さんの部屋の片付けを頑張ろう。