26話 町と村の事情
いつもだけど、いいタイトルが付けられない><
「じゃから、この村は[フォレスタニア東の村]と言うのが正式なのかもしれないのぅ」
村長さんは笑いながら
「まぁ、長くて言い辛いから[東の村]と呼んでくれればいい」
なるほど
「じゃあここら辺には、町の他には村がいくつかあるだけなんですか?」
「ああ、そうじゃ 町の他に人が住んでる集落は東西南北に一つずつあるだけじゃな」
そして
「塔の外側は、モンスターの勢力が強すぎて人が住めないんじゃよ」
「え?そうなんですか? それじゃあなんでそのモンスター達は塔の内側に入ってこないんですか?」
そういうと、村長が塔を見上げて
「町やこの村にはモンスターが入ってこないようにな、四方の塔の外側にも結界が張られていて、魔力の強いモンスターは結界に阻まれて入ってこれないんじゃよ」
「その代わり、魔力をあまり持たない動物のモンスターは入ってくる、その為ここら辺は魔力を持たない弱いモンスターでも安心して暮らせる環境なのじゃよ」
村長は町の外を見渡して
「じゃから、ここら辺じゃ、そこまで積極的に襲い掛かってくるモンスターも少ないじゃろ」
そこで、警備員さんが
「でも、あのウルフ達は我々が作る食べ物を狙って、チョクチョク顔を見せてはいたんだが、結界が弱まった隙を突かれて町に運ぶ荷物を狙うようになってしまった・・・あいつら雑食だからな」
なるほど、そー言う設定なのか
「いろいろありがとうございました」
そう言って村長さん達と別れ
「これからどうします?」
そういうとイワンさんは
「そうだな、このまま塔にいくという手もあるけど」
と言い
ホムラさんは
「それより町の様子も気になるな」
「ですね、ボスウルフを倒して町がどうなったのかも見たいし、そこまで急いで塔に行く事も無いかも」
「それに、イワンお前ゴーレム進化したばかりでレベルまだ1じゃんか、町の近くまで行って育てなおせ」
「そーですね」
「そうだったーーー、また地道に雑魚退治か、とほほっ」
「進化したことだし、ウルフは無理ですか?」
「ウルフはさすがゴーレムじゃ当たらん」
「物理耐久はあるけど、動きの遅い南のリザートとかでもいいかもな」
「うちらは一度町に戻りながら提示板に書き込んどくけどいいか?」
「提示板のほうはお願いしていいですか?僕は村の中を見てまわってから戻りますね」
「ああそうだな、村長さん達の話が長引きすぎてすっかり忘れてたよ、村の中も一通り回りたいな」
「たしかに、村長さんのとこに行く途中になんか店屋さんらしい建物があったような」
「ほんとですか、それは行ってみないと」
「じゃあ行ってみるか」
あらためて村を見てみると、なだらかな平地に家がぽつぽつ立っており道の脇には細い水路が張り巡らされてる
村の端には畑が広がり、向こうの方には牧場もあるみたいだ
三人で近くを歩いてみると柵の中には牛や豚のモンスターらしいカウとピッグ、少し小さめのシープやゴート、向こうにはコケッコの小屋がある
柵の中にいる家畜たちはNPC扱いでもちろん攻撃することはