侵入者
ベタベタと衣服がまとわりつく。
気持ちが悪い。
シャワーを浴び、着替え終わると俺は洗濯を始めた。
母さんが使ってたのを見たので、だいたいの使い方はわかった。
大学生の俺の世界の洗濯機とあまり使い方は変わらない。
キッチンへ再度向かい、水出しの麦茶を冷蔵庫から出そうとすると、なんだろう?また不自然な感じ。
確かに冷蔵庫に貼っておいた未来の俺宛のメモがない!!
どこだ!!!?
俺、はずしたか??
部屋中思い当たるところは探し回った。
でもない!!
誰かがこの部屋に侵入した!
俺は直感的にそう思った。
オートロックのマンションに入れるのは、俺の両親、それから俺自身。そして、おそらく大学生の姿になり、入れ替わってるだろう未来の俺!
大学生の姿になってるであろう未来の俺が、この部屋の鍵を持ってればだが…。
そして、ここに帰ってこれるのなら。
シャワーを浴びる時に確認したが俺はまだ36歳の俺のまま。
元の世界に戻れる気配もない。
ということは、大学生になってる未来の俺もその世界にいるのだろう?
泥棒か?
俺は、俺の部屋に両親が入っていないか確認する為、母さんに電話をした。
もしかしたら早朝来てメモを外し、買い物にでも行ったのかもしれない。
母さんが入ってきた気配はないがきっと着替えはまだ車の中にでも置いてるのだろう。
きっとそうだ。
そうでなきゃ、警備会社に電話しないと。
プルルルル…
呼び出し音が鳴り、母さんが出た。
メモがなくなったことを俺が母さんに話すと、何故だかわからんが母さんは泣いていた。
父親と一緒に今日、こちらへ来るらしい。
一緒に病院へ行こうと言い出した。
嫌だと断ったが、心配だからと説得をされた。
前と同じく記憶喪失のフリをしたらいいだけだ。
そう思い直した俺は、承諾をした。
マンションの警備会社にも電話をした。
メモが紛失していることを話し、侵入の形跡がないかカメラを確認して貰うことになった。
この証拠さえあれば、病院に連れて行かれても平気だ。
俺は、正常なことを証明できると思った。
警備会社は確認し次第、すぐに管理人と共にこちらへ向かうとのことだった。
俺は、なにもする気になれないまま3時間警備会社の人と管理人を待った。




