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木笑み風~木枯らしのなかで奏でる~  作者: 玉時雨
霞と闇と消失と
20/53

 蜂が舞っている。虹色の見たことのない蜂だ。重々しい曇天の空の下、美しい七色羽が太陽のように大胆で、けれど神秘的に光り輝いている。


「神だ」


 誰かが言った。声がした方向に目を向けてもあるのは寂しい情景。

 蜂にいる方向に目を戻す。

 その蜂は消えていた。暗闇の中に消えていた。飲み込まれていた。

 気づいたら俺は暗闇の中に独り。立っているのか座っているのか、真っ直ぐ向いているのか逆を向いているのか、俺は誰なのかすらわからない。そんな、暗闇。

 叫んでみる。


「お~~~いっ」


 反響も空気の響きも感じられなかった。

 ふと右腕に何か感触を感じる。

 そこを見てみると先程の綺麗な蜂だ。普通は気持ち悪く思い払ってしまうのだが、その蜂は何故か魅力を感じ、凝視してしまっていた。

 虹色の蜂。七色の羽が光り輝き、その輝きは安心と安堵、幸福と幸せ、よくわからない感情を思い浮かばせた。

 しかし、その蜂は飛び去ってしまう。その姿はなぜか、独り悲しむ子供のようにも見えた。


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