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隣の残念教師  作者: 虎元チョコ
10/18

え、瑛里子さん?

 朝起きると、すぐに身仕度を整え、朝食の用意を始めた。

 丁度、用意が終わった頃に、玄関のドアをノックする音が聞こえた。


「鍵、開いてますよ!勝手に入って来て下さい。」


「じゃあ、勝手にお邪魔させてもらうよ。」


 瑛里子さんは、相変わらずのジャージ姿でやって来たが、髪の毛はチャンとブラッシングしてきた様で昨夜の様に、艶々のさらさらのストレートのロングヘアだった。


「おはようございます!瑛里子さん。」


「おはよう、和彦君、しかし、こうも頻繁に君の処で食事をご馳走になると、年上の女性として、良いところ無しだなぁ。」


「あのキッチン見れば、大した料理出来そうにないから誘ったんですけど…………」


「いやぁ、あれでも結構、ちゃんとした物作れるんだけど、君の料理が美味しいものだから、誘われるとついついお言葉に甘えてしまいたくなると言うか、胃袋掴まれちゃったと言うか(笑)」


「あまり気にしなくてもいいですよ、料理するの好きだし、1人で食べるより誰かと食べた方が美味しいですからね。」


「しかし、こう頻繁だと、君に食費を渡さなくてはならなくなるね(笑)」


「じゃあ、家の米が無くなったら、お米でも買って来て下さいね(笑)」


 こんな感じに、雑談しながら、朝食を済ませると、瑛里子さんは、着替えて来るから、少し待っててくれと、部屋に戻って行った。


 ほんの10分もせずに、玄関を開け瑛里子さんが戻って来たのだが、そこには実家の厨房でバイトしてた時に、たまに声を掛けてくれた事のある、憧れの綺麗なお姉さんがいた。


「お、丘崎さん!?」


 なんて事だ!全然気付かなかった!瑛里子さんが実家のお客様NO1美女の丘崎さんだったなんて!

 日頃の、全く飾らない学校ジャージにダサい眼鏡とボサボサの髪の毛で分からなかったけど、


 今、目の前にいる瑛里子さんは、眼鏡を外し、髪の毛は綺麗にセットされ、出来る女風のスーツ姿、タイトスカートから覗く足はすらりと長く、細い腰に揉み………いや、それはジャージ姿の時から判っていたのだが、豊かな双丘、紛れもなく俺が憧れていた丘崎さんがそこにいた。


「おや?やっと前と同じ呼び方で呼んでくれたと言う事は、私の事、思い出してくれたみたいだね(笑)」


「ってーか、変わり過ぎですよ!全然気付かなかったですよ!」


「え~!でも前に君の実家の店で喋った時に、ちゃんとフルネーム教えたし、沙織ちゃんの隣に住んでるって、乙女の個人情報を教えてあげたじゃない(笑)」


「そう言えば、1年位前に聞いてたような……じゃあ今度は、携帯の番号とメアド、良かったらラ○ンのIDも教えて下さい(笑)」


「和彦君も、なかなかグイグイ来るんだね(笑)君なら教えても良いけど、そろそろ学校に行かないといけないんじゃないかな?連絡先は、学校から帰って来てからでも遅くないだろ?」


「じゃあ、そろそろ学校に行きましょう!」


 学校に向かう車の中で、瑛里子さんに俺の電話番号を教えて、ワンコールしてもらった。

 これで携帯番号はゲットできたと喜んでいると、


「朝食の御礼に、コーヒーでも奢ろうか?」


 瑛里子さんの提案に、前、御笠川に会ったコンビニに寄って買い物をしていると、また御笠川に会ってしまい、


「沢村君、また会ったわね、貴方に聞きたい事が有るのだけどいいかしら?」


「御笠川さん、よくこのコンビニに寄ってるの?」


「ええ、よくここで、飲み物買ってから、学校に登校してるわよ、で、貴方、質問良いかしら?」


 そう言った御笠川さんの視線が怖かったのだが、瑛里子さんが、


「和彦君、買い物終わったわよ。」


 と声を掛けてきた。


「貴方、また女連れなの?しかも今度は、無茶苦茶綺麗な女性ひと。」


「ええっと、前に、御笠川さんと会った時にいた人だよ。」


「エッ?うそ?」


 と言ったまま固まってしまった。


「瑛里子さん、御笠川が固まってしまったのって、ヤッパ瑛里子さんのせいかな?」


「ええ~!そんなの知らないわよ。」


「仕方がないなぁ、おい!御笠川!」


 肩を揺すってみると、


「はっ!これが、この前のジャージ女!?」


「ほら、やっぱり瑛里子さんのせいじゃない。」


「知らないわよ、そんな事。」


「まぁ良いけど、御笠川さん、買い物済ませなよ、学校迄、乗せてやるから。」


 そして、御笠川さんの買い物が済むと、3人で俺の車に乗り込み学校へとむかった。

 学校に到着するまで、誰も一言も喋らなくて、車の中は、まるで重い空気に汚染されたかの様だったが、学校に着き、瑛里子さんが、


「じゃあ、私、職員室に行くから!」


 と車を降りて別行動をとると、御笠川さんは、関を切った様に質問してきた。


「沢村君、あの女、貴方の何なの?何でこの学校に来たの?」


「あぁ、彼女って言うか、丘崎さんは、御近所と言うか隣に住んでるお姉さんだ、そして、3学期から、うちの高校の、相談室に勤務する、カウンセラー兼セラピストの先生だよ。

 昨日、訳有って丘崎さんの手伝いして、その時の話で今朝、一緒に学校に来る約束したんまよ。

 ところで、コンビニで、御笠川さんが言ってた俺に聞きたい事って何?」


「この際だから、はっきり言うわ、私が別れ話した時、何故あんな簡単に別れる事を受け入れたの?」


 何か面倒臭い質問がきた。



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