意外な来客
ここはとあるニューヨーク郊外の小さなコーヒーショップ。
1960年代のジャズ喫茶をベースとしたデザインの店内で、働く1人の少年がいた。
彼の名はノア・アイス・フィールドといい、明るい性格で人当たりも良く、それでいて彼の淹れるコーヒーは格別に美味しと評判で、この店ではそれを目当てに来る客がいるほどだ。
「ノアくん、今日も君の淹れるコーヒーは美味しいなぁ! 」
「私もこのコーヒーを飲みながら本を読む時間が何よりの幸せだわ! 」
「ありがとうございます! 」
彼のコーヒーを飲んだ客は、口を揃えてみんな「美味しい」と言った。
そして今日も、沢山の客で店は賑わっている。
「マスター、今日も忙しいですね…」
「うん、確かに忙しいなぁ…けど、私は、沢山の人に美味しいコーヒーを飲んでもらう為に、まだまだ頑張るよ! 」
「さすがですね、マスター」
「さぁ、頑張るぞぁ! 」
「はい! 」
カラン、カラン!
店内に、新たな客の訪れを告げる、ドアの呼び鈴が鳴り響いた。
「 いらしゃいま…… 」
しかし、店の呼び鈴を鳴らしたのは、客とは程遠い軍服姿の多勢だった
店内は彼らの来訪に、一瞬にして静まりかえった。
客とは程遠いというのは、彼らの面構え、規律のとれた並び、その全てから誰もが分かった。
「久しいな、無敗の黒狼よ…」
「! 」