オッサン
俺は、湊。
大学一年生。
俺には、ひとつだけ人に言えない秘密がある。
それは!
何故か一週間前から大人の俺になってるってこと。
一週間前からの出来事を話す。
長くなるが、パンツ脱ぐところはないので履いててよし!
-1日目-
朝、目覚ましのアラームの音と共に目覚める。
寝ぼけまなこで、時間を見るとまだ6時。
アラームの時間設定を間違えたと思い、二度寝しようとすると6時5分に二度目のアラームが鳴る。
俺は、早起きしないといけない予定があると、二度寝防止策として5分ごとにアラームをかける。
アラームを止め、これはなにか予定あったかなぁ?と、思いながら、それでも起きれず布団にこもっていると三度目のアラーム。
これもまたアラームを止めながら身体を必死に起こす。
予定を確認しようとするがスマホがない!
近くを見回すと小さなローテーブルにスマホを見つけた。
なんじゃ、こりゃーーーー!!
部屋の様子が変わっている。
スマホも俺のじゃない!
誰かの家に間違えて入ったのだろうか?
それとも寝ている間に誘拐でもされたのだろうか?
大の男を?
身体を見回したが拘束具はなにもない。
起き上がって部屋を見て回るってると、四度目のアラーム。
耳にキンキンくるので咄嗟にアラームを止め、ついでに全アラーム解除をした。
これは俺の部屋ではない。
俺の視線はある一点に集中し、止まった。
目の前におっさーーーーん!!
いや、お兄さん!
視線を離せずにいると、そのお兄さん()は俺と同じ動きをしてくる。
正確に言うと鏡合わせの俺と左右逆の動き。
て、これ鏡やん!
やっと気付いて、鏡を覗き込む。
とくになんの変哲もない。
自分は老けてるが、他のものはちゃんとそのままに映る。
ほかに小さな鏡を見つけ、それを見るもそれに写るのもお兄さん。
俺って、いつの間にこんなに老けたんだ?
そのことばかりが、頭の中をぐるぐるした。
正直、老けた自分に傷ついた。