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 一人の少年が、自分の手で描いた学校に入りたい、自分の手で描かれた五月雨突きによって悲しみを経験したい、というありふれた思いつきから、全てをエンピツで描こうとしている。

 そしてこれもありふれているが、男の子のそんな思いは数日で挫折に行き着き、けれどその少年は、エンピツで描かれた、エンピツで全てを描こうとした男の子じしんの手によって描かれた少年ゆえに、ずっと、ずっと全てエンピツで描きたいと思うということを、止めない。

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