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一、これが因果応報!? いまに見てらっしゃい! 三

 広い宮殿は、その気になればいくらでも密室を設けられる。もう一人の賭博師は、さる殿方の名代ということにして私が雇った。いざ開帳というところで衛兵が踏みこみ、ギルモの賭博師を逮捕した。私のほうは脱出に成功して待機。いうまでもなく、私は知らぬ存ぜぬをとおしきった。物証がないので簡単にすんだ。


 尋問されたギルモの賭博師はあっさり口を割り、雇い主を明かした。すべて筋書きとおりで、善意から賭博師の身元引受人になった私は報酬を渡して解放した。彼が喜び勇んで手にした袋のとじヒモには毒がぬってあり、翌日には片をつけた。先に脱出した方も要領はかわらない。毒は一晩のうちに自然に消えるようになっていた。盗み聞き役のメイドが隠れているとも知らず、私をゆする企てを宮殿のなかでぺらぺらしゃべっているからそうなる。


 なに喰わぬ顔で賭博を殿下に密告した私は、その機会をテコにぐいぐい押しまくった。強力なライバルが消えたとあっては、私の野心……玉の輿が果たされるまで大した時間はかからなかった。


 貴族の令嬢といえば聞こえはいいが、しょせんは人形だ。親のきめた相手に嫁ぎ、愛していたりいなかったりする夫とその実家に頭をさげ、子を産んで適当に社交を重ねて終わり。


 どうせそんな枠からでられないなら、せめてできるだけ豪華な枠にしたかった。


「はい」

「ところが、自分達が罰せられたのを逆恨みし、まじない師を雇って私に害をなそうとしているようですの」

「具体的に、なにかよくないことが起こりましたか?」

「いえ、いまのところはまだですわ。でも、いつそうなっても不思議ではございません」


 あらかじめ私の部屋に、わざと呪いの人形もおいておいた。毒もそうだが、私自身がわざわざお忍びで変装してまで買ってきたものだ。呪いそのものは微々たるもので、ドアの角に小指をぶつける程度にすぎない。


 あとは、聖女が呪いの人形を『発見』し、追放された彼女が逆恨みしてやったことだとする話を殿下へもっていく。


 復讐の種は先手を打って潰さねばならない。とはいえ、宮殿を出入りする僧侶達は賄賂まみれでまったくあてにならなかった。


「ロネーゼ様」


 聖女はじっと私を見た。


「はい」

「ロネーゼ様のお悩み、心から拝察します。しかし、失礼ですが私からうかがいたいことがございます」

「なんでしょう」

「ロネーゼ様……私は聖職者でございます。さいわい、ここにはほかにだれもいません」


 聖女はぐっと身をのりだした。

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