58話 フォレスタリア防衛戦 ~パートナー紹介編~
「そういえば、南の担当って姫様でしたっけ」
「えぇ、南は私で北がホムラ君、東がガイア、西はゴロウさんがいってるよ」
なるほど
「それにしても物凄い組み合わせだね・・・・ショタ君と魔女さんと伯爵・・・・って!!なんで伯爵がいるの!?」
「あははっ、姫様お久しぶりだね・・・まぁほんとだったら年明けくらいにのんびり始めようと思ってたんだけど・・・急遽こんなイベントが始まるって聞いてね」
「でも、リアルのほうは平気なの?」
「あぁ、今イベントの片付けももう終わって今裏の方じゃ仲間達が打ち上げで飲んで騒いでるだけだからね・・・どうせ飲み会も明日の朝まで続くだろうしこのイベント終わってから行っても十分間に合うさ」
今の時間から徹夜の飲み会って・・・何時間飲む気なんだか・・・
お酒の飲めない僕は理解ができない・・・
「あははっ、それにしても急遽始めたにしてもなんかもうすでに初心者とは思えないような格好してるし・・・捕獲石とかも持ってるの?」
「あははっ、それは周りの人のご厚意には感謝しまくりだよ」
「それじゃ私は前のほうに戻るからなんかあったら呼んでくれたらすぐに駆け付けるからね」
と言って姫様は駆け足で前線に戻っていってしまった・・・
かなり無理してきてくれたのだろう
現在前線では大量のプチモンスター達と前線にいるプレイヤーたちとの戦闘の真っただ中で
それでも止められなかったモンスター達がこちらにも流れ込んできていて周りの人達も次々と戦闘を開始していた
「それじゃあイベント頑張っていきましょ~~」
そんなサクラさんに声に我に返り僕も急いでパール達に指示をだしていく
そんな中
「そー言えば、うちらのパートナーも紹介するね・・」
「まずは私はウメ・・・みんなの守り担当です」
そう言って呼び出したパートナーは
石のような甲殻をしている蟹
ストーンクラブ[Lv14]
ヒラメの様に薄く平たい形をしていながら実は意外と固い
ガードフィッシュ[Lv12]
の二匹だ
それで気が付いたのだが
「えっとウメさん・・最初のパートナーって何だったんですか?」
確かストーンクラブは北の炭鉱で出るはずのモンスターのはずだし
あのガードフィッシュは確か南の塔の内部で餌付けしているときにいたのを見た気がする
「あははっ・・えっと私の最初のパートナーって‥この子なの」
そう言って呼び出したのは・・・一匹の亀
スロータートル[Lv13]
あれ? あの亀って確か初心者フィールドでパールを捕まえた近くにいた亀だったような・・
「この子はスロータートルって言ってね・・・ものすごく足が遅いの」
な・・なるほど・・亀だけに
「足が遅くて攻撃力もないし・・・意外とHPも少ないの・・・」
そ・・それは・・・
「でもね・・この子甲羅だけが異常に硬くて・・というか破壊不能とか言う効果を持ってるくらい硬くて・・・って いやっ!!」
ウメさんがしゃべっている間にいきなり後ろからラットが飛びついてきて・・
「やだ やだ!! この! このーー!!」
いきなりウメさんが手に持ってたスロータートルの甲羅部分でラットを叩き始めた
「はぁっはぁっ・・こ‥こんな感じでね・・とっても固いの・・・」
あははっ・・・この子かなり無茶な使い方をしているような・・・
「えっとじゃあその子は普段は手に持って戦ってるの?」
「あっ‥そーじゃなくてね‥本当はねこの子 スローと言うくらいで・・ボーリングのように投げることで前方にいる敵を弾き飛ばしてくれるの」
なるほど・・・その子は遅いではなく投の方だったか
「けど今こんな乱戦状態で投げると味方も巻き込んじゃうから引っ込めてたの」
なるほどね・・
「じゃあ次は私ね・・私はモモ!!攻撃担当よ」
そうやって呼び出したパートナーは
東でよく見かける意外と攻撃力の強い蜂のモンスター
キラービー[Lv15]
薄く平べったくタチウオのような姿をしている
ソードフィッシュ[Lv12]
