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詩、的なもの

セピア色の街

作者: だくさん
掲載日:2012/12/19




なにかを失う瞬間、僕は黙って目を閉じた。


なにを失ったのかわかりにくくするように、失ったことを認めたくなくて。


なにかを手に入れる瞬間、僕は目を閉じた。


新しいなにかを背負うのが怖くて、変わっていく自分を認めたくなくて。


もしかしたらなにも失ってなかったのかもしれない

もしかしたらなにも変わっていないのかもしれない


僕は自分の瞼の裏をひたすら見つめた


黒い空が時々明るくなって、僕は目を開ける


目の前に広がるのは瞼の裏と同じような世界。


真っ白な、なにもない黒。


なにも見えない世界で僕はただ歩く


そこにはなにもないから、目にはなにも映らなくて、そこにはなんでもあるからなにも映らなかった。


灰色に染まる空に嗤う。僕はどっちだろう、と。


僕がなにかを失わなくても、街は時間を失っていく。


紅い記憶と熱い身体。


僕は変わらなくても街は変わる。


緑から灰へ、茜から紺へ。


きっと僕はわがままな奴だ。


あいつは素直に従うのに、僕はいつも迷っている


紅い身体、白い記憶。


黒の世界を見つめる僕は異色だった。


思い出を失ったことを忘れようとして目をつむった瞬間、僕は何かを手に入れた。


手に入れたものを認めたくなくて目を背けた瞬間、僕はなにかを失った


堂々巡りの自問自答の先に、僕は答えを見つけた


君が泣けば良いんだ


他人の不幸を願って僕は自分の明日を呪う


今日よりも平凡な日であるように、なにも見なくていい日であるように


暇潰しに街へでて、人ごみに紛れると、僕はひとりぼっちになった。


ただ、前を見て呪い、後ろを見て嗤う。


手に入れたものは昨日だ


白の世界に黒を見つめる僕が一人。


失ったものは僕自身だ。






どうなんでしょうね


Twitter:@dakusanno

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