52話 運営とメンテの裏事情
お待たせいたしました
時は少しさかのぼり・・・
ここはとあるオフィスビルの中にある[モンスター・オブ・フォーチュン]開発室
カタカタカタとキーボードを叩く音だけが響いているこの空間
「あっ・・・このままだとまずいかも・・・・チーフ!!」
「どーかしたのか?」
「いえ今北の塔と南の塔にプレイヤーがたどり着きましたのですが」
「ん?いいことじゃないか?」
「そーなんですが、このタイミングで両方の塔を解放されて防衛戦が始まってしまうと・・・」
「何かあったか?・・・確か塔がすべて開放して二日後にイベントだったよな」
その話を聞いた別のメンバーが
「あっ・・・そうすると防衛戦が始まるのって一月一日・・・元旦の午後9時からだよな」
「あっ第二陣か」
「二陣初日からイベントってちょっとまずくないですか?」
「まずいな、このままだと二陣は開始してすぐにイベントになるとキャラの育成が間に合わないだろ?」
「いくら頑張ってもレベル5くらいが限界だろうし」
「それにあのイベントだと基本石投げるだけでモンスター捕獲できる方にされてるから・・・初日からいきなり強力なモンスター手に入れられたらゲーム内のバランスが・・・と言うか一陣メンバーの苦労が何だったのかがわからないぞ」
それを聞いたチーフが
「ちょっとまて、まだ塔に侵入しただけだろ?塔が解放されると確定したわけではない!!両方の監視をして何かあったらまた報告しろ!!」
「でも塔に侵入したのが、北はβ版で活躍した三人に・・・南の塔なんか例の少年含めた28名なんです」
その瞬間一瞬すべての音が消え
「そっそれは・・・北はともかく、南は確実に攻略されるな」
「まだまて・・・南の塔には魚群がある!!さすがにショタっ子でも初見での攻略は無理だろ」
「けど彼なら初見でも何とかしてしまいそうで怖いな・・・で今どこまで進んだ?」
「えっと北の塔は順調に登り始めましたが・・・」
「が?」
「南は何故かショタ君が・・・塔のモンスターに餌付けを始めました・・・」
「おぃおぃ・・・さすがショタっ子ブレないな」
「でも・・・餌付けってことは彼、もうすでに餌を持っていると?」
「いえ・・・あれは東の村で手に入る鶏の餌ですね」
「それでもいいのか?」
「鶏の餌は基本野菜中心に作られているので雑食設定の魚介系モンスターにも十分使えます」
「まじかよ・・・だとすれば」
「あれに気が付かれれば魚群も突破しかねないな」
今まで黙っていたチーフが
「とりあえず・・もしものために告知の準備はしておけ・・・変更期間は今はぼやかしておけよ」
「了解!!」
「チーフ!!北の塔はボス戦に突入しました」
「南はどうだ」
「南は・・・先頭突っ走っていた連中が魚群の餌食になって、今少年中心に集まって強行突破しようとしているとこですね」
「強行突破か・・・まぁ南は突破されないな・・」
「さすがに強行突破でどうにかなる相手じゃないですからね・・・」
「あっ・・・少年がいきなり餌を巻き始めました・・・あぁ魚が餌を追って下に降りていく」
「えっ・・・」
「・・・・・みんな一斉に走って、残り18名魚群突破しました」
「北の塔ボス撃破されました」
「おぃおぃ・・・告知の準備は?」
「準備OKです」
「それと・・・緊急メンテの準備とそれについての告知も頼む・・・」
それを聞いた途端、オフィス内が一斉にざわつき
「期間はどうします?」
「深夜1時から朝の10時まであれば十分だろ・・・後ついでも今まで上がってたバグ処理と・・・・・例のss制限も準備しておけ」
「了解です!!」
「チーフ・・まだ塔のボスが・・・」
「あのボスのことだから、まぁ時間はかかるだろうが例のバグ少年相手じゃ無理だろ・・・」
「あー 南ってあの着膨れヒトデでしたっけ?」
「着膨れ言うなw慣れればいくらでも倒し方あるやつだし時間稼ぎにしかならないだろうなw」
「ボスさんかわいそすぎる・・・」
「チーフちょっと防衛戦のことなんですがいいですか?」
「ん?どうした?」
「いえ、このまま防衛戦が始まってしまうとまだ実装前のあのモンスターたちも出ちゃうことになるんですが」
それを聞いてまわりから
「そっか、あの配置漏れのやつらも出るんだっけ?」
「配置漏れって言うな!!」
「でも実際そーじゃないですか・・・あれなんて先にウルフ出しちゃったもんだから町の周りにすら出せなくなっちゃったんだし」
「だから来週二陣向けフィールドで実施予定なんじゃないか」
「まぁまて、どうせ来週出る予定だったんだし・・・もともと出しても問題ないんだろ?」
