和式?洋式?
ジムと道場のくだり、上手く話がまとめられませんでした。
そのうち、編集し直すかも?
瑛里子さんが帰った後、和彦は、夕食の肉じゃがを作り、
(後は、帰って来てから、食べる前に温め直せばOKだな!)
そして炊飯器のタイマーをセットして、趣味で通っていたジムと道場に退院した事と、脚の治療がまだ続く為に今後通えなくなる事を告げに行く事にした。
スクーターに乗り、通っていた、ジムに顔を出して、脚の不具合の為に退会する事を伝えたのだが、そこそこの実力を認められ、プロに成らないかと、常々誘われていたが、脚が悪いなら高校を卒業後、トレーナーライセンスを取得して、ジムのスタッフに成らないかと、新たに提案された。
留年した事を告げると、退学してスタッフに成れと言われ、大学には行きたいので、退学は無理ですと答えると、じゃあ会費払わなくても良いから月1程度顔を出せと言われた。
和彦自身は、身体を動かすのが好きだったが、家の手伝いで、バイト代が貰えるので高校に入ってからは、部活に入らず家の手伝いがない日に、激しい運動をするためにジムに通っていたのだが、ジムに所属するプロ選手とも、互角の実力と太鼓判を押されても「あくまでも趣味ですから、試合で本気の殴る蹴るは怖いです。」と、プロ選手にはならないと言っていたので、それならばと、トレーナーにとして後進を育てる方にまわらないか?とジムの会長が提案してきた。
明確な返事を笑顔で誤魔化しながら、和彦は、ジムを後にして、父親の知り合いの古武術の道場にも顔を出すのだが、こちらは、小学校の頃から、体力作りのために親に通わされていたが、和彦自身は、こちらの方が性に合ってた。
こちらも脚を理由に通えないと伝えたのだが、やはり席は残しておくので、たまに顔を見せろと言われた。
結局のところ、微妙な足の具合の為に、趣味で通っていたジムと道場を、キッパリと諦めようと思っていたにも関わらず、微妙な縁を残す事になったのは、和彦自身の能力の高さを物語っているのだが、彼自身は、未練なく縁を切れなかった事に少しの嬉しさは感じたものの、脚が治るどうかか分からない自分を大切に思われてることに、申し訳なく思っていた。
そんな微妙に複雑な心境で、アパートに戻ると、すぐに瑛里子が訪ねて来て、
「和彦君、申し訳ないんだけど、お米に余裕が有ったら2~3合分けてくれない?」
と泣きついて来た。
話を聞くと、米びつの中に、カサカサと走り回るGがいたらしい。
そりゃ嫌だわな。
「それなら、家で食べていきませんか?」
「そんな2食も続けて世話になるなど、年上のプライドが許さん!」
「でも、御飯炊くとしても、これからなんでしょ?」
「それはそうだが…………」
「なら、これから仕込むより、俺の所は、タイマー掛けてたから、もう炊けるし、オカズは温め直すだけだし、すぐに食べられますから遠慮せずに食べに来て下さい。」
「そこまで、言ってくれるなら、ご馳走になるわ、でも、そのうち私にも、ご馳走させて貰うからね。」
「じゃあ、瑛里子さんの手料理でお願いしますね。」
「わ、私の手料理がいいのか?」
「是非(笑)」
「私の料理は、和彦君ほど美味しくないかも知れないぞ!」
「構わないですよ、可愛い年上のお姉さんの料理ならば、それだけでご馳走ですから。
味は関係無いです!」
「何か、その台詞、後半デスられてないか?」
「気のせいですよ(笑)ところで、卵焼きは、甘くなくても良いですか?」
「甘い卵焼きは、あまり好みじゃないから、そちらの方がいいね。」
「良かった!」
「何が良かったのかな?」
「甘い卵焼き、作った事がないので、どの程度甘くすれば良いのか分からなくて(笑)」
「ハハハ、甘い卵焼きは、おやつだからな、御飯のオカズにも、酒のつまみにもならんものな。」
※あくまで瑛里子さんの主張です。
「あっ!そうだ、瑛里子さん、もし晩酌するなら、家にはお酒無いけど、持って来て飲んでも良いですよ。」
「ハハハ気を使ってもらって、ありがとう、私は飲む時には、白御飯食べないんだけど、今日は、白御飯の気分なんだよ。」
「そうなんですか?」
「もっとも、お酒が飲みたい時は、肴になる物をつくるんだけどね、話の途中、悪いんだけどトイレを借りても良いかな?」
「とうぞ、ちゃんと返して下さいね(笑)」
「和彦君も、笑えないギャグを言うんだな………うわぁ!」
「どうかしましたか?」
