表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

作者: IZU

初めての投稿です。なんとなく書いてみたくて、始めました。

なんとなく、どこか切ないお話をかけたような気がします。

「おめでとう。」

「ありがとう。幸せになる。」

「幸せにするじゃないの?」


おめでとうというこの気持ちはうそじゃない。幸せになってほしい。

そう思ってるはず。


誰にも言えないから、文章にすることでこの思いを供養しようと思う。


思い出

出会いは大学入学の時、ひとめぼれだった。

わかってる。

今思えば、何がきっかけだったかもわかんない。戸惑ったし、ありきたり。


君が話しかけてくれたからかもしれない。同じグループにいたからかもしれない。

わからないけど、好きになった。


同じ講義を取って、サークルも同じものに入った。


そのおかげで着実に仲良くなった。


ごはんによく行くようになって、服を一緒に見に行ったり、デートみたいなこともした。

いい感じだったと、我ながら思う。


服や性格、髪型やら、君の好みをよく聞いた。気づいてもらうために、何度も何度も。

合わせてたの気づいてたのかな。だけど、君は鈍感だったし、きっと気づくはずない。今も気づいてない。


伸ばす

一番苦労したのは髪型。

すぐに変えられないし、似合う似合わないもある。


入学当初は「俺、ショートが好き」って。

自分もショートだったから、「少しは君の目に入るかな」とか思ってた。


なのに、大学1年の終わり、「ロングのほうがいいかもしれない」と言い始めた。

だから、今まで短かったのに伸ばし始めた。

「いいじゃん」とほめてくれた。深い意味もなかったろうけど。


結局、4年間1回も君は好かれていると気づかないまま。


それでも「好き」とは言えなかった。

今の関係が壊れるかもしれない。壊れて修復できない可能性をみて躊躇した。


卒業して新しい環境に行っても、関係は続けた。


恋人

卒業して社会人になった。

会うことも減っている中、君は「恋人ができた!」と嬉しそうに報告してくれた。


嬉しいと苦しいと悲しいと君の相手へのうらやましいが心の中でうごめいてしまって、泣いてしまった。

うれし泣きだとごまかしたけど、ちがう。

たぶん、というか、確実に、君が取られた気がした。


どこかでしがみついていた希望が壊れて、つらくて、会う頻度を減らした。


そんな君の彼女はショートカットだった。


それを聞いて、連絡もあまりとらなくなった。

どう接したらいいのかわからなくなった。


青天霹靂

ショートカットの彼女と君の結婚式の招待状が来た。


よく本や話で聞くような、心の傷は時間が癒すなんて嘘だった。


会わなくなったのに、伸ばす必要もないのに、髪はしっかりロングのままにしていた。


本当の意味で癒すには君の幸せな姿を見ることで、もっと深手を負わないと、そう思って、出席で招待状を返送した。


結婚式を前に数年ぶりに髪をショートカットにした。


久しぶりの軽さに少しふわふわしながら、結婚式に臨んだ。


しっかりときめた君はまぶしかった。


「おめでとう」という言葉が、自分でも拍子抜けするくらいに軽く口から出た。


最後に小声で「さよなら」と言ってしまった。


時間は僕の知らぬ間に心を癒していて、僕は彼と“友達”に戻れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