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転生したオタクゲーマーは異世界RPGを攻略する。  作者: シュトロム
二章 修行編(仮)
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中級昇進試験 6

 昼食をとり後片付けを早々に済ませ、俺達はメル雪山を登り始めた。


 街から野営地にたどり着くまでの間にゴブリンを数体発見したが、今の俺にとっては相手にならない。

 イデアと分担して倒したので非常に楽だったのもあるかもしれないが、コノ村の山間部にいるゴブリンよりも弱いように感じた。

 地域によって個体差があるのかもしれないな。


 で、野営地から現在位置の山道にちらほら雪が積もっているほどの高さの所まで登ってきた訳だが。


「何も出てこないな。」

「そうだね。」


 魔物の一匹も見当たらなかった。

 魔物でなくとも野ウサギくらい出てきてもおかしくはないはずなのだが。

 そして代わりと言わんばかりに生き物の痕跡は残されていた。


「あ、まただ。今度は足跡があったぞ。」

「これで5つ目、何かがいるのは間違いないのに...。」


 地面に残された30センチほどの爪痕を始めに、根本が大きく抉れて倒れた木や雪の上を通った時にできた足跡などが見つかった。


「これは、ロックベアーの足跡か?」

「わかるの?」

「絶対合ってるとは言いきれないけど、街の図書館で見た図鑑に載っていたのとかなり似てる。だけどこれは......。」


 ロックベアー、両腕が石礫をより集めたような硬皮を持ち、斬撃に耐性を持つ白い体毛に覆われた全長1.5メートル程の、通常の熊よりはかなり小さい魔物だ。

 体は小さく動きも速い訳では無いが、両腕の膂力は凄まじく岩を軽々と砕くほどの威力を発揮する。

 特徴は肉球が指のある方とは逆側に丸があることだ。


 ここまでが図鑑に記されていた内容をできる限り思い出した情報だ。

 残された何かがつけた痕跡はロックベアーがつけたものと言うには、少しサイズが大きい。

 そして肝心の肉球の特徴が足跡に残されてはいたが、丸の数が図鑑に載っていたものより多い気がする。


「___と思うんだが、どうだ?」

「うーん、たまたま大きく育った個体と考えるか...。それとも特殊な個体が発生したのか…。」

「どちらにせよ、原因が何か確認しないことには報告できない。一層警戒しながら進むしかなさそうだな。」

「そうだね。私が先を行くから後ろは任せたよ!」


 緊張が走る中、心の中で沸き立つ未知に対する好奇心が俺の歩みを速くさせる。

 この先に待ち受けるものが何なのか、楽しみで仕方がない。

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