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天才発明家のパラレルワールド旅行

作者: チャンドラ

「ふはははは! ついに完成したぞ!」

 俺の名前は中松良樹なかまつよしき

 マッドサイエンティストである。

 今年で二十五歳になる俺は、パソコンを使ってwebサイト制作といった仕事を家でこなし、それを収入源にしつつ、家で発明をしている。

 誰とも会話をすることもなく、俺は日々、発明に勤しんでいる。

「これさえあればデュフフフ......!」

 俺は男どもの願いを叶える夢のような道具を開発した。

 その名も透けゴーグル。

 その名の通り、このゴーグルをつけ、人を見ると服を透視してみることができるというドラえもんもびっくりの最強の道具である。

 これを身に着け、早速、美人の女性をウォッチングしに行くぞい!

 俺は早速、街へと飛び出した。

 向かうは東京のとある街。

 現代人がスーツを着て、忙しそうに歩いている。

 近代的なビルが立ち並び、太陽が眩しく、会社勤めしていない俺にとっては少しばかり疎外感を感じそうになった。

 まぁ、そんなことはいい。

 早速、透けゴーグルを使うぞ!


 1時間後、俺はボロアパート(俺のラボ)へと舞い戻った。

 結論から言うと、思い通りの結果にはならなかった。

 設計ミスをしたのか、男にだけ反応した。

 俺はたくさんの男の裸を見ることになった。男色の気があるならいいのだろいうが、俺はノーマルだ。

 完全な設計をしたはずなのに、何がいけなかったのだろうか。

 これは神の妨害? 女性の裸は見てはいけません! ってことか?

 うーむ、神様は厳しいなぁ。

「まぁ、いいさ。もっとすごい発明品を作るぞ......」

 俺は一週間、ラボに引きこもり、ものすごい発明品を作り出した。


 そして、ついに完成した。

「で、できたぞ!」

 俺はついに完成させた。

 その名も、異次元転移装置。

 外見は小さい、銀色のヨットのような見た目である。

 複雑な演算処理の計算を行うことができ、物凄いエネルギーを発生させることができる。

 そのエネルギーを元に異次元への扉を開けることができのである。

 平たく言えばこの装置を使うことで異世界に行くことができる。いや、パラレルワールドと言った方がただしいか。

 しかし、異世界にはどんな危険が潜んでいるか分かったものではない。

 俺は今まで開発した武器を用意し、さらに食料品をできるだけ異次元転移装置に乗せ、準備を整えた。

「異次元転移装置! 発信!」

 ポチっとな。

 俺は発信ボタンを押した。

 時空の割れ目が目の前に発生した。マシンは時空の割れ目にゆっくりと吸い込まれた。

 時空の割れ目の中はぐにゃぐにゃとした波が発生しており、酔いそうだった。

 俺は目をつぶった。

 1分ほどすると、俺は草が生え茂っている草原へと出た。

「おおー! 中々いい景色だなぁ」

 俺は少し遠くまで歩き出した。

 あたりを見渡すと馬のような生き物が目に入った。

 馬は筋肉質で、精悍な顔つきをしていた。馬なのに。

 すると、馬とは違う生き物が近くにやってきた。大きい体と黄褐色の毛色。

 ライオンである。

 本当に本当にライオンである。

 ライオンはじっと見つめてきた。

 怖い。

 うーがお! とか言ったりしないかな。無理か。

「ウォォォ!バォウ!」

 雄たけびをあげて襲い掛かってきた。

 くっそ! サーバルちゃんとは比べ物にならないくらい怖いな!

 セルリアンより怖いんだけど!

