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青くて蒼い  作者: y-r
さよなら青春の日々

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7

「蒼依!!自分の部屋が終わったんなら、キッチンの片付けも手伝ってよね!まだ食器も入ってないんだから、このままじゃ何時までたってもご飯が食べられないわよ!」


「えーー!なんで私が!超面倒くさーい!」


「口を動かしてないで若者は身体をまず動かす!ほら、早く!それが終わってから出掛けるからね!」


「………………はーい」


そもそもさ?

たった1日で引っ越しから学校案内までしようなんて、過密スケジュールにも程がある。


ママの突然の引っ越し宣言以来、何をするにもバタバタバタバタ。


ママいわく、引っ越し作業で一番大変だったのが、私の転校手続きだったみたい。


それでも私の場合は、一家転住という理由と、引っ越し先の家から一番近い学校で欠員募集があったからスムーズに手続きが出来た方らしく。


でもさ、簡単に「意外とスムーズに終わっちゃったのよ~。人によっては、転入試験とのタイミングが合わないで何ヵ月も転校出来ない子もいるらしいから、香奈は本当にラッキーね~」なんて言っちゃってくれたけどさ?


中間テストが終わって思いっきり羽を伸ばそうとしていた所で、突然「引っ越しするぞ!」て言われてさ。


初めて連れてこられた学校でガッチガチに緊張してる中で転入試験を受けさせられて、それでも何とか合格出来た私の頑張りがあったからこそ、最速スピードで手続きが終わったんじゃないの??


それを、ラッキー♪の一言で片付けられた私の悲しみ。


若さが羨ましいと嘆きながらも、10代の気持ちをすっかり忘れてしまったママには到底分からないだろう。


「ねぇ、パパ~。この辺りに買い物が出来る所なんてあるの?」


「ん?車で30分くらいの所に大きな商業施設があるぞ。ほら!前住んでた所でもよくCMが流れてただろ?」


「えー!それじゃ遠いしー!私が言ってるのは、学校帰りにフラッと立ち寄れるレベルの話しだよ?!じゃあじゃあ、映画館は?!一番近い所は何処にあるの?!」


「だから、その商業施設まで行けば何でもあるって。見たい映画があるならパパ達と一緒に行けばいいだろ?今度の日曜にでも連れてってあげるからさ」


「違うのー!そーじゃないんだよー!」


「あーおーい!!また口ばっかり動いて手が止まってる!早くしないと日が暮れるわよっ!」


さようなら。

楽しかった放課後ライフ。


下らない事でもバカ騒ぎ出来てた友人達と過ごすあの時間が、私の青春そのものだったのに___



道案内の為に連れて行かれた転校先の学校からの帰り道、車の後部席から見える街並みは、私に何の刺激すら与えない。


「…最っ悪。私が帰る方面って、本屋一つないんだね」


「ここら辺は駅周辺が栄えてるからね~。でもまぁ、いいじゃないの。逆に今までが何でも揃いすぎてたのよ。これからは学校が終わったら寄り道せずに真っ直ぐ帰ってきなさい」


「何処にどーやって寄り道すんのよ。コンビニくらいしか行く所ないじゃん」


クレープ屋さんも雑貨屋さんもアニメグッズのショップも、この街には何もない。


引っ越し初日にして、早くも後悔。

だけど私はもう、あの場所へは帰れない。




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