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ファミリア  作者: あさま勲


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61・父と娘と

 キーアリーハの父ちゃんは、キーアリーハの頭上に浮かぶオレに視線を向ける。

「して猫よ。キーアリーハが放った紫電の魔法……アレは貴様が関係しているのか?」

 気づかれてるっぽいし、隠す必要もねぇだろ。

「オレとキーアリーハが協力して使った魔法だから、そりゃ関係してるわね」

 オレがキーアリーハの体を借りた……ってのは黙ってた方が良さげなふいんき。

「そりゃ、シャドウはあたしの半身だもの……シャドウには、精霊は素直に従うのよねぇ」

 半分、溜め息混じりに言ってくれますね、キーアリーハさん。

「公爵家の人間は精霊とは相性が良くない……にもかかわらず、アレほど強烈な電光の魔法を放てたので、イリヤの血の力が発現したのかと思ったが違ったのか」

「イリヤって母ちゃんの名前?」

 オレの問いにキーアリーハは黙って頷く。

 にゃるほど。察するにキーアリーハの母ちゃんは精霊魔法が得意だったのね。不完全ながらもキーアリーハに精霊魔法が使えるのは母ちゃんの血のお陰かもね。

「シャドウはアタシの半身だもの……って事は、シャドウとセットでアタシは一人前?」

 あのね、キーアリーハさん。

 オレってアンタの父ちゃんの覚えが宜しくないわけよ。そんなオレがアンタと親密だってことを公言されたら風当たりが強くなるワケよ……わかりますか? って、この場で言えたらなぁ。

 まあ、あとで二人だけの時に言っておこう。

「そんな事はない! キーアリーハは産まれた時から一人前以上だっ!」

 キーアリーハの父ちゃんは言ってくれたよ……そーいや、オレって、まだ父ちゃんの名前を知らねぇや。

 たぶん、王国じゃ十指に入るぐらいの有名人だと思うんだよな……ガウスさんもウィル君も名前じゃ呼んでないし、名前を呼ぶ必要がないお偉いさんって事ぐらいはオレにも察せるよ。

「キーアリーハ……父ちゃんに可愛がられて育ったんだなぁ」

 なにか言いだげなキーアリーハの先手を取って、オレは言ってやる。でも、それがキーアリーハには窮屈だったんだと思うな……

「可愛がられて温室育ちだったアタシには、影法師の軍団を呼び出すことも、直撃させた敵を爆発させるほどの電撃も放てなかった……これは、学園での努力の結果です!」

 嘘を吐くな。

 内心そう思ったけど、黙ってるぐらいの分別はオレにもありますよ?

「でも、コレってキーアリーハの持って産まれた才能が大きいと思う……百年に一人の逸材だと確信が持てないなら、学園に送らず手元に置いておいた方が良いとオレは思うな?」

 キーアリーハが百年に一人の逸材だってのは……大袈裟かも知れんが十年に一人程度の逸材ってのは間違ってないと思う。

 つか、能力的に、それが可能なのに環境から能力が発揮できず埋もれちゃってる人って、召び出される前のオレも知ってたしさ。

 バイト先の主任で、夜間店長の肩書きもあったっけ……値引きの達人だった。お客の流れを読む達人ってワケで、値引き以外でも優秀な人だったなぁ……

 当人が言うには客の流れを読んで売れ方を予想しろとの事だったが……オレには、あの人ほどは読みきれなかったわ。

 その人の指示した時間に惣菜の値引きを開始すれば、閉店のタイミングで完売できる……でも、バイトの先輩は何か勘違いしたみたいで次からは常に、その時間に値引きすれば良いと判断して指示を待たず勝手に値引きしてて毎回、怒られてたっけ。けど当人には自覚なし……

 口頭での説明では理解できなかったようで、その主任は最終的にはマニュアルを自作して手渡してたなぁ……翌日には捨てられてたけどさ。

 アレでブチ切れ怒鳴らなかった主任の忍耐には、変な意味で感心したっけ……

 いやいやいや……前の世界の人間だった頃のオレの記憶なんて、どーでも良いんだよ。

「確かに、その通りだな」

 キーアリーハの父ちゃんはオレの意見に賛同してくれる……愛娘を手元に置いておきたいだろうから、そっちの方向に持っていけるならってオレの読み通りだわ。

「ですが、お父様。ここでは、私の力を使う機会が大きく制限されます。お父様の元に居る限り、私は魔法使いとしての成長は望めない……私は、魔法使いとして成長したいのですっ!」

 上手いこと言いますわね、キーアリーハさん?

 ……医者になった開業医の子が、実家の開業医を継ぎたくないってのと同じ心境やね。

 開業医の方が稼げはするけど、大病院に居た方が医者としてのスキルアップは望める。実家の病院を継ぐってのは、医者としてのスキルアップが望めなくなるって事なワケだしさ。

 ……それを考えると、キーアリーハの父ちゃんも、嫌々公爵家を継いだのか?

 キーアリーハの父ちゃんはガクリと膝を付き、そしてキーアリーハを抱き締める。

「私は嬉しい……そして悲しい。娘の成長は嬉しいが、手の届かぬ処に行ってしまいそうで……どうか、近くに居ておくれ」

「シャドウは人間の姿にもなれるわけだけど、そのシャドウとイチャイチャして良いなら、ここに居るわよ?」

 サラリと言ってくれますけどねキーアリーハさん?

 今のオレは人間の姿形には執着してないぞ?

 つか、性欲色欲から解放された感じがあるんで猫の姿のままでも構わんのだけど?

「目の届かぬところでイチャイチャされるぐらいなら、それでも構わん……」

 いや待てオヤジ!

 つか、オレって人間形態を長時間維持できないワケで……気楽な飼い猫ライフを送るには好都合かも?

父娘というタイトルを使っていたことを忘れてた。

投稿前に気づけて良かった……

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