「ドアを開けたら、トイレの蓋が勝手に開いた!」
「それ、僕が入居してすぐに交換したんですよ、僕脚が悪いので和式は、辛くって。」
「沙織ちゃんが住んでる時に、何度かここのトイレを使った事があったから、そのつもりで入ったら、洋式になってるわ蓋が開くわ、ビックリしたよ。」
「瑛里子さんの部屋は、まだ和式ですよね?」
「そうだけど。」
「和式と洋式どちらが良いですか?」
「そりゃ何たって洋式の方が楽だし、読書しながら用を足せるし………」
「じゃあ洋式に換えましょうか?」
「へ?」
「ちょっと待て!何で和彦君が私の部屋のトイレを交換するんだ?」
「2階の4部屋は、既に交換済みだから、希望があれば、無料で交換出来ますよ、1階の人は、出張やらで日程が決まらず俺の部屋しか交換出来てないんですけどね、瑛里子さんの都合がいい日を教えて貰えれば、すぐに工事に掛かりますけど、あっ、年の瀬が迫ってるから、業者さんに聞いてみないと分からないけど、工事は、3日程掛かりますから、その間は、俺の部屋のトイレ使ってもらって構わないですから。」
「本当にタダで交換して貰えるのか?」
「はい、無料です、ここボロくはないんですけど、何かと設備が結構古いから、流し台とか、近々新しくなりますよ。」
「そうだったのか?私は夏のうちに、就職先が決まって、卒業単位も取れていたので、ずっと九州の実家に帰って家でアルバイトしていたから、こちらの事情は、全く分からなかったけど、トイレやキッチンが新しくなるなら、引っ越しを考えていたけど、もう暫くここに住んでもいいかな?」
「引っ越しなさるんですか?」
「いやね、春から就職するから、纏まった収入も期待出来るからさぁ、せめてトイレは洋式がいいかな?ってね(笑)でもトイレや流し台が新しくなるなら、引っ越ししなくてもいいかって(笑)」
「まぁ、トイレの話しは、これ位にして、御飯の用意が出来ましたので、食べましょう。」
「おっ、肉じゃがと、卵焼きと味噌汁とは、和彦君は、将来いい奥さんになれるよ(笑)」
「そうか、将来の進路希望、主夫ってーのもアリだな(笑)」
「ご馳走さま、いゃあ~美味しかった、本当に主夫で行けそうだな君は(笑)所で卵焼きにかけた醤油は、九州の甘口醤油みたいだったけど?」
「さすが九州出身ですね、実は、カトレアと丸大豆醤油のブレンドしたものです。」
「カトレアって大分のフ○ヨシ醤油の?」
「そうです、大分のフジ○シ醤油株式会社のカトレア醤油です。」
「いや~こっちで、カトレア醤油を味わえるとわ!」
「今はネットショップでも買えるから、何処でも手に入りますよ。
小瓶で良ければ、一本差し上げますよ。」
「そうか、悪いねぇ、じゃあ代わりに良い事を教えてあげる。
多分だけど、和彦君の元カノまだ君の事好きみたいだよ、だから、何か言ってきたら、優しく対応してあげれば、元の鞘に収まるんじゃないかな?」
「いや、今朝、あんな嫌味な事言われたんですよ。
」
「あそこで、私が会話を止めなければ、貴方に歩み寄って来る様な事を言ってたと想うわよ、早い話がツンデレさんなのよ。」
「俺、ツンデレとか、面倒臭いのキライなんだけど。」
「多分、彼女、恋愛に関しては、かなり不器用なんだと思うわ。」
「そんなもんですかねぇ?でも俺の中で、もう気持ちの整理は着いてるから、どうしたら良いと思いますか?」
「和彦君に、もう一度付き合う気が無いなら、お友達でいいんじゃない?」
「そうですね、今朝みたいな感じよりは、普通に話せるかもしれませんね。」
「と言う事で、お姉さんのアドバイスお仕舞い(笑)」
「所でトイレの交換、どうしますか?」
「そうね、年末でも良いのかしら?」
「業者さんに聞いて、都合のいい日を教えてもらいましょうか?業者さんの都合に合わせても大丈夫ですか?」
「そうね、部屋の片付けが間に合えばいいんだけど………」
「間に合いそうになければ、片付け手伝ってもいいですよ。」
「エッ?」
「遠慮しなくてもいいですからね、重い物とか動かすなら、いつでも呼んで下さいね。」
「わ、分かったわ、じゃあ、業者さんの都合が分かったら教えてちょうだいね。
今日は、ご馳走さま、今度何か御礼するからね。」
そう言って瑛里子さんは、帰って行ったが何か急いでる様だった。
そしてプレゼントすると言ってた、カトレア醤油も忘れて帰った。
瑛里子さんは、これから部屋の掃除をします。