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女の子になったけど淡々と暮らしたい──ちょっと不思議もあるかもね──  作者: あやちん


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ネトゲじけん中編!(てんぱり)

おまたせ! え、まってない?orz

「けんぴさ~ん! どうやら私たちが一番のりで間違いないね~」


 今日は我がネトゲチーム、『ワイルドビスケッツ』オフ会の日である!

 最高クールなチームなだけあって、参加率100%なのである。とは言っても総勢で5名なんだけどね。

 けれども! サーバー内のランキング戦でいつも50位以内には余裕で入ってる実力チームなのだ!

 ま、ポイントの40%はノリスケさん一人でたたき出してるんだけどね~。ほんとあの人ゲームやりすぎ、ハンパないわ~~~。何やってたらあんなにネトゲする時間が取れるのか、今日は可能な限り追及してあげるっ! けんぴさんの予想は無難に自宅警備員といったところだ。平凡~。


「おい、こら、鈴にゃん、んなデカい声でキャラネーム呼ぶんじゃねぇ! 恥ずかしいだろ」

「だって、まだ名前も知らないんだから仕方ないじゃんか~」


 まったく小うるさい奴である。誰も君のことは見ていないよ、自意識過剰と言っておこう。

 さてさて、オフ会会場はJR駅前のレンタルスペースとなっております。みんな初見なので迷わないよう、一部屋貸りて集まることにしたのである。食事はもちろん、最新ゲーム機、カラオケ、それにネット環境もばっちり! まぁ、なんて優秀な幹事さんなんでしょう! もちろん私のことだ。リーダーのマヌエルさんは申し訳なさそうにしてたけど、何にも問題ない。私がやりたいだけだからっ!

 集合時間は10時、レンタルスペースの受付前ロビーに集まることになっておりまする。これで迷うやつ居たらそいつはもう外にでちゃダメな奴です。

 責任感ばっちりの私が早めに来たら、なんかね、すでにけんぴさんがプラプラしてたというね。あんたは遠足楽しみにしてた子供か。


 まぁ脳内ツッコミはこれくらいにしておいてあげましょう。


「改めまして、けんぴさん、初めまして! 鈴にゃんで~す。フライング挨拶だけど、気にしないでね~」

「お、おう、け、けんぴだ、です。よろしく……です。なんか調子狂うな。つうか鈴にゃん、おま、ネトゲのまんまだよな」

「でしょ、裏表ないのが取柄の美女さんなんだよ~」

「言ってろ。でもまぁ、なんだ。ホントに女だったんだなぁ」

「も~、あたりまえっしょ」


 けんぴさん、半信半疑だったみたい。失礼な。でもまぁ、ネトゲで女キャラなんてほとんどが男だもんね。疑いもするか。


「こんにちは、お待たせしたかな?」


 おお、このくそまじめな物言いの落ち着いた男性は!


「もしかしなくてもマヌエルさんですか~? いえいえ全然待ってないですっ。っていうかまだ十分早いですからね! 今日はよろしくお願いしますね~」

「おお、君が鈴にゃんさんかな? 色々手間をかけさせてすまなかったね。今日はみんなで協力しながら楽しもう!」

「も~、固いことはなしです、マヌエルさん! 精一杯楽しみましょね~」

 

 やはりマヌエルさんはお堅かった。今度はけんぴさんともお堅い挨拶してる。

 ちなみに、なぜすぐ私とわかるかというとですな、ふふっ、『赤メガネ女子』だよ~って伝えてあったのと、何より、な、なんと、胸元に名札なんぞつけとります! きゃ~恥ずかし。ふふっ、クローズドな場所だし問題なし! さぁ、みんなこの調子で集まってきてね~!



 はるばる遠方からお越しの高校生、なおっち君も無事到着し、残すはノリスケさんだけである。みんなは受付前の待合スペースで早くも前哨戦のおしゃべりが始まってる。こらこら、みんなネタ残しておいてよね! なじむの早すぎっしょ!

 レンタルスペースはあと10分もすれば使えるようになるんだけど……、まさかのノリスケさんが迷子なの? うんうん、自宅警備員ならありえるかもね? ふふ、オフ会にもだいぶ来ること渋ってたからねぇ……。


「おいおい、なおっち、なんかモデルみたいな美人が入ってきたぞ、うおっ、胸でけー」

「わぁ、ほんとですね! でもオレ的には年上だし綺麗すぎて、近寄り難い感じだなぁ」

「何言ってるんだよ、年上のお姉さんなんて最高なシチュエーションじゃね? やっぱ坊やだな、なおっち!」

「おいおい、君たち、もうちょっと静かに。あちらに聞こえるよ。困ったやつらだなぁ……」


 こいつらときたら……。馴染(なじ)んでるのはいいんだけどさ、君たちそれ、セクハラだから! マヌエルさん、もっとビシバシ言ってやって。

 まぁ確かにすごい美人ではある。背も高いし胸も……、まぁ私よりあるのは認めようではないか。おおっ、おやおや? 後ろにちょろんとついて来てる子……、


「くあ~~~~、銀髪だぜ、なおっち、ギンパツ! 色もめちゃ白いぞ。ちいせぇけど可愛いなぁおい。でもなんであんな色付きのメガネかけてんだ? ちょっと似合わないな」

「そうですねぇ、サングラスかな? でも好みは人それぞれですよ~。でもでも、それよりすごくいいですよ、可愛い! ハーフなのかな? 手も繋いだりなんかしてて、あの女の人、お姉さんなのかな?」


 ちょっと何、こやつら。さいてー、品性疑っちゃうわ~。もっと言うなら、なおっちロリコン疑惑! ひくわ~。

 ……でもでもほんとに可愛い! 綺麗な銀髪にサラサラロング、とどめにベレー帽までかぶっちゃったりしてもう、最高かよ! ちっちゃい子だし小学生かな? 顔立ちは日本人っぽいからやっぱハーフかな?

 あの女の人とどんな関係なんだろ。お姉さん? 従姉(いとこ)とか? まさか母親ってこと……は、さすがにないか! ないよね?

 でも確かにサングラスが浮いちゃってるなぁ。女の子がしてると違和感ハンパないなぁ。お姉さん、もっとちゃんとコーディネートしてあげなきゃ!


 ――って、あれあれ? なんかどんどんこっち寄ってくるんですけど! 聞こえた? 馬鹿二人のあほ会話が聞こえちゃた? 文句言いにきた的な?


「やっべ、文句言いにきたんじゃね?」

「ど、どうしよう、けんぴさ~ん」

「もう、あんた達が失礼なこと言ってたからでしょ~」

(しかもけんぴさんと同じこと考えてて愕然(がくぜん)だわ~~~)


 私とお馬鹿な男どもが近寄ってきた美女と美幼女にアタフタしてる間に、とうとう目の前まで来てしまった。


「こんにちは、こちらが、ええっと……、ワイルドビスケッツ? のオフ会集合場所で、あなたが鈴にゃんさん? で良かったでしょうか」



 はい――?


 なにこの展開。

 聞いてないんですけどっ!


終わるわけがなかった


続く!

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