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ファミリア  作者: あさま勲


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45/59

45・撃退完了

 まだ砂の中に幾つかゴーレムの核が残ってるみたいだが、埋もれたまま動き出しそうな気配はない。

「もう、ここで終わりにしとこうや?」

 オレは、ストーカーに言ってやるが返事はない。

 まだ仕掛けてくるかもしれない……そう思ってるんで油断はしてねぇけどな。

 って、キーアリーハさん、オレに抱きつかないでよっ!

「凄いじゃないシャドウっ! 人の姿になった上で扱いの難しい魔剣だって使いこなす……ホントにアナタは大当たりの使い魔ねっ!!」

 ……いや、ここで一番活躍したのはオレじゃなくてウィル君じゃね?

 あと、まだ気を抜くのは早すぎねぇか?

 キーアリーハに抱きつかれると、咄嗟の反応が出来なくなるのよ。

 でも、抱き付かれるのは少し嬉しかったりする……猫の身体の時はハッキリ言って迷惑に感じてたんだけどさ。

 いや、オレって人間の男の身体になっちまったわけで……ホラ、ニーチェも言ってたよね? 『精神は肉体の玩具に過ぎない』ってさ。

 おっと、あのストーカーが、なにか仕掛けて来そうな気配が……っ!

 けど、キーアリーハも気づいてたみたいで、自分の影から先端が槍のようになった触手……みたいなモンを幾つも伸ばし、砂中の核を全部ブっ壊したよ。

 ……いや、キーアリーハって普通に強く優秀な魔法使いなんだな。

 この影触手の槍をコレだけ使いこなせるなら、あのソーノベンも簡単にあしらえたと思うんだが?

「キーアリーハなら、別にソーノベンなんて怖くなかったんじゃねぇか?」

 そう問うオレに、キーアリーハは嬉しげに言ってくれたよ。

「怖かったわよ……でも、シャドウがすごく強くて、それを呼び出したアタシも凄いから、あのストーカーと似たようなことが出来るんじゃないかと思って試してみたらホントに出来て……!」

 自信が持てたってことで潜在能力を発揮できるようになったって事かね?

 いや、そもそも、影法師で見た事もないものを作ろうって発想が無かっただけな気が……まあ、良いや。

 後は監視の使い魔を叩き落とせば、あのストーカーの監視から逃れられるわけだ。

 オレは、足下の小石を拾って手の中に握り混む。そして親指を用い、デコピンの要領で物陰に向かって打ち出してやった……いわゆる指弾である。

 物陰から小動物の悲鳴と血飛沫が上がった……監視用の使い魔を、あのストーカーが忍ばせてたんだ。

 コレ、漫画で見た指弾を真似てみたワケだけど、結構な威力があったみたい……そりゃオレもウィル君同様に身体能力を向上させてるみたいだからね。

「シャドウさん……ちと、やりすぎだと思う」

 ウィル君に言われ、オレはおんや? なんて思うわけだ。ウィル君も、結構ハンパない事やってたからさ。

「何が?」

 さっぱりピーマンなので、ストレートに質問してみる。

「身体能力強化ってのは、要所要所で瞬間的に使うとか、必要な部分のみに限定して使うモンでシャドウさんみたいに四六時中かつ全身に発動させてたら、あっという間に魔力が尽きちゃうよ?」

 ほう……オレの行動じゃなくって身体強化の使い方っすか。

 つか、オレって出力調整みたいなことは全くやってないな? って、なにやら急に疲れが……

 手の中から、ウィル君の刀が落ちる。そして、オレは膝を着いた……だって、立ってられねぇんだもん。

「ちょっと、シャドウ大丈夫っ!?」

 キーアリーハが駆け寄りオレに手を伸ばすが、その手が届く前に、オレの目で見る世界が激変する……まあ、勿体ぶった言い方だけど、人間の視点から猫の視点に戻ったわけだな。

「マジ疲れた……」

 猫の姿でオレはへたり込む。

 そんなオレをキーアリーハは優しく抱き上げ、そして魔力を充電してくれる。

「だいぶ楽になった……キーアリーハがバテちまっちゃ拙いんでその程度で良いよ」

「せっかく人間になれたのに、また猫に戻っちゃった……」

 キーアリーハがじ悲しげに呟く。

 いや、オレは猫のままで良いや。こうやってキーアリーハに抱き抱えられても変な気持ちにならないしさ。

「猫の姿だと、身体強化は要所要所のみに限定できてる感じがあったけど……人間の姿の時は常に最大出力って感じ。出力調整出来るようにならないと人間の姿を保つことは難しいと思うな?」

 ウィル君の言葉にオレは納得する。

 にゃるほど。意識してないけどオレってウィル君みたいに身体強化をやってたのね。

 って、ようやく騒動に気づいた屋敷の連中が出てきたよ……もう、ほぼほぼ終わってるってばさ。

「お嬢様、ご無事ですかっ!?」

 いや、無事ではあるけど湯冷めしてないか? なんか身体が冷えてる気が……

 そう思ってると、キーアリーハが可愛らしくくしゃみをする。

「風邪引くとアカンから、もう一回、風呂入って身体を暖めとけよ?」

 オレの言葉に、キーアリーハは黙ってうなずく。

「じゃあ、オレがお嬢様のお背中を流しますよ?」

 さらっとウィル君が言ってくれたんで、オレはサー君を呼び出し一発、軽く殴っておく。

 いやオマエ、元は女だとか言ってたけど、キーアリーハに男として反応してただろうがよ?

「シャドウ、何でウィルを殴ったの?」

 ……え?

 なにやら嬉しそうに聞いてくれますね、キーアリーハさん?

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