日常
私はなんの取り柄もない普通の専業主婦。
旦那は仕事に出かけ子供も学校へ行き、休憩でもしようとソファに横になった。
すると、天井がグラングランと揺れ、疲れてるだと思い目を閉じたんだ。
今度は真っ暗闇に落ちて行くような感覚。
怖くて目を開けようとするが暗闇から解放されず、起きようとするが身体は言うことをきかず、必死にもがくこと数分。
やっと目を開け身体を起こすことができた。
また同じ感覚に襲われたらと思うと怖くなり、栄養ドリンクでも買おうと財布に手を伸ばしコンビニまで出かけた。
コンビニはマンションから2分の距離。
マンションを出て歩いていると突然地面がユラユラと揺れ、地震か!?と思って、スマホを取り旦那に電話をした。
プルルと呼び出し音。
「もしもし」
すぐに聞き慣れた旦那の声。
「地震!今も少し揺れてるんだけど。」
地震くらいで電話するなんてと思ったが、何故かその時は電話せずにはいられなかった。
「え?地震?どこで?」
旦那は、怠そうに返事をする。
「ここだよ!ここ!旦那くんの会社って免震かなんか?」
「え?いや…。地震なんてないけどなぁー。」
「え?結構揺れたと思ったんだけど。」
「ちょっと待って。」
電話の向こうで旦那が同僚に地震があったか聞いている声が聞こえてくる。
「やっぱり、揺れてないって。」
電話口に戻った旦那は、不思議そうに答えた。
「え?嘘…。
そう言えばリビングで横になってたら天井がグラングラン揺れたり、目を閉じたら暗闇に落ちてくような感覚で、なかなか身体動かせなくて…。」
「疲れてるんだよ。今日は寝とけば?夕飯も外食でいいじゃん。」
「うん。」
そう言って電話を切った。
コンビニに着くと何故かいつもとは違うカラフルなジュースが並んでいて、「ここはいつものコンビニなのかな?」と不思議な感覚に襲われた。
初めて見るピンク色のバジルシードのドリンクを取り、栄養ドリンクと一緒にレジへ向かう。
レジの近くには美味しそうなレモンケーキがあって、これも初めて見る商品。
こんなに新商品が並んでいるなら、他にも見ておこうとお金を支払う前に、商品を見ながらコンビニをぐるりと一周した。
知ってる商品もあったが、知らない商品ばかりだった。