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もうひとりの私?

スマホを握りしめ、旦那からのメールを待つ。

すぐに返信がないのがわかっていても気が気ではいられない。

何度もメールの受信ボタンを押す。


そうしてる間にミニホットケーキがテーブルに並べられる。

「ご注文は、以上でよろしいでしょうか?」

「はい。」

ウエイトレスさんが伝票を置く。


ホットケーキを食べながらも、常に目線はスマホ。

食べてる間にメールを受信しないか、チェックをしながら待つ。

やはり、メールは来ない。


ホットケーキを食べ終わる頃には、大きめアイスコーヒーに乗せたアイスは溶け出していた。

スプーンでアイスをつつく。

美味しい。


お腹が満たされたのと、甘いアイスに酔いながら、嫌なことを考えてしまった。

もし元の世界に戻れなかったら、旦那にも子供にも一生会えずにこの異世界で死んでしまうんだろうか?


そうしたら、あっちの世界は私が居ないということで捜査願いでも出されるの?

それともこっちの世界の私が、あっちの世界に行っていて旦那と子供と過ごすの?


そんなの嫌だ!


私は、旦那と子供とずっと一緒に居るんだ!!


カッとなり、ストローで一気に大きめアイスコーヒーを飲み干し、伝票を持ってレジに向かう。


帰ろう!


元の世界へ…。



お金を払い外に出て一呼吸。


そうしてるとスマホにメールが入ってきた。

ドキドキしながらスマホ画面を覗き込む。


「今日?外食がいいの?それならそうするけど。」

異世界の旦那からのメール。


やっぱり、思った通りだった。


思いにふけながら、とぼとぼと普段通らない公園を通って、遠回りしてマンションに戻った。



「おかえりー。」

ドアを開けると可愛らしい弾むような声が聞こえた。


この世界の子供だ。


咄嗟に子供に抱きつき

「絶対にママに会わせてあげるからね!」

そう言って、わんわん泣いた。


緊張の糸が切れたように涙が止まらなくて困った。

子供はずっと頭をよしよししてくる。


30分以上泣いたと思うが、子供は嫌がることもなく、ずっと立ったまま慰めてくれた。

とても嬉しかった。

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