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幻魔達の華 Next day

今回は魔女との戦いの次の日を書きました。

いろんなその後が浮かびますが、ここで『幻魔達の華』は終了です。

誤字、脱字があったらすみません。

闇の魔女を倒した中村結花はバス停に向かうと氷の精霊トウと光の精霊コウを幻魔の石から出した。

六木彩歌に二人を雑誌のモデルに使って良いと言ったからだ。特にトウは魔女の使いになっていた時に六木を人質に取っていたので承諾していた。

結花がバスの賃金を出そうとすると光鬼天渡が現れてトウに財布を渡して二人に電子マネーのカードを渡していた。

「今からバスに乗るならカードの方が良いだろ。お金は入っているから失くさないようにな」

「あぁ。分かった」

雷黄も現れて一緒にバスに乗る事になった。

バスが来ると六木さんと川井さんはバスの真ん中の入り口付近にいた。

「おはよう。中村さん」

「おはようございます。コウとトウを連れて来ましたけど、慣れてない事ばかりだと思うのでよろしくお願いしますね?」

『今日はよろしくお願いします』

コウとトウが六木さんに挨拶をした。

「…イケメン…。…って、不思議な力を使えるの?」

「コウが光と氷の力で、トウが氷と月の力を使える」

川井さんに結花が説明した。

「…術を使うと騒ぎになるので使いませんよ?」

「ブーブー!」

トウが言うと川井さんはブーイングをした。

「…おはよう、結花。今日はにぎやかだね?」

「まあ、初めてのおつかいみたいなものだからさ」

護に結花が話して暫くして美術大学前に着いた。

「…じゃあ、後は…」

「15時位になったらコウやトウのいる場所と空間を繋げて迎えに行きます」

「…なら、お願いします」

六木に天渡が言うと結花はバスの出口に向かった。

「今日は多いね。お嬢さん」

「やっと落ち着いたから。行ってきます」

結花はバス停を降りると残ったコウとトウに手を振った。



「おはよう、結花、護。天渡さんや雷黄さんもおはよう」

「おはよう、翼」

「おはよう、市村さん」

「おはようございます。市村さん」

翼に護、雷黄、天渡が挨拶をした。

「あっ、おはよう!翼!さっきコウやトウがバスに残ったからさ!…ちょっと心配でね」

「大丈夫そうだ。…コウは結花の座っていた椅子に座ったみたいだ。トウは立っているみたいだな」

天渡がバスの様子を球体の映像で見せた。

「…もし何かトラブルになりそうだったら、教えて。他のモデルさんが意地悪しないと良いけど」

「一応警戒はしておくが…。…セイ」

天渡が言うと月の魔人セイが出た。

「…六木さんが男性社員を付けるから大丈夫だろう。それにトウも未来予知が使えるから大丈夫です。…一応、敵対心を抱く人間がいるらしいですが、トウがコウに言って敵意を消すみたいです」