「ですね・・・と言うかせっかく作ったのに出せなかったですからね」
「防衛戦は予定通りそのままのモンスター配置で行く!!」
「あと防衛戦限定モンスターなんだが・・・これ本気か?」
「あははっ・・ちょっとバランス崩れますかね?」
「まだ序盤だし東の予定の象は流石にやめとけ・・・かわりにあれでも出しとけ」
「あっちですか?まぁ他のと考えればそっちの方がバランス的にはいいですか・・・そーすると限定ボスの中で南が一番強くなりますね」
「南って・・・あれか・・・あれが最強って・・・見た目はあれだがな」
「あははっ 見た目はあれだけど攻撃力と防御力がかなりやばめのモンスターですよ」
「その分スピードがな・・・」
「けど突進力だけはあるんですよ」
「まぁいいや この設定で行くか」
「了解です!!」
「チーフ・・・南のボスが倒されました・・・・」
「塔開放と同時に告知を流せ・・・変更予定時刻は12月31日の一時間早めて午後8時から2時間で設定しておけ・・・・今日は寝れると思うなよ!!」
「「「了解!!」」」
「チーフ大変です!! ショタ君が・・・ショタ君が・・・」
「灰原どうした?」
「ショタ君が[タイラントカープ]に丸呑みされました!!」
「それがどうした?少年も死に戻りのために突っ込んだんだろ?」
「でも・・・タイラントカープに丸呑みされたんですよ!!」
それを聞いてたほかのメンバーが
「タイラント? ジャイアントじゃなくて?」
「タイラントです・・・」
「うげっ・・・なんでショタっ子何でそんな奥まで行けたんだ?」
「ん?そいつってそんな奥に出てくるモンスターなのか?」
「あいつはあの湖の主として設定されたモンスターですよ・・・あの[ヴォーパルラビット]を超える凶悪即死スキル持ちの」
「あ・・・・例のあいつか、あいつはどこに出てくるんだっけ?」
「湖の外端にある果ての小島周辺に一匹だけ出てくるはずです」
「おぃおぃ、少年が何でそんなとこまで行けたんだ?まだ今の時点だと水上騎乗もできるはずもないし」
「チーフ チーフ ショタ君が食べられたのって南の桟橋ですよ?」
「おぃほんとかよ」
「これがその時の映像です」
「おぃおぃ・・・どーなってやがるんだ・・・ヌシだけじゃなく、後から追って行った連中を倒したモンスターの中にツインシザーズまでいたぞ」
「あれってレベル40台の転職モンスターでしたよね?」
「ああ・・・あれも湖の最果て部分に出てくるはずだぞ・・・今あそこの湖中のモンスター分布はどーなってる・・・すぐに調べろ!!」
「えっと・・・例の湖中を調べたんですが・・・水中モンスターの縄張り設定が・・・もともとされてないことが判明しました・・・」
「おぃ何でそんなことになっているんだ」
「現在調査中です」
「もういい・・・ちょうどいいからメンテ中に全モンスター撤退させて設定からやり直せ!!」
「えっとチーフ一つ思ったのですが」
「灰原どーした?」
「いぇ・・・水中のモンスターが全部そーなっているとなると、今は湖よりか南の[メーアシュニット]のほうを先に調べたほうが・・・」
「あっ・・・防衛戦が終わると皆行くだろうからな・・・そっちが先決か、それで今南の島はどーなってる?」
「今調べてます・・・・うわっ」
「どーした?」
「メーアシュニット始まりの洞窟内に[シャーク]の群れが群がってます」
「おぃ、それをなんとかしろ!!」
まわりからは
「えっとシャークって結構後半の敵じゃなかったっけ? 」
「例の神殿のさらに奥・・・転職後にしか行けないはずの場所の敵だな」
「なんでそんなところの敵が出てくるんだ」
「いやあそこのフィールドって海も洞窟もすべて一つのフィールドでつながってるしな」
「そんなこと話してないで他に何か不備とかないか調べなおせーー」
「了解です!!」
「あっ・・・チーフ、モンスタードロップの中に[共鳴石]を入れるの忘れてました てへっ」
「てへっじゃない・・・さっさと直せーーーーーー」
そんなこんなで結局メンテナンスが10時に終わらなくなり二時間延長することになったとさ
運営ではショタ君の呼び名が安定しておりません・・・
チーフはバグ少年、もしくは少年と呼んでいるし
男性スタッフも例の彼とか少年とよび
女性スタッフはショタ君とかショタっ子と呼んだりしてます。
あと唯一名前の出ている灰原さんはショタ君を最初に担当した[マスターK]さんです
今は特にシステムとショタ君の監視(ストーキング+盗撮)担当をしています
新CMでショタ君の画像が多いのはこの人のせい(笑)




