未来の俺様万歳
ここまででわかったことを伝える。
俺は大学卒業し、
大手企業の営業に受かったみたいだ。
学生の頃住んでいたボロアパートは引き払い、会社借り上げの2LDKの広いマンションに引っ越した。
貧乏学生の俺には、アパートとマンションの違いがわからずここをアパートだと思っていたが、マンションだったなんてすげーーー!!
どおりで広いわけだ!
しかも、オートロック!
母親が合鍵持っててすぐに入れたが、それないと詰みだったな。
(着の身着のまま出た俺は鍵なんて持ってなかったぜ。
母さん、サンキュ!)
俺のマンション!
俺のマンション!
俺のマンション!
俺のマンション!
何度言っても、言い足りない。
本当に凄い!
最新型の洗濯機の使い方がわからない俺は、母親に洗濯を任せ、掃除を任せた。
ルンバのスイッチ押して、その間にテーブルや棚を拭く。
ルンバがあるなんて、超金持ちじゃん。
俺は満足感に浸りながら、ずっと母親の家事を見ている。
36歳の俺。
幸せなんだなぁ。
やっぱ、この世は金だよ。
貧乏学生してるからわかる。
一々材料や調理道具買って自炊するより学食が安いと学食で食べ、夜は一番安いカップ麺を選んでドラッグストアでまとめ買いしたものを食べ、朝はカップスープかインスタントコーヒーだけで過ごす。
洗濯機も回すのは週に2回。
水代と電気代が勿体無いから纏めて洗濯する。
下着は100均の洗濯板で手洗い。
掃除機は高いからホウキではき、雑巾で水拭き。
風呂はシャワーで済ます。
そういえば昨日はたっぷりのお湯に浸かることができた。
久しぶりの風呂は幸せだった。
両親から貰う仕送りで使うのは半分だけと決めている。
あとは奨学金とバイトでやりくり。
4年間貯めた仕送りは卒業の時に纏めて返そうと、両親に言わずにとってあるんだ。
仕送りは半分でいいと言ったことがあるが、少ない額だけど取っておきなさいと言われ、減額にはならなかった。
思いにふけっていると、いつの間にか家事は終わり、部屋中がピカピカだ。
俺がここで寝ていた日も片付いた部屋だと思っていたが、母親の手にかかれば業者でも入れたようなプロ並みに仕上がる。
「わらび餅あるわよ。
片栗粉で作った即席だけど。」
冷蔵庫を開け、お皿を取り出しダイニングテーブルに並べる。
淹れたての緑茶のいい匂いが食欲をそそった。
「このダイニングテーブル狭いわね。
母さんと買いに行く?」
俺は首を横にブンブンと振った。
一人暮らしさせてもらって大学へ行かせて貰って、ほかになんの不満がある?
なにもないよ!母さん!
料理だって美味しいし。
急なことなのに駆けつけてくれたし。
そういや36歳の俺?
なんできな粉なんてあるんだよ()
目で見てわかる材料はきな粉くらいだけど、きな粉はないわー。