「…朝からすごい会話してるね?」

セイの話を聞いた三瀬さんが言った。

「ミッチー、おはよう!紗夜ちゃんの調子、大丈夫?」

「うん、バッチリ。…また、ご飯食べに行きたいって言ってた」

「確か、 もうすぐ中間テストが始まる時期じゃないかな?」

結花と三瀬さんの会話に雷黄が話ながらセイの方に顔を向ける。

「…数学、英語が平均点以下になるが、雷黄が教えたら回避出来る」

「…そっか。セイさんは結果が分かるんだ…。…って事は…」

「今日、部活は休むように言われていたから家庭教師やるよ」

雷黄が言うとコクが幻魔の石から現れた。結花が振り返ると喜田さんと松江さんがいた。

「…おーい!コク、一緒に教室に行こうぜ?」

「仕方ないな…」

コクは仕方ないと言いながらなんだか照れているように見える。

「おはよう、セイ。…って、紗夜ちゃんの話をしていたのか。雷黄さんが家庭教師?」

「あぁ。授業を休んでいたから抜けている所の補修だな」

「…便利だよな。どこを教えたら良いか分かるから」

「…それだけではないがな。雷の力は身体を活性化出来る。もちろん脳も活性化出来る。だから教えたら忘れる事はない」

セイが松江さんに教えると三瀬さんはちょっと拗ねていた。

「…ミッチーも家庭教師が欲しかったなって思ってるんでしょ?」

「…うん」

「…まあ、セキの力は貸すからさ。写真や映像撮る時に水の力を借りてよ」

結花が三瀬さんに言うと青龍のセキを出した。セキは掌から水色の石を出して三瀬さんに差し出した。

「俺を呼び出す幻魔の石だ。必要な時に使ってくれ。…まあ、結花さんが俺を呼ぶ事もあるかもしれないが」

「皆にはいろいろ手伝ってもらったからね。大切にしてあげて」

「…うん」

三瀬さんは結花に返事をするとセキと手を繋いでいた。

「…隆成。失くすなよ?失くしたら二度と出ないからな?」

「おーっ!大切にするって!」

コクは喜田さんに、セイは松江さんに幻魔の石を渡していた。

結花達が教室に入ると小林さん達がいた。

「ゆかっち!おはよう!」

「おはよう、こばやん。…って聞いていると思うけど、こばやんと土居さんと志波さんにリョクとレンとガンの幻魔の石の欠片を託すから何か困った事があったら力を借りて」

結花がそう言って木の精霊リョク、朱雀レン、玄武ガンを出した。

「…ありがとう。大切にするから」

そう言って楽しそうに話していたが、同時にクラスメイトがざわついた。まあ、当然だろう。

それから昼御飯は皆と食堂で食べて普段通り過ごした。




大学に授業が終わると松江さんが口を開いた。

「今日は和式の喫茶店に行くんだよな?」

「あぁ、変わっていて結花も気になっていたからな」

「え!本当!行ってみたかったからさ!楽しみ!」

結花が言うと天渡が空間を開いた。空間の先には勇吹と紗夜がいた。

「あ、結花。体調は大丈夫か?」

「昨日はお疲れ様、勇吹。大丈夫よ。紗夜さんは大丈夫?」

「うん、大丈夫。だけど授業で欠席してた所はわからない所がある」

「今日は後で俺がわからない所は教える。席は空いてるから座ろうか?」

結花達は座ってメニュー表を見てドリンクと団子やぜんざいやあんみつやソフトクリームを頼んだ。

喜田さんや松江さんはカツ丼を頼んだり、土居さんがおにぎりを頼んだら紗夜さんもおにぎりを頼んでいた。

まあ、誰かが変わったのを頼むと食べたくなるよね。

「いやあ、喫茶店で普通は食べないメニューを食べるのってやっぱり美味く感じる!」

「…まあ誰も知らないお客さんとか居ないのもあるかも」

喜田さんと土居さんが言う。頼みにくいのは確かにあるかも。




「…さて、皆食べ終わったから家までの空間を開くぞ」

天渡は喜田さん達と三瀬さん達と土居さん達の家への空間を開いた。

「ご馳走さま!天渡さん!」

「あぁ、また明日な」

喜田さんは松江さんと一緒に帰って行った。

「…今が16時か。19時位に戻る」

「紗夜さん、頑張ってね!」

三瀬さん姉妹は雷黄と一緒に帰って行った。

「今日はご馳走さまでした」

「また明日ね」

土居さん達に翼が言った。

「…天渡さん、ご馳走さま。私達もちょっと勇吹と護と話してから帰ります」

「あぁ。昨日は助かった」

翼達も帰ると天渡と二人きりになった。

「…さて、キスをしたいが雷黄が拗ねるから帰るまでお預けだ。離れていても分かるからな?」

「あー。それならダメ。って事は…帰ってから

?」

結花が言うと天渡が笑みを浮かべた。

「…さて、コウとトウを迎えに行こう」

天渡が六木さんの会社への空間を開いた。

「あっ!中村さん!コウさんとトウさんの写真は撮り終えた!ありがとう!」

六木さんは満足そうに言ったが、コウとトウは少し不自然に笑う。何かあったのがすぐに分かった。

「あー?はははっ。じゃあ二人共連れて帰りますね?」

結花はそう言って二人を和式喫茶店に連れて行った。空間を閉じると二人はため息をついた。

「…立って写真を撮るだけなのに疲れた…」

「…何かあったの?」

疲れて言うコウに結花が尋ねた。

「…なんだか、俺達を敵視しているモデルの方がいて、コウが光の力で抑えていました。ビックリしました。ドロドロしていました」

トウが言って結花が驚いた。

「…結構闇があるみたいだな?」

「…疲れちゃうよね?ゆっくり休んで良いよ?」

結花は幻魔の石に戻すつもりで手を伸ばしたが、二人は戻らなかった。

「…家に帰って幸恵さんや賢一さんにいろいろお話してから戻ります。二人が気にしていますから」

「…うん。分かった」

二人は安心させようと笑っている気がした。『あぁ、家族になっているんだな』と感じた。

天渡が結花の家への空間を開いた。



『ただいま、帰りました』

トウとコウが言うので結花は少し驚いた。トウとコウの声で母の幸恵がやって来る。

「皆、おかえりなさい。今日の夕御飯はカレーライスよ。クウさんとリュカさんも食べるんじゃない?」

幸恵が言うと白虎クウと麒麟リュカが現れた。

『カレーライス、ありがたく頂きますね』

クウは耳をピクピクと動かしていた。リュカもカレーの匂いが食べ物の香りだと分かるようだ。

「幸恵さん、お手伝いします。結花はお風呂に入って来てくれ」

「うん。お願い」

結花は天渡に言うとお風呂に入った。

(今の所、残ったのは四人かあ。明日はリュカをお母さんに託そうかな)

結花は明日の事や暫くして雫や双葉と逢う計画を考えたりした。

(…双葉と、黒澤さんのクラスメイト、何人か小学生の時に一緒だったんだよね?…確か、双葉が悪鬼と戦っている時は逢っていない鬼の人もいたんだったかな?でも、公正さんや輝光さんを見たらビックリするかもね?)

