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39話 念願の採掘と捕獲の現実

ボスを倒した僕達は

開通したトンネルを進むこと5分程

外の光が見えてきた


「おっ、やっと外か」

「ああ、この先に村があるはず、こんな山の中の村なんだから流石に採掘道具くらいあるよな」


そう現在まともな採掘道具がなくて落ちてる石や鉱石を拾うしかできなかった

(町には採掘用のピッケルすら売ってないし、自分で作ることもできなかった)

そのため鉱石も北の山道に落ちている[銅鉱石]や[スズ鉱石]しか手に入らず

造れて青銅が限界だった


「そういえばレンも鉱石が目的か?」

「西の塔を開放したくらいだし、北の塔が目的だろ」

「僕は今回は石を拾うために来たんですよ」

そう言うと

「石?」

「あー、捕獲石の材料か」

「うん、全ての塔が解放されるとイベントが起こるから、そこで大量の捕獲石が必要になりそうなので少しでも性能がいい石を大量に作るためにここに来ました」

「へーってイベントって討伐イベントだろ?そんな石使うのか?」

「ブラックはあの掲示板見てなかったのか」

「ん?どの掲示板だ?」

「昨日攻略掲示板で運営がイベントで出て来るモンスターはほとんど捕まえられると書き込んだんだよ」

「へー」

「しかも、イベント限定のモンスターも出るとか言ってたから今捕獲掲示板の方では大騒ぎしてるぞ」

「マジかよ」

そんな書き込みがあったんだ・・・しかも運営がじきじき書き込むとか


「そう言うわけで、今は捕獲石はいくらあっても足らない状態なのでその材料を集めにきました」

「なるほど、確か材料は石と魔力石だっけ?それならこっちだな」

「そういえばガイアさんは何でこっちに?」

「ああ、おれか?俺はどちらかというと純粋にボス退治とこの先にでるモンスターの捕獲だな」

「なるほど」

「さすが今の状態じゃボスの単独撃破かつらいから助かった」

「それはお互い様ですよ」

「そうそう、うちらも一人じゃ無理だからこそPT組んだんだから気にすんな」


そんな話をしながら洞窟をでると


見えたのは・・・崖?谷?

いやこれは、まるで山が引き裂かれたかのような巨大な渓谷だ


「さすがここまででかいとスケールが違うな」

「現実だと外国とか行かないと見れない光景だな」

「ゲーム内とわかってても圧倒されますね」

そんな風景に圧倒されていると

横から


「君たちはこのトンネルを通ってきたのか?」


そっちを見ると、軽い防具を着込んだ鉱夫さんがいた、この村の守衛さんなんだろうか


「はい、今洞窟内の大きなモグラを退治してきました・・・逃げられちゃいましたが」

それを聞くと、守衛さんは


「おお、それは本当か・・・今なら行けるか、すまないが少しだけ待っててくれ」


そう言うと守衛さんは横にある道の先にある崖の斜面を利用して作られた集落の方に向かい


腰につけていた太鼓のようなものを鳴らし叫んだと思ったら


鉱石等を積んでるのであろう重厚な作りの馬車が何台か洞窟

と言うか守衛さんいわくトンネルを通っていく


そしてしばらくして馬車が通り過ぎると守衛さんが戻って来て


「すまない、待たせたな」


「いえいえ、大丈夫です」

「早く行かないといつあのデカモグラが戻ってくるかわからないからな」

「たいへんですね」

「あぁ、ここらへんじゃ作物はイモくらいしか育たないから、ここしばらくイモくらいしか食べて無いから早く他のも食べたいんだよ」

「そっちですか」

「あははっ、うちらは何時も鉱山にもぐって力仕事してるからな食事と酒は欠かせないんだ」

「酒もですか」

「おう、と言ってもこの村ではイモで造った蒸留酒くらいしかないがな」

と、がははと笑っている

「イモの蒸留酒か・・芋焼酎いいかも」

「ぜひ飲んでみたいものだ」

ガイアさんとブラックさんは酒に目が無いみたいだ


「おっと無駄話はそのくらいにしておいて、すまないがこのことを村長に相談したいからついて来て貰っていいか?」

「はい」



《北のボスは[PT:土竜討伐隊!!]によって討伐されました》


《それにより流通が一部再開して町の機能が一部利用可能になりました》


《今後、ボスが弱体して、討伐数に応じて徐々に町が活性していきます、それにより店やクエストなどが増えていきます》


《四つの村が開放された為、露店機能が開放されました》


《詳しくは、商業ギルドまたは公式ホームページを見てください》



ここでアナウンスが


「おぅ、コレでやっと露店が出せるのか、無人販売所だけだとどーしても武器とか売りづらかったからなこれは助かる」

鍛冶スキルもちのブラックさんには嬉しいお知らせだったみたいだ



守衛さんに連れられて崖沿いに作られた集落にたどり着き、そのまま崖の上のほうに建てられた少し立派な建物の前にたどり着くと


家の前に立派なひげを蓄えたスキンヘッドの老人が家の外にでてきたところだった

「村長、こちらの人達があのモグラを追い払ってくれたんです」

その話を聞いた村長は

「おー、それはありがたい、この集落を束ねるものとして礼を言いますぞ」

そう言って村長は頭を下げてくれた



その後

村長さんと色々話をして、四方全ての村との交流が再開したこと

西の塔の開放


そして・・・


「それじゃあうちらは採掘するなら橋を渡った谷の向こうに行けばいいんですね」

「そうじゃな、塔の結界が弱まったせいでモンスターが出る様になってしまったが鉱石の質は向こうのほうが良いのが出るはずじゃ」

何か村長さんの目が泳いでいるような・・・

「採掘道具なら、この集落にある雑貨屋で売ってるぞ」

あっ、話を切り返された


そんな話を聞いたので早速村の雑貨屋で小型のピッケルを購入

ブラックさんは掘り出し物のコーナーから古ぼけたレシピ帖を購入した

何か簡単な武器の作り方が書いてあるらしい


そしてそのまま少し谷底に降りたところにある

(と言うかこの集落、崖沿いに作られているためかどこ行くにも階段や坂を上り下りしなくてはならない)

