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わたしにできること

作者:

わたしはもう生きるなんて

無理だと思っていた


布団から起き上がることができなかった

鏡で自分の姿を見るのが苦痛だった


家の外に出ることができなかった

人に姿を見られたくなかった


人と目を合わせることが怖かった

人と会話を交わすことが辛かった


少し歩いただけで疲れてしまった


本を読もうとしても

すぐ集中が切れてしまった


文字を書こうとしても

絵を描こうとしても

自分の書き癖に嫌気がさして

手を止めてしまった


でも


嫌だと思うことは何もしないで

じっくりとゆっくりと

自分と向き合ってみた


何度も何度も嫌気がさして

馬鹿らしくなって

死にたくなった


けど実際に行動に移す勇気も

行動力もないんだ


注目されるニュースになるような

目立つ最期なんて御免だし


猫を撫でる

布団でゴロゴロする

スマホで服や美術作品を見る


誰かが感動して文章に残した

その軌跡を辿る


好きな人の好きな人は

必然的に私の好きな人で


好きがどんどん広がっていった


やらなきゃいけないことは

ひとまず忘れて

本当に自分の

好きなように過ごしていたら


何だか不思議といや〜な

暗い気持ちが薄れていって

離れていって


それが完全に

消えることはなくて

まだ遠くからこっちを

見ているのを感じるけれど


わたしにもできることは

あるのかなと思えた


朝起きてカーテンを開けて

太陽に挨拶して


鏡を渋々見ながら身支度を整えて

気持ちが高まるリップを塗って


まだ人と会話をするのは

抵抗があるけれど


このご時世でマスクをしたり

画面越しでカメラを見たりしていられるから

助かっているところもある


私にも朝早起きして

5km歩くことはできるんだ


難しい専門外の本は読めないけれど

自分の好きな本は1日で読んじゃうんだ


もっと字が上手くなりたい

書道教室にまた通いたい

もっと絵が上手くなりたい

卒業制作に向けて練習して

画材を買い足さないと


少しずつひとつずつ

日常を取り戻すように


普通の毎日を過ごしていた

私は恵まれていたんだね

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