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未来の俺

堕ちていく。

どんどん地の底に堕ちていく。


光のない真っ暗闇の中、凄い速さで落下するがなかなか地に辿り着かない。


目が開かない。

身体が動かない。


それからそれさえも考えることができなくなった。



どれくらいの時間が経っただろう。

俺は目を覚ました。


身体がすぐに動かず目を閉じたままでいると、声が聞こえてくる。


「意識が戻ったようだね。

悪いがこのまま聞いてほしい。」

声は耳からでなく、脳に直接語りかけてくるようだった。


「俺は、36歳の俺だ。

今、大学一年生の君の身体になっている。


異世界とこの世界の狭間で仕事をしていたが、どうしても過去から異世界の干渉を阻止しないといけないことがあり、過去にタイムリープを行った。

過去での仕事の最中、俺の姿をやつらにコピーをされ、君に危害を加えることとなってしまった。

すまなかった。

まさか未来まできて入れ替わっている俺を抹殺しようとしてたなんて思いもよらず、気づいた時にはあのあり様だ。

でも、安心してくれ。

異世界人は、仲間がその場で射殺したよ。」


-この野郎!なんで俺がこんな目に遭わないといけないんだよ!!-

声を出そうとするが声にならない。

興奮したからか、血管がピクンと切れる感覚がし、かすかに声を出すことができるようになった。


怒鳴りたいが口元がおぼつかず、たどたどしく声を絞り出す。

「異世界?ここが異世界じゃないのかよ!」


「ここも確かに異世界と言えるが君の立場で話すと未来の世界だ。

やつらの居る異世界は、この世界とリンクした

まったくの別の世界。

補足しておくが、君の想像する宇宙人とは違うよ。」


「未来の俺は、サクラ商事で営業をしてるんじゃないのか?役職は係長だよな!

部下の神川さんから電話があったし、間違いないと思うんだけど、何故異世界なんかに関わってるんだよ。」

だいぶまともに話せるようになり、怒りと一緒に疑問をぶつける。


「メインの仕事はそうだね。

でもそれは仮の姿とも言えるね。

詳細は伏せるが、ある時俺は事件に巻き込まれ、異世界の干渉を阻止する仕事をすることとなった。


そうそう君の見た通帳。

それはサクラ商事での貯金だね。

この世界で仕事をしたお金を貯めているもの。


それとは他にこの仕事の通帳もあるよ。

この世界でのお金と異世界でのお金両方が振り込まれている。

殆ど使っていないがね。」


冷静な口調に苛つく。

「見てたのかよ。

だったら早く状況を説明しろよ!

俺がどうなってたのかわかるだろ?

神川さんのことだってお前がどうにかしろよ。」

怒りでブルブルと震えながら、必死に言い返す。

感情の高ぶりで涙が出てきた。


「俺も仲間も仕事があったから、リアルタイムでは見ていないよ。

ただし、俺がこの仕事を始めてから俺の部屋には常に監視カメラと盗聴器が設置されている。

なにか厄介ごとがあればそれが確認されることになってるよ。

今回、やつが未来に逃げたとの連絡があり、確認させて貰ったよ。


あ、そろそろ身体が動く頃だね。

未来では、身体の波長で意識の有る無しや身体の動く動かないがわかるんだ。

それでは、そろそろ失礼する。」

それを最後に脳に声は届かなくなった。


「待てよ!!!」

目が開くようになり、身体の感覚が戻り俺はガバッと起き上がる!!

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