馬車が渡れるくらいの大きなつり橋を渡り谷の反対側を目指す


この道を真っ直ぐ進めば塔にたどり着けそうだが

今日はまずは採掘!!


橋をわたってすぐ右側に集落の人も使っている採掘現場があるそうなので行ってみると

採掘現場の洞窟前の小屋から鉱夫さんがでてきて

「現在この採掘所はモンスターがでてくるから危険だぞ」

「村長さんから許可もらってます」

それを聞くと

「あーー、そーいう事か、村長また面倒ごとを冒険者に押し付けるつもりか・・・」

鉱夫さんは少し考え込んで

「まぁ実はな、少し前この採掘所で採掘をしてたらモンスターの巣にぶつかってしまってな、そのときはまだ結界の力も強くて軽くふさぐだけですんであまり被害がでなかったんだが」

そう言って採掘所の方を見ながら

「この前の揺れで結界が弱まった為その穴が崩れてしまって採掘所内のモンスターが出る様になってしまった、それでよかったらだけど採掘所の奥に出て来るモンスター達のボスを退治してくれないか? あのデカ物だけでも退治できればうちらも採掘をはじめられるんだ」

村長さんは僕らにボス退治をさせる為にわざとこの採掘所を薦めたみたいだ

「できればでいいからな」

そう言って鉱夫さんは軽く手を振りながら小屋のほうに戻っていった


「まぁ今日のところは鉱石採取が目的だし、ボス退治はまた今度でいいか」

「そうだな、さっきモグラ退治したばかりだし連戦は流石にきつい」

「ボスはまた今度で今は採掘しましょうか」

そう言って僕達は採掘所の中に入る


採掘所のなかは、このゲームでは初めてかもしれない本格的なダンジョンのようなつくりになっていた


「おっここで採掘できそうだ」

「こっちでも採れそう」

「おっこっちは岩かと思ったらモンスターだった」

「「おい」」

二人でつっこみを入れつつ

出て来たモンスターは

[ストーンLv11]

バスケットボールくらいの大きさの石のモンスターでこっちを見つけると転がりながら体当たりをしてくる

石でできてるため当然の如く硬い、しかも急所が見当たらないからパールの暗殺も効果ない

ただHPが少ないのか、ミド達重量級トリオの攻撃一発で倒すことができた


そんなモンスターはパートナーに任せつつ僕達はひたすら採掘を続けていく


カンカンカンッ


掘り続ける事数時間

取れた鉱石?は

[銅鉱石][スズ鉱石][鉄鉱石][硬い石][魔力石(小)][大地の結晶]

大地の結晶は見た目は岩と言うか土や砂が圧縮されたようなもので説明文だと研磨剤などの材料になるらしい


モンスターを倒しながら新しい採掘場所を求めどんどん奥に進んでいった結果


「あれ?あそこに壁が崩れたような跡が・・・」

「穴の前に看板があるからあの奥がボスだな」

「そんな奥まで来たんだ」


普通は採掘所として使われているため崩落防止の木材なので天井などを補強しながらむき出しになった岩壁をピッケルで採掘してたのだが


そこだけはその岩壁が内側から壊されていた


「そろそろキリもいいしここらへんで戻るか」


今までひたすら採掘してた為アイテムボックスが物凄い事になってたし

帰り道に出て来たモンスター達を倒しつつ戻る事にしたのだが・・


今まで採掘に集中してたため、ストーンくらいしか見てなかったが


他にも

石のような鱗の[ストーンスネークLv12]

ストーンスネークと同じく石のような鱗の[ストーンリザートLv11]

南に出て来たマッドの砂版[サンドLv10]

後は

岩がそのまま甲羅になったような[ストーンクラブLv11]


それを見たガイアさんは

「あのモンスター欲しいな」

「確かにあの重量感といい仲間にしたいかも」

ブラックさんも気に入ったみたいで



と言うことで急遽始まった[ストーンクラブ]捕獲作戦


・・・


・・・・


・・・・・





およそ30分の格闘の後

6匹目でやっと捕獲成功した

捕まえたのはガイアさん


「苦戦しましたね」

僕がそう言うと

「ん?捕獲って普通こんなもんだろ?」

「あぁ、6匹で捕まえられただけラッキーだった」

「バッファローの時は何十匹倒したか・・・」

普通の捕獲ってそんな大変だったのか・・・


「何言ってるバッファローは13匹目で捕まえただろう」

かなり誇張されてた


それでも僕は今まですべて一回で捕獲してたんだけど・・・もふもふで

本来このクラスモンスターの捕獲となると10匹位犠牲にしながらやっと捕まえられるレベルです

(敵のHPをギリギリので減らすのに苦戦する)


もふもふ一発で捕獲できるレン君は異常なの・・・

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