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焼肉

それから子供とお菓子を食べ、マリオカートをして5時ごろまで遊んだ。

一緒にお風呂に入って、髪を乾かしていると6時半。


そのうち、異世界の旦那が帰ってきた。

「ただいま。」


子供は旦那に飛びつき、

「おかえりー!

ごはんー。ごはんー。」

と、上機嫌。


「あれ?ママ、おかえりは?」

子供が私の顔を見る。


「ぇ…と、おかえりなさい。」

ちょっと照れながら、異世界の旦那におかえりを言うと、不思議そうにこちらを見つめてくる。


「ママ、何かあったの?」

「ううん、なんでもないの。」

「夕飯何がいい?」

旦那が聞くのもつかの間、子供が

「焼肉ー!」

と元気よく答えた。


「ああ、焼肉ね。

ちょっと高いけど、まぁたまにはいいか。

平日だと空いてそうだね。」

旦那は脱衣所で靴下を脱ぎ、スーツをまくりあげるとお風呂場で足を洗ってタオルで拭いて、部屋に戻った。

旦那のいつもの行動だ。

部屋で旦那が着替えを済ませてる間に、自分と子供の身支度を整えた。


異世界の子供は、本物のママじゃないことに気づいているんだろうか?

気づいてなさそうに見えるが、子供の直感は鋭い!

もしかして、気遣ってくれてるんじゃ…、と勘ぐってしまう。


「さぁ、行こう。」

旦那の声に私は言った。


私は、それに割って入るように

「あの、私が異世界から来て、本当のママは私の元来た世界に行ってたらどうする?」

と聞いた。


「ママとママが交代?」

「うん、そう。」

「どうして交代したの?私が悪い子だから?」

子供が思いつめた顔でマジマジと私の顔を見る。


何故か申し訳なくて

「違うよ。何故か急に交代になっちゃった。」

と答える。

「見た目はママとママは同じなの?」

「うん。多分。向こうのパパと陽奈ちゃんも同じ。」

「声も?」

「うん。きっとそう。」

「本当のママは、帰ってくるの?」

「わからない。」


そうこう会話をしてる間に3人であの道にたどり着いた。

マンションからコンビニへ向かう道。


するとグラン。グランとまた道が揺れている。

空も。

だんだんその揺れが激しくなり、必死に立ってるだけで精一杯で歩けなくなる。


「ママー!」


子供の声が聞こえる。

優しく慰めてくれた子供の声が。

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