50話 秘密会議
はい、レンです
僕は今町の中央の噴水の周りにある通称:敗北者広場 にいます
何でこんなところにいるかと言うと
このゲームは、前にも言ったけど町に移動するようなアイテムや魔法が基本無く
(課金アイテムにはあるが高くて使い捨て)
塔から出てもまたあのモンスター溢れるあの橋を渡らなくてはならない
塔に来るときは大人数で強硬手段で来たけど現在はレットさんやリンさんのPT合わせて10人しかいないし(ほかのPTはまだボス戦中みたい)
またあの敵を倒す気力もないので
様子見を兼ねて・・・また塔の裏に
南の塔は湖の真ん中と言う事で小島の上に建てられているのだが
その裏手に回ると岸壁をげすった湖に続く階段があり、それを降りた先にはやはり西の塔の裏手と同じような結界の張られた門があった
そしてその先に見えるのは幅二メートルくらい長さは多分30メートルくらいの木製の桟橋があるだけで
その桟橋には小舟も何もなく完全に通行止め状態だった
そこで僕はほかの人の止めるのを無視して・・パートナーを出さずに一人結界を抜けて桟橋に足を踏み出し・・・数歩歩いた所で横から水音が響いたと思った瞬間ココに居ました・・・
まぁ元々死に戻るつもりだったから問題なかったがあまりにいきなりすぎて何も考えられなかった・・
そうやって、ぽーーッと考え込んでると
アインやリンさんレットさん達も次々広場に戻されてきました
アイン達に聞いた話によると
僕を襲った‥と言うか丸呑みしたモンスターは[タイラントカープLv30]と言う巨大な鯉のモンスターだったらしい
そのあと駆け付けた皆も巨大なザリガニや僕を飲み込んだほどではないが大きな鯉(水の魔法を使ってきたらしい)・・他に巨大な二枚貝のモンスターに挟まれたとか
あまりにいきなりすぎて調べるのを忘れたまま死に戻ったらしい
そのまま皆さんと別れ
僕は整理を忘れてたまりきっていたアイテムを整理しようとアイテムボックスを覗いてみたら
あれ?いつ手に入れたかわからない[無色のスキル石]が入っていた
手に入ってるアイテムの順番からして・・多分塔のボスドロップなんだろうけど
他のボスドロップは[黒くざらざらした皮]
・・・後は多分この大量にある[淡水魚の魚肉]や[浮遊魚の浮袋][淡水魚の切り身]などのフライングフィッシュのドロップに混ざっているのだと思う
他にはアローフィッシュのドロップの[小魚]やスピネルのドロップであろう[巻貝]
何のドロップかわからない[網エビ]や[ゴカイ][サワガニ][貝のむき身]など釣り餌になりそうなものも大量に手に入ってた
他にもこの前のボス連戦の時のドロップとかもまだ残っていて
よく見てみるとそのアイテムの中にアイテム名のランクが書かれていないアイテムがあることに気が付いた
[クイーンの王冠☆]
そういえば前に手に入れた[ヘビーメタル]も同じようにランク書かれてなかったような・・・
それは後々調べてみることにして
まずは最近すっかり行き忘れていたテイマーギルドに行き・・持ってるアイテムで納品できるクエストを受けて報告に行ったら
なんか四方のボス戦や塔のボス討伐もクエストになっており・・・それも成功と言う事で
なんか大量のお金とテイマーランクが[D]まで上がった
そのまま商人ギルドの納品もできるか見ようとテイマーギルドを出て噴水広場の周りの露店を眺めていたら
「おぅ、レン君じゃないか」
と、声をかけてくれたのは金色のリーゼントが目立つ松葉ウニさんだった
「こんにちはウニさん」
そうだ・・・ウニさんならあの釣り餌の使い道もわかるかも
「そういえば・・・」
と言い南の塔に上ったこととそこで手に入れていた魚や貝、あと釣り餌について聞いたところ
「おぅ、さすがレン君・・・これだけの種類があればいい餌が作れそうだな」
「と言うとやっぱこれは釣り餌用のアイテムなんですか?」
そう聞くと
「いや、釣り餌でもあるっちゃああるんだが・・・」
と、一息ついて
「現在ショタ君が塔の中で餌を使って魚群突破したって情報が掲示板で流れてな・・・」
ウニさんの話によると
その情報を聞いた人たちが南の村でいろいろ聞き込みを行ったところ
南の塔に行くための餌の話をあっさり教えてもらい
材料さえ集めれば作ってくれるというそうだ
そして今僕が持っている釣り餌たちはみんなその餌の材料になるとかで皆集めいてるところらしい
後・・・釣り餌と関係なさそうな[浮遊魚の浮袋]は塔の内部の魚群用の練り餌に使うらしいというので魚介系、釣餌系アイテムは全部ウニさんが買い取ってくれた
そのあと・・ウニさんの屋台で巻貝のつぼ焼きをごちそうになり
そのまま商人ギルドに
そしてまたこっちのギルドでは周りのボス(マドマッド、クイーンビー、キングコケッコー)の討伐がクエスト完了になっており、納品クエストと合わせてまたここでも結構なお金と商人ランク[E]Eランクになった
それによって露店が出せるようになった(出す気はないけど)
そして、残ったアイテムはアヤメさんが買い取りしているもののみ無人買取に入れて