 俺はポケットから自分で発明した武器を取り出した。

 小型の懐中電灯のような物体。

 俺はこれをエレキバスターと呼んでいる。

 オンオフのスイッチが備えついており、オンを押すだけで一直線の高圧電圧を発生させることができる。

 例えるなら、カイジの鉄骨渡りの電圧くらいの威力である。

 気分を落ち着かせて、エレキバスターのスイッチを入れた。

「ガォウウン......」

 電撃を食らったライオンは気絶した。

 ふぅ......助かった。

 いったん、異次元転移装置のところまで戻るか。食料あそこに積んでるしな。

 俺は異次元転移装置のところにまで戻った。

 すると、薄い皮着を着た女性が異次元転移装置をじっくりと観察していた。

 その女性は黒い髪と白い肌をしており、日本人っぽい見た目をしていた。

 皮着は露出が多く、最低限のところしか隠しておらず、肩とおへそ、引き締まった脚がむき出しになっていた。

 女性の手には石槍を持っていた。

 俺が今まであった女性の中でもかなりの美人のほうだが、それよりも問題がある。

 異次元転移装置が煙を出している。

 何故か破片が散在している。どういうことだ、おい。

「あの、すみません?」

 意を決して俺はその女性に日本語で話しかけた。

「はい、何でしょうか?」

 流暢な日本語で返事をしてくれた。

「この機械、私のなんですが、なぜ壊れてるか知りませんか?」

「あー! これあなたのだったんですね! 宇宙からのマシーンだと思ってました。ごめんなさい。この槍でつついちゃいました」

「あんたかー! あんたがやったのか!」

 俺はツッコミを入れた。なんで未知の物体を発見したら、即、槍で突っつくという発想になる?

 しかも、異次元転移装置は割と頑丈な素材でできている。

 どんだけ強くつついたんだ。

「ご、ごめんなさい。これそんなに大事なものだったんですか?」

「これがないと元のところまで帰れないんだよ! あーもう、どうしてくれるんだ......」

 すると、槍を持った女性はとある提案をしてくれた。

「それじゃ、今夜は私のところにお泊りしませんか? 私、一人暮らしですし」

「い、いいんですか?」

 女性の家に泊まるなんて今までの人生で一度もない。

 仮に元の世界の女性に一晩泊めてくれない? なんて言ったら、泊まるんじゃねぇぞ......と拒否されるだろう。

「はい! こうなったのは私のせいですし。私、雪島梓ゆきしまあずさって言います。あなたのお名前は?」

 名前を聞いたところ一般的に日本人の名前だった。

 しかし、めちゃくちゃな世界だな。

 大昔のような時代に見えるが宇宙人という言葉を発していたことから宇宙のことはそれなりに解明されているのだろうか。

「俺は中松良樹って言います。こちらこそよろしく」


 すると、ドスンドスンという音が響いてきた。

 あたりは地震のように振動している。

 大きい生き物、恐竜が目に入った。

 ワニのような緑色の堅そうな肌、大きな吊り上がった眼、鋭い爪を手足に兼ね備えていた。

 恐竜を見たことがないから恐竜というのかは分からないが。

 恐竜? は走ってこちらまで向かってきている。

 やばい......ライオンより怖い。

「中松さん、下がっていてください」

 さっきまでの優しい雰囲気とは思えないほどの殺気が感じられた。

 俺は梓の言う通り、下がった。

 恐竜? は目の前まで近づいてきた。

「うら!」

 梓は叫ぶとマリオも驚くほどの大ジャンプをし、恐竜の体を石槍でついた。

 梓は恐竜の体を貫いたのだった。

「え、ええ......」

 俺は唖然とした。なんだこの身体能力は。

 華麗に着地し、俺のところまで戻ってきた。

 恐竜? は白目を向いて倒れた。

「中松さんが無事で何よりです! それじゃ私の家に行きましょうか!」

 梓は恐竜? の大量の返り血を浴びておりとても血生臭い。

 俺のテンションがダダ下がりになった。

「思いのほか、血を浴びちゃいました。私の街に公衆浴場があるので、良かったら一緒に入りませんか?」

「ええ! ぜひ!」

 俺のテンションはダダダダ上がりになりました。

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