結花はお風呂場から出て台所に行くと四人はカレーライスを食べていた。

『…あっ、結花さん。お先に頂いています』

「うん、美味しい?」

『はい!』

四人が言うと天渡が結花の分と二人分のカレーライスを持って来た。

「…はい、結花の分だよ?…頂きます」

「あっ、ありがとう。…頂きます」

以前天渡と雷黄と一緒に幸恵の昼ご飯を食べたが、幸恵の夕御飯は初めてだった。

「…結花。トウさんが言っていたけど、双葉ちゃんや黒澤さんとお昼ご飯食べる時は他の皆も戻って来るみたいよ。結花の大学の友達の所に行っているけど、結花が望めば戻るから。時々一緒に夕御飯も一緒にいるみたいだから、その時は皆の分も用意するから」

「…うん」

結花は自分で幻魔達を友達に託したが、またあえると聞いて少し安心した。

「今日はレンは土居さんとお母さん一緒に夕ご飯を食べているみたいだ、コクは喜田さんがカップラーメンを食べようとしたから野菜炒めと味噌汁を作って食べさせたみたいだ」

「あら?コクさんは料理が出来るの?」

「死人が人間だった時の情報を取り入れているので出来るようです」

天渡が幸恵に教えた。

「あっ!俺達もいろいろ作れますよ!明日よければ変わります!」

「助かる。お願いします」

雷黄が言うと幸恵は喜んで言った。

「…ご馳走様です。後片付けは俺がします。フウ、コウ、トウ、リュカ。やり方を見せるから覚えてくれ」

天渡が四人を連れてシンクに向かった。

「結花は課題があっただろ?一緒にやろうか?」

「…私はお風呂入って洗濯機回そう。天渡さん、お願いしますね」

「はい」

幸恵はお風呂に、結花は雷黄と二階の結花の自室に向かった。



結花が課題の資料を製作していると天渡も来て手伝った。

「んー!終わった!」

「お疲れ様、結花。少し休憩しようか?」

天渡が言うと部屋の一部を星が見える空間と繋げた。

そこに三人で仰向けになって空を見た。

「…綺麗。天然のプラネタリウム。見に行った事はないなー」

「結花、流れ星が流れるぞ。あの上の方」

雷黄が指先を向ける先に星が流れた。

「…俺はずっと結花と一緒に過ごせるように願った。結花は?」

「…特にないかな。今のままで良い。後は…悪い事は回避出来るからその時になってからかな」

「…その時は手伝うよ。まあ、あんまり無理しない程度でな?」

「…うん」

雷黄に結花が言うと微かに柑橘の香りがした。天渡からは甘いミルクの香りがした。

「…なんだか、二人って男の子って感じの匂いがしないよね。雷黄は柑橘の香りだし、天渡は甘いミルクみたいな匂いだし」

「…結花に近い存在だからな。見かけは男の姿だが、人間とは違う」

「まあ男のフェロモンはあるかな。…結花は…嫌いじゃないだろ?」

結花に雷黄と天渡が言うと体を近づけた。結花は両手で二人の腕に触れると太くて大きい事が分かった。

「…好き。…って言うか…、私って男の子の恋人、いなかったんだよね。気がついたら女友達と男友達がくっついて、女友達も彼氏が出来て。護とはバスで一緒なのに友達止まりだった。不思議よね。鬼の記憶が甦ってから私と付き合った未来があったらしいけど、それまで友達止まり。…何となくさ、私が翼と仲良くなって、護と話していたら『この二人もいつか仲良くなって、私から離れるかも』って思った」

「…分かるよ、結花から離れるかもってなったんだよな?…でも、皆、結花とずっと友達だし、俺や天渡はずっと側にいる。一人じゃないよ」

「結花は大切な恋人だ。俺達が側にいる。だから安心してくれ」

雷黄と天渡はそう言って暫く結花を抱きしめた。


「…そろそろ23時か。結花、続きはベッドでしようか?」

「うん」

雷黄が結花を抱き上げてベッドまで運んだ。天渡は夜空の空間を閉じると三人で並んでベッドに入った。

ベッドの間隔はおかしく感じた。前から天渡がベッドの空間を変化させている気はしていた。

やがて雷黄と天渡の香りが強くなった。二人が香りを出して寝かせようとするのが分かる。

『おやすみ、結花』

二人は結花にキスをした。甘い香りがすると結花は静かに眠った。

結花の大学友達と幻魔達のその後が気になりますが、終了となりました。

他に動画で公開している異世界での話しもいろいろ浮かびますが、今の所小説にするかは未定です。

鬼人達の宴 刻はこれの前の話なのでこの四部作で締め切りです。

次回作は年齢制限が掛かるかもしれません。

出来上がればまたお会いしましょう。

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