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青くて蒼い  作者: y-r
嫌悪感

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「ほら、二人とも早くって!次の移動教室は別館なんだから!早く早く!」


「待ってよ~、優香。そんな急かさないでよ~!蒼依は準備終わった?早くしないと優香に本当に置いてかれちゃうよ〜」


ド緊張の初日から1週間が過ぎて6月に入り、最初の頃のお客様扱いも早々に過ぎ、私はもうすっかりクラスの一員って感じだ。


私は、最初に声をかけてくれた優香と茜と一緒にいる時間が増え、二人の性格も把握出来てきた。



今、先頭を行き茜と私を急かしているのが野間 優香。


157cmの私と同じくらいの身長の優香は、ストレートな長い黒髪が印象的で、いつも茜と私を引っ張ってくれるしっかり者。


なんと驚く事に、2つ年上の大学生の彼氏がいるらしい。


そして、その優香の後を慌てて追っているのが原西 茜。


小柄でおっとりした性格の茜は、女の私から見ても守ってあげたくなるような可愛らしい女の子。


この前、他の女子も交えてガールズトークで盛り上がった時に、茜の彼氏事情を探ってみたけれど、真っ赤になってテンパっていたから今の所彼氏はナシって事かな。


私も二人の後に続き、移動教室を目指すけれど。


ここでも出てしまう私の唯一の悪いところ。



「二人ともごめーん!教室にノート忘れちゃった!すぐに追いかけるから先に行っててー!」


「またー?!本当におちょこちょいだなー!先生には言っといてあげるけど早くねー!じゃあ、茜。先に行こう!」


この学校でも、おっちょこちょいキャラの汚名は返上出来ず。


それどころか、たったの一週間ですっかり定着しつつある憎きイメージ。


だから私には、"東京からの転校生"という素敵な名目があるにも関わらず、イケてる男子が誰も寄り付かないのか。


そんな私には、前の学校の時でさえももちろん浮いた話しの一つもなく。


「死活問題だな」


なんて呟いてはみたが、実際の所、自分に彼氏がいる姿なんて想像できず未知の世界。


「性格が問題なのかな~」


そう簡単に自己分析が出来るなら、今ごろは一人ぐらい彼氏が出来ているだろうと溜め息まじりに閉まっていた教室の扉に手をかける。


するとそこには、窓にもたれかかりながらも真っ直ぐにこちらを見ているアイツがいて。



「………………」


何で居んのよ?!

アンタも移動教室でしょーが?!

ってか、こっち見ないでよね!!


心の中では激しく罵っているが、決して口には出さず。


無視

無視

ガン無視


コイツには関わらない!!


男女問わずクラスメイトの皆んなとは仲良くなれたのに、ただ1人だけ名前すらも呼びたくない相手が、今、目の前にいる滝原 青依(たきはら あおい)だ。


同じ呼び名の憎き奴。


私がこんなにも毛嫌いする理由。

それは、私と青依が中学の頃の同級生で、私が2度と会いたくなかった奴だから。


だから、転校初日に青依の顔を見た瞬間、息をするのも忘れてしまいそうな程の衝撃に私の頭は真っ白になった。


その青依が何でここにいるのか。

そんな事はどうだっていい。

私は青依に興味なんてない。



視界に入れるのも絶対嫌だと、視線は感じても顔を向けずに自分の席に一直線。


「あれっ?!何でないの?!」


二人だけの緊迫した空間。


早く教室を出たいのに、机の上に置いていたと思っていたはずのノートが何故か忽然と消えている。


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