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次の日、いつものようにみやはと登校する。
昨日のように取り乱した様子はなく、いつもの元気なみやはだった。
いつものようにバカ騒ぎをしていると、瑠美が教室に入ってくる。流れでクラスの出席を取り出した。
このクラスの出席確認は瑠美の名前と席の確認で行われる。点呼をしなくていいというのは霧彦にとっては大きな利点だ。
だってめんどくさいじゃん。
心の中で会話をしていると瑠美が出席簿を見て悩みだした。
「ん~? あれ~、おかしいな」
「どうしたん、せんせ?」
みやはが馬鹿面で瑠美に聞いてみる。
「んむ~。あのな」
なぜか霧彦の心がざわついていた。
何かが違う。
この後のことは、なにか……。
「葛西蘇芳って誰だと思う?」




