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ファミリア  作者: あさま勲


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50/59

50・再会は竜の背で

 デケェな……

 オレは声に出さず呟く。

「やっぱり公王様ダンナサマは、お嬢様の気配には敏感だね……」

 ウィル君は言ってくれるけど、馬鹿デカい怪獣に乗って娘を出迎えるってのは色んな意味でオカシイと思う。

「娘を出迎えるのに、なんで馬鹿デカい竜に乗ってるの?」

 オレの素朴な疑問である。

「身近で、すぐに空を飛べるのがエレンスゲしか居なかったからだと思う……」

 何やら憂鬱そうにキーアリーハは言ってくれるよ。

 ほう、あの竜の名はエレンスゲですかい。ヨーロッパのバスク地方に伝わる竜の名だったっけ?

「モンドラゴンの主にしてブラムベル公国の守護神……魔竜エレンスゲ」

 ウィル君が教えてくれる。

 モンドラゴン……ドラゴンの山って意味だったっけ。

 ……やっぱ、なんでオレってこんな知識持ってるんだろ?

 そんな事を考えていると、エレンスゲが翼を広げ舞い上がった……あんなデカブツが飛べるんだから凄ぇよな。

 頭から尻尾の先まで何十メートルもあろうかと言う巨体である……が、さすがにジェット旅客機よりは小さいな。

 ……でも、ぶつかったら、オレなんか弾き飛ばされそう。

「アレがキーアリーハの父ちゃんの使い魔?」

「違うわよ……たぶんエレンスゲに無理言って飛んで貰ったんだと思う」

 にゃるほど、あのエレンスゲって父ちゃんと友人関係にあるのか……あと、あんな怪獣が居るんじゃ、あのストーカーもチョッカイ出すのを躊躇すると思う。つまり、公国に居る間はオレ達の身の安全は確保されてるわけだ。

『キーアリーハ姫よ……少し見ぬ間に腕を上げたようだな?』

 まだ、結構な距離があるのに、エレンスゲの声がハッキリと聞こえた……たぶん、風の長のネェちゃんと同じく魔法を使ってるんだと思う。

「御無沙汰しております……エレンスゲ」

 ほう、キーアリーハもエレンスゲには引いた対応をするわけですかい。

 たぶん、人間より寿命が長いだろうし、守護神ってことは、万一の場合は戦いに手を貸してくれるような取り決めもあるだろうしで無礼な対応なんてできんわね。

『キーアリーハ……よく帰ってきてくれたっ!』

 感極まったキーアリーハの父ちゃんの声である……この声も、エレンスゲが伝えてくれてるみたい。

「このまま、父ちゃんのトコロに行っちまって良いんだな?」

 一応、キーアリーハにお伺いを立てておく……まあ、逃げろと言われてもオレは拒否するけどさ。

「逃げると面倒な事になるから……いや、やっぱりシャドウ逃げてっ!」

 逃げないと発言しかけ……やっぱ逃げると言ってくれましたね? でも、オレの判断は変わらないぜ?

 そのまま、エレンスゲに近づくオレの頭を、キーアリーハは拳でポコポコ叩いてくれますよ。

 嫌だと言う意思表示で力は込められてないんで痛くはないんだけどさ。

 距離を詰めるとエレンスゲが滑空状態になる……いや、本当に滑空してるのかは色んな意味で怪しいと思ってるが。

 それはさておき、オレはエレンスゲの背中の上に降りて翼を引っ込めた。

 ウィル君は躊躇なくエレンスゲの背中へと飛び降りるが、キーアリーハはオレの背中から降りてくれない……いや、ご主人とは言え、この一件じゃキーアリーハを意を汲むワケにもいかんだろ?

 けど、キーアリーハの父ちゃんは、そんなことは全然気にしてないようだ。

 オレの背中によじ登って、愛娘たるキーアリーハを抱き締める……悲鳴こそ上げてないけどキーアリーハは嫌がってるな。一応はご主人様だし気配で判るよ。

 境遇的には風呂に入れられてるオレに近い感じ。

「よく帰ってきてくれたっ!!」

 キーアリーハの父ちゃんが、もう一回言ってくれたよ……娘との再会をガチで喜んでる感じだが、娘の方は普通に嫌がってますぜ?

「お父様! もう子どもじゃないんだから抱き上げるのは止めてっ!」

 自分を猫可愛がりする父から逃げるため、キーアリーハは学園に行ったのかも……そう感じるブラムベル公爵家父娘おやこの再会である。

 ようやく自分を解放してくれた父から逃れ、オレを盾にするかのように抱きついてくれるよ。

「シャドウ……アタシを助けてくれても良いじゃない!」

 そして、ボソッとオレの耳元で言ってくれた。

 いや、危険がないってのは見て判ってるしで助けるような事でもないでしょうに。

「過保護すぎる親は子に嫌われるぜ? 可愛い子には旅をさせよ……ってね?」

 まあ、一応はオレも父ちゃんに言ってやった。

「旅などさせずとも、娘には決して苦労などさせんっ! ……その大猫、単なる影法師の使い魔ではないな?」

 ようやく父ちゃんがオレに意識を向けてくれましたか……いや待て。オレって、ずっと沈黙を貫いていれば父ちゃんから空気扱いされたまま平穏無事に公国での滞在期間を過ごせたんじゃね?

 つまり、口を開いたことで墓穴を掘っちまったとかっ!?

「アタシの召喚した『ファミリア』よ。召喚者の半身にして真なる盟友。常に共に歩み、苦楽を共にするもの……」

 キーアリーハの言葉に、父ちゃんは愕然とした表情を浮かべる……ちょい待ち、なぜ愕然とするのよ?

 ファミリアって特別な使い魔らしいけど、なんか良くない曰くでもあるのかよっ!?

 あとなんかエレンスゲって、この状況を楽しんでるような気配があるんだけどっ!?

毎度、場当たり的に話を進めてるなぁ……

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