そして・・・おなじみ西初期フィールド最強と言われていた
ベア[Lv14]の三匹だ
確かにどれも攻撃向きのモンスター達だ
「あははっ・・今やベアを連れているのはショタ君達だけじゃないんだよ!!」
よく周りを見ると・・・特に全線で戦っている人たちは結構な確率でベアを連れてたりする
「ショタ君が連れてた影響か・・今は捕獲石の性能もよくなったからみんなこぞってベアを捕まえようという人たちが増えているの」
「確かにベアは強いからね」
「うんうん 私もいつも頼りにしてるよ」
確かに二人のモンスターを見ると連れてる数はちょっと少ないけど・・なかなかいいパートナーを連れている
これは本当に頼りになりそうだ
「そして三人目の私サクラは・・・・みんなの癒し担当!!」
「はい お帰りください!!」
「ショタく~~ん それはないよ~~」
「はいはい、サクラも言い方が悪いよ・・ショタ君この子はね 三人の支援 回復担当なの」
あーなるほど
「だから癒し担当なんですか」
「そうそう・・この子達が自慢のパートナーだよ」
そう言って呼び出したパートナーは
ピンク色のかわいらしいうさぎ
ヒールラビット[Lv12]
ピンク色の熱帯魚のようなフライングフィッシュ
ヒールフィッシュ[Lv12]
そしてぷっくりの丸みを帯びた二枚貝の
シェル[Lv12]
地味にシェルが気になるが・・・
「えっと・・・名前にヒールってついてるってことは?」
「うん この二匹両方ともヒールの魔法が使えるの!!」
だから癒しなんだ・・
確かこのゲームだと魔法や属性のついてるモンスターはそれぞれいろんな色をしていて
火属性は赤 水属性は青 風属性は緑 土属性は茶色 といった感じで
(西の森に出てくるブラウンベアは地属性のベアだった)
他には毒属性は紫 回復属性はピンク色をしている
「でも二人ともまだMPが少ないからね、自分含めて三人?で交互に回復していってるの・・シェルは護衛役なの」
なるほど・・・でも今のようなイベントだと回復役いくらいても足らないくらいだし・・・
「じゃあサクラさん・・・これ使ってみてください」
と言ってアイテムボックスからMPポーションを20個ほど取り出してサクラさんに渡してあげた
「えっ・・・これって噂では聞いてたけど材料不足でほとんど出回ってないはずじゃ」
え?そーなの?
「ショタ君?ねえショタ君?その材料のキノコってどこで手に入れたの?」
そう聞いてきたのは調合のトッププレイヤーだったマリーさんだ
「えっとこれは・・・・・」
そう言って前に東の牧場で教えてもらった場所の事をマリーさんたちに伝えると
「あははっショタ君 さすがショタ君・・・そんな場所があったんだ」
そしていつの間にか聞いてたホワイトさんも
「なるほどね・・・キノコって西でしか見つかってなかったから西しか探してなかったけど東にも・・・しかもそんな安全な場所に生えてたんだ・・・」
「西は安全じゃないんですか?」
「うんうん、西でキノコが生えてる場所って西の村を出て塔に向かう前のあの森の中に生えてるのよ」
えっ?
じゃあ‥キノコを採ろうとすると?
「うん・・・森の中ってね道とは比べ物にならないくらいベアが出てくるの・・・」
「しかも集団で・・・」
うわぁ・・・それはひどい
「だから西でキノコ採りたかったら・・・噂に聞くクマベルがないと採取なんてできない状態なの」
「そーいえばまだ、材料の一つが見つかってなかったんでしたっけ?」
「そうそう・・・共鳴石ってアイテムがまだ見つかって無くて‥現在探し中なの」
なるほど
まぁ・・・これでメンバーも全員揃ったし
いつの間にか周りにモンスターの姿が増えだしてきたので
「じゃあ一応そんな遠くに行かないようにこの周りにいるモンスター達をかたづけていきましょうか!!」
「「「おおぉ~~~!!」」」
やっとイベント始まったのになかなか戦闘まで行けない・・・
因みにこうやって話している間にもパールたちはモンスター達を倒してくれてます・・・




