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転生したオタクゲーマーは異世界RPGを攻略する。  作者: シュトロム
二章 修行編(仮)
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あれ、知り合い?

投稿が約3年ぶりってマジ?

概要に長期間投稿遅れあるかもって書いてるし許してほしい。

「ここが俺の泊まってる宿な。」


 イデアを引き連れて、『旅の宿セリ』についた。

 周囲に立ち並ぶ石材と木材を混合して建てられている建造物の中に、唯一の完全木造のこの宿は一線を画しかなり目立っている。

 俺の前世の記憶から「宿はだいたい木造でしょ」という考えがあったためか、初めに見たとき普通の宿屋という印象を受けたが、よくよく考えてみるとこの宿はこの世界においてかなり異質であるとわかる。

 おそらくだが、この世界の建築物の豪華さは素材と外見的な細かさに比例していて、さらに木造より石造の方が豪華という価値観があるように思う。

 コノ村では大体が完全木造か一部の建物は石材が使われていたり、自慢じゃないがうちの離れが石造りであったりした。

 そしてセントリアスは町であるため、コノ村より豊かであり石造の建造物が圧倒的に多い。

 ただそれらの建造物はほとんどがシンプルな外見をしているし、石自体の大きさや形はまとまっておらず、セメントのようなものでつぎはぎしたものを無理やりくっつけている感じがする。

 この世界ではまだ見ていないが、煉瓦のようにある程度まとまった形に切り出した石を着色し、規則的に並べて建てているか、そもそもの素材が高級なもので作られた建造物とかもあるんだろうな。


 こういった背景を考えるとやはり『旅の宿セリ』は、確かな存在感を放っている。

 しかし周囲の景色に溶け込んでいるため、街の風景を損なってはいないものの歩いていると自然と目につく、そんな雰囲気の店構えになっている。

 宿屋としてだけではなく、御飯処として利用されることが多くいつも賑わっているのはそういうところが関係しているのかもしれない。

 その上、ちゃんとご飯は美味しく接客も丁寧、素泊まりする人のために御飯処の利用時間も深夜営業なしと決められていて、多方面で評判がよくオススメもされるのも当然だ。

 この世界基準での話だが、今のところ知っている中ではここのご飯が一番おいしい。

 というか、この世界の外食する場所は基本的に酒場らしく、全体的に料理の味付けが濃い。

 どちらかと言えば薄味派閥の俺からするとちょっときつい。

 イデアがお酒を飲むタイプかわからないが、きっと満足してくれるだろう。


「あ、お姉ちゃんのお店だ!」


 …はい?


 今聞き捨てならないことをおっしゃいませんでした、あなた。

 二週間くらいお世話になっているけど、俺の認識が正しければこの宿屋の従業員で女性なのは…。


「お姉ちゃぁぁん!!」

「あら?」


 イデアは扉を勢いよく開け放ち、いつものとおり受付にいたセリさんに飛びついた。

 ですよねー、セリさん以外思い当たる人物いませんしねぇ。

 予想通りではあったのだが、この二人が姉妹?

 俺がこの宿に泊まることになった時に、セリさんは人族と蛇人のハーフって言ってたはず。

 でも、イデアは明らかに獣人の血が入ってる。

 ということは…。


「…従姉妹ってこと?」

「あ、ごめん!先に入っちゃった。」

「いや、それは別にいいんだけどさ。」


 うーん、見比べてみても似てるようには見えない。

 背丈とかむnえふんえふん…、その他もろもろセリさんの方が大きい。

 年齢が関係してたりするのか?成長したらイデアもあんな感じのお姉さんになるのか…。


「いやないな、うん。」

「失礼なこと考えてたでしょ。」

「キノセイデス。」


 目つきが鋭いですよ、お嬢さん。

 眉間にしわ出来ちゃいますよ、だから睨みつけないでください。


「イデアちゃん、落ち着いて。」

「…はぁい。」


 しぶしぶといった感じで引き下がっていった。

 ありがとうセリさん、非常に助かりました。


「リュートさんも、変なこと考えちゃだめよ?」

「…はい。」


 ちゃんと釘も刺されました。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 今日は何にしようかなぁ。

 『本日のメニュー』と書かれた立て黒板を見る。

 俺が元居た、今では向こうの世界というべきところではおしゃれなカフェの店頭にありそうだな、とかなんとか考えつつ。

 ここの注文方法は、立て看板に書かれたメニューそれぞれの前に描かれている印と、同じものが彫られた木札を注文カウンターに持っていくだけ。

 この国の識字率は高いが注文ミスが起こらないような配慮がされていて非常に好印象。


「俺は…、このサニーパックってやつで」

「いいね!とってもおいしんだよ、これ!」

「…俺が誘ったんだよな?俺がもてなす側だよな?」


 まるで、というか実際そうなんだろうけど、俺よりここの食事処に詳しいようだ。

 初めてきた友人の注文を、後ろから見守る常連みたいなセリフを吐かないでいただきたい。


「あ、私はこれとこれで!」


 あぁもう淡々と注文していくじゃん、俺のもてなす側の立場が霧散して消えていく。

 しかも俺食べたことないよそれ、おいしいんだろうねそれ、知らないけどね!


 嬉しそうだしもう何でもいいかの精神で、取った木札を注文カウンターへ。

 適当に二人で掛けられる席に着き、料理が届くのを待つ。


「あ、そうだ。魔法の話聞かせてよ。」

「ん?…あぁ、そういえばそんな話してたなぁ。」


 すっかり忘れていたが、あのでっかいクマと戦う前にそんな話をしていた。


「うーん、どう説明するのがいいかな…。」


 というより、そんな駄々漏れ魔力で『魔法のこと教えて』って言われるのは、試されてるような気がしてしまうな。

 まさか、そんな駄々漏れ状態の人が「魔法のことなんでも知ってます」なんてことないはず。


「……ちなみに、魔法のことどれくらい知ってる?」

「えーっとね、魔力がもとになってていろんなことができるってことくらい?」

「最低限の知識はあるってくらいかぁ。」


 そうなると、どこからどこまで話せばいいかわからなくなるな。

 これは、探り探りになりそうだ。

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