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転生したオタクゲーマーは異世界RPGを攻略する。  作者: シュトロム
第一章 転生編
7/60

なんでも超人にもわからないことはある

「それじゃあ、まず魔法とは何たるかを教えてしんぜよう。」

「よろしくお願いします。」


 あれから、ハウラスさんとの修行は、午前に魔法を午後に武術を教えてもらうことになった。

 ハウラスさん曰く、『魔法使いになるために』シリーズは魔法の基礎知識のない者が使うには危険で難しいらしい。

 この世界には魔法学校というものがあるらしく、そこの3年次生が使うような本なのだとか。

 さすが異世界、本当に小説とか物語みたいな世界観だな、なんでもありかよ。


「お主は魔力は何から出来ているかわかるかの?」

「………生体エネルギー的な何か、ですか?」

「まぁその考えで間違いない。マナというのが満点正解じゃな、聞いたことあるかの?」

「ありません。マナって具体的にどんなものなんですか?」

「マナとは、生き物の魂から外へ流れ出るものでな、この世界を構築するのに役立っておるのじゃ。」


 世界の構築っていきなり話が大きくなりすぎでは?


「例えば、石や木などの魂を持たぬもの達はワシらのマナを吸収することで、自らの存在や姿形を保っておるのじゃ。」

「つまり、マナがないと自壊して何も残らないってことですか。」

「察しがいいのう。これは生き物にも共通することでな、生き物もマナを全て失うと消えてなくなってしまうのじゃ。生き物は魂を持つ代わりにマナを吸収できないからの。生き物が死ぬと魂は体を離れ、世界の一部となり、魂がなくなった体は土に還るというわけじゃ。」


 なるほど、難しいがだいたい理解した。


「それで、魔力はマナを消費して作られているのじゃが、魔力に属性があることは知っておるな?」

「本に書いてあったので少しならわかります。」

「ならば、改めて説明させてもらうぞい。魔力には大きくわけて2つ、有属性魔力と無属性魔力がある。無属性はそのまま無色、有属性は赤、青、緑、黄、紫の5色に分かれておる。そして、それぞれ火、水、風、光、闇の五属性に適応しておるな。ここで注意することがあるのじゃが、別にどの属性の魔力であっても魔法は全て使えるのじゃが、適応属性よりは効果が劣る。しかし、長い間訓練すれば、一生のうち1度か2度、適正属性が増えることがある。これをツインやトリニティという。」


 つまりは、どんな魔法も魔力さえあれば使えるということか。

 でも、俺の魔力白色だからやっぱり適正属性ないのかな。


「生まれ持った属性が気に入らなかったりしたものは、他の属性を取れるよう頑張ればいいのじゃが……、どうしたのじゃ?」

「ハウラスさん………、俺の魔力の色、白なんだけどこれはどういうことなんですか?」

「白?……見たことも聞いたこともないのう。」

「ハウラスさんでもわからないんですか?」

「うぅむ、実際に見ぬとわからんな。ふむ………。」


 ハウラスさんは腕を組んで悩んでいる。

 やっぱり俺の魔力は特別すごいパターンか、逆に全くダメダメなパターンかどちらかなのか。

 まぁどちらにせよ魔法が使えるのならこだわらないが。

 すると、ハウラスさんはすっと腕を上げ指を立てると、その指先が淡く赤色に光り始めた。


「これは、魔法陣を書く時に使う技術で、『魔指』という。これなら他の人にも自分の魔力が何色なのか見せられるのじゃ。ほれ、お主もやってみよ。コツは指先に力を集めるようなイメージでやるのじゃ。」

「やってみます。」


 指先に力を集めるようなイメージ、体の表面を流れる魔力を1点に集中させるってことかな?

 指を立てて意識を先端に集中させて、念じるように魔力を集中させる。

 すると意外と簡単に指先に魔力は集まり、淡い白色の光を放ち始めた。


「これでいいんですか?」

「うむ。………確かに白く光っておるのう。有色ならばこうはならぬし、かと言って無色はほとんど透けているはずじゃし………。」

「でも、魔法が使えないわけじゃないですよね?実際使えてましたし、そこまで深く考えなくてもいいんじゃないかと思います。」

「そうかの?何かあったらワシに言うんじゃぞ。」

「わかりました。」


 一先ず俺の魔力の色の話は置いておくことになった。

 今はわからないがいつか俺の魔力が白である理由がわかる時が来るだろう。


「ところで、この『魔指』は魔法陣を書くための技術って言ってましたけど、それってどういうことですか?詠唱したら、勝手に出てきますよね、書く必要っていつあるんですか?」

「まず根本的に違うのじゃよ。そもそも魔法というものは、魔法陣を描きそこに魔力を込めて発動するもの。詠唱することで魔法陣を呼び出して魔法を発動するようになったのは数百年前からじゃ。魔法の起源はその更に何千年も昔からあるのじゃ。」

「へぇー、詠唱した方が楽だから今の人たちは使ってるんですね。でも、詠唱する方よりも書いた方がいいんじゃないですか?水中とかでも使えそうですし、相手になんの魔法を使っているか悟られにくくなりますし。」

「ほほう、よく気づいたのう、さすが我が弟子と言ったところかの。お主の言った通りじゃ。魔法陣を書くことに慣れれば詠唱するよりも早く、魔法を発動できるようにもなる。オリジナルの魔法を使う時はこの技術は必須じゃな。詠唱は魔法陣から生み出されるものじゃから、既存の魔法以外が使いたいのなら、早めに習得することをおすすめするぞい。」


 こんな感じでハウラスさんに質問したり解説を聞いたりして午前は過ぎ、午後から武術の訓練をするといったサイクルを毎日のように続けていった。

 ハウラスさんはものを教えることがとても上手で、俺もゲームに関しては他を圧倒する集中力を発揮するのでみるみる成長していくことが出来た。

 ハウラスさんに一人前だと認めてもらえたら、コノ村を出て冒険者になる。

 早くその日が来るように、毎日努力し続けるのだった。

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