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異世界ピエロ
-僕の名は、異世界ピエロ。
お坊ちゃん、お嬢ちゃん。
僕が君達を幸せな国へ招待するよ。
ネバーランドなんて子供っぽーい!
もっと楽しい国へ行ってみようよ。
僕は、
口が耳まで裂けて唇が真っ赤に腫れ上がりとても醜い。
大きくて丸い赤ら鼻とシジミのような小さなつぶらな瞳でとても滑稽。
耳は大きく髪はおでこまで禿げ上がり、いつも馬鹿にされているよ。
お腹はポッチャリと出て、とても短い手足。
よく石をぶつけられることがあるんだ。
とても悲しい。
でも僕は、生きてる。
これからもずっと生きるよ。
君達を幸福にするために。-
「ママー、見て。ピエロがいるよ。」
行き交う人々の中立ち止まり、
子供がきゃっきゃとはしゃぎながら指を指す。
「本当ね。何かのショーかしら?」
小さな手を握りしめた母親がピエロを見ると、ピエロは色とりどりの風船の糸を手放した。
風船は青空いっぱいに散らばり、勢いよく昇っていった。




