表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/51

後回しばっかだな

続き!

 シャワーを浴び、すっきりしたのはいいが、濡れた体をタオルで拭うのに一苦労した。髪の毛めちゃ大変。乾かすだけですっげぇ時間かかりそうだったから適当に済ませちまった。

 着替えも困った。スウェットを着てと言いたいところだったが……、2着あったスウェットのうち、一着は洗濯、もう一着はそのあれだ、濡らしてしまったこともあり……無地のTシャツと短パンに着替えた。どちらもサイズごまかしやすいし、今の時期ちょっと肌寒いが家の中は常時エアコンで過ごしやすい温度にしてるから問題はないしな。

 ちなみにパンツは履いてない。なんかサイズも合わないし、なにより履きたくないって気持ちが大きかった。

 何はともあれまず自分の部屋に行こう。一度落ち着いてじっくり考えたい。幸い、体の痛みはきれいさっぱり、完全に収まったみたいだしな。




「くさっ」


 自分の部屋に入ってまず思ったのはこれだった。我慢できないほどではないにしろ、なんというかまぁ、要はおっさん臭かった。

 

 泣いていいか? 俺。


 外はまだ寒いだろうが、窓を開けしばらく換気しファ〇リーズしてようやく落ち着いたところでベッドに腰掛ける。そこでまたちょっと嫌な感じが……。く~~~泣いていいよな? 俺。


 布団のシーツ、ついでに枕カバーも納戸の収納にしまってあった妹が使っていたものと取り換え(もちろんクリーニング済な)、ほっとしたところで今度こそベッドに座り込む。なんかもう疲れてきた。主に精神的に。


 改めて自分に起こったことを振り返ってみたい。

 昨日の夜、裏山で変な光を浴びた感じだ。それが何だったのかは俺には知る由もない。放射線みたいなものを被爆してしまったのだとしても、それ以外のものだったとしてももう今更だ。浴びちまったものは取り返しはつかないし、そもそもすでに影響出まくりな訳だし。

 俺の変化が昨日の光のせいだって結びつける証拠なぞもちろんないが、それが関係ないなんてことはそれ以上にありえないことだとも思える。


 ――これ、今日寝て明日起きたら元の俺に戻ってるなんてことないだろうか?


 ないか?

 ないよなー。


 脱線した。


 次は俺の体だ。ありえないことに女に変わっちまった……。

 マジ今でも信じられない、っていうか信じたくない。けど、これもう、どうこうしようもないことなんだろうしなぁ……はぁ。


 でだ。

 こうなっちまったものは仕方ないにしてもだ――。(いやほんとは納得なんてしたくないんだが)

 これからどうするって話なんだが。


 生活自体は特にというか全く問題ないと思う。

 金はまぁ余裕な訳だし、元々一人暮らしな訳だし、外にはほとんど出ない引き籠りだった訳だし、ここに来る人なんて宅配業者くらいなものな訳だし。 もっと言えば、生活物資もその宅配で済ませられる訳だし……な!


 こう考えるとマジ俺人付き合い無かった。泣いていい?


 じゃあ逆に何が問題になってくるのかだ。


 一番の問題は戸籍とかなんだろうけど……、これはちょっとすぐどうにか出来るもんでもないから後回しだな。正直どうすりゃいいのかさっぱりだ。

 次はえっとなんだ、やっぱ病気かな? 何しろ見た目はおろか、性別すら変わっちまったからなー。健康保険、使えないだろなぁ……。かぜひいたくらいなら市販の薬で事足りるだろうけど、これって実際は戸籍よりずっと切実でやばい問題だよな。


 とは言うもののこれも対処難しすぎるわ。

 戸籍もそうだけどこれ絶対正直に言っても信じてもらえる自信ないわ。俺がもし逆の立場で、このことを信じてくれ?って言われても難しいぞ、実際。

 仮に、もし仮に信じてもらえたとしてだ……、その先に待ってるのは俺にとって良いものだとはとても思えないな……。


 はい、これも後回し!


 ま、とりあえずほんとに急がなきゃいけないもんなんてないな、うん。これは現実逃避なんかじゃないぞ? ないったらない!


 なんてこと考えてるうちに今度は普通に眠気が襲ってきた。う~ん、こんな頭で考えてもいいことないし、ちょっと仮眠でもするか。眠気にがんがん襲われてる頭でそこまで考え、もそもそとベッドに潜り込み速攻意識を手放した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