後は別の人の買取にと思ったら・・・なんか生産場のほうからアヤメさんが飛んできて
この前渡し忘れた料金と例の王冠以外のアイテムを全部買い取ってもらい(今回は現金一括支払いだった)
またアヤメさんは女性職人たちに囲まれどこかに連れていかれてしまったので
僕は無人販売所で硬い石と魔力石がないか探したのだが
ん~~~さすが全くないというか
錬金術師さん達が高価買取しているらしく全然足りてないらしい
それを見ていた女性たちが一斉にギルドの外に出て行ったのだが・・キニシナイデオコウ・・
そうだついでに僕も余ってる捕獲石を販売所に登録しておこう
他のアイテムはまだ試作状態で数無いから売れないけど
[中級捕獲石☆6]なら2700個以上あるし
端数覗いて全部登録しておこう
あ・・・個数制限一人50個でいいかな・・・少なすぎたかもしれないができるだけ多くの人に買ってもらいたかったのでそうした
(ショタ君がアイテム登録したと同時にギルド内にいる人たちが男女関係なく一斉に販売所の操作を始めたのは言うまでもない)
登録が終わって後は売れるのを待つだけだし
(実はもう売り切れて・・・周りでは変えた人は喜び、買えなかった人たちは悲しみに暮れてた)
そろそろ用事も終わったのでどこに行こうか考えていたら後ろから
「ショタ君ちょっと今暇かな?」
そう声かけられたので振り向いてみると
そこにいたのは木工職人のヒイラギさんのお兄さんのライルさんだ
「ライルさんお久しぶりです、今暇ですがどうしました?」
それを聞いたライルさんは軽く周りを見渡し
「ちょっと今回のイベントについて大事な相談があるんだが、ちょっと付き合ってもらっていいか?」
そう言ってかなり真剣な顔で聞いてきたので
「はい・・・いいですよ」
そう言うと、ライルさんは僕を連れてギルドの外に
ライルさんに案内されたのは、「月夜の隠れ家」という喫茶店のはずなのだが・・
全席個室と言うかなり変わった喫茶店でそこの個室の中でも6人用の個室に案内され
「すまない、こんなところまで来てもらったのは今回のイベントの事なのだが」
ライルさんの話によると今回のイベントはこの町の四か所ある門を守らなくてはならないのだが
僕がどこかの門に普通に行ってしまうと女性たちが一斉に僕のところに集まってしまい
他の門の防衛が困難になりかねないということだそうで
確かに何か今の状態だと自分でもそうなりそうに感じてしまう
そのために相談に乗ってほしいということだ
「それはこちらからもお願いしたいです」
「それはよかった・・・でもうちら二人だけで考えただけではどうにもなりそうにないから」
「今協力してもらいそうな人に声かけてここに来てもらうことにしてるんだ」
なるほど・・・それでこんな広い部屋を用意してのか
それから二人でいろいろ話していると
誰かが扉を叩く音が聞こえ、ライルさんが扉を開けると
「おぅ・・うちらを呼んだのはお前か?」
と言って入ってきたのはガイアさん、ホムラさん、それにもふらーの代表ゴロウさんに少し大人びた多分大学生くらいの細身美人さん、四人が入ってきた
「姫様も来たんですか」
ライルさんがそう言うと
「ほかの三人を呼んで私が来たらいけなかったのかしら?」
それを言われると、ライルさんはこっちを軽く見て
「そういうわけではないのですが・・・」
そんなライルさんを横目に姫と呼ばれた女性はこっちを見て
「えっもしかしてショタ君?なんでこんなところにいるの?」
他の三人もこっちを見て
「あーー、その件での相談か・・・確かに姫を連れてきたのは失敗だったかもな」
「確かにこれは大事な相談だよな」
「すまんが姫は黙って出て行ってもらっていいか・・」
三人とも僕を見ただけで何の相談なのか分かったみたいだ
「何よみんな揃ってーー私だって協力するわよ!!」
「えっと・・・皆さんに集まってもらってすいません」
と僕が言うと
「いやこちらこそ、一度は相談しないといけないと思っていたところだ」
五郎さんがそ言うと姫と呼ばれた女性が
「そういえば挨拶が遅れましたね」
と、ちょっとおちゃらけた表情で
「私の事は・・・コンちゃんと呼んでね♪」
と言った途端、全員
「「「誰がコンちゃんだ!!」」」
「年を考える!!歳を!!」
「姫!!なにほざいてるんだ」
「レンの前だからってキャラ作るな鬼姫!!」
散々な言われようである
えっと・・・詳しく名前を確認してみると
【金色夜叉姫】
どこかの提示版で名前を見たことが・・・確かβ時代のガイアさん達と同じトッププレイヤーの名前だったはず
「えっと姫様、はじめましてレンといいます」
それを聞いた姫様が猫なで声で
「ショタ君そんな固くならなくていいからね~~」
そういいながらこっちのほうに来て後ろの方から抱き着いてきて・・・
胸が・・・胸が頭に当たっているんですが・・
それを見ていたガイアさんはため息を漏らしながら
「姫!!これからまともな話をするから、ふざけるなら出て行ってもらうぞ!!」
それを聞いた姫様はしょうがなく
「わかったわよ」
とあわてて離れてくれて
ここから秘密の会合が始まった・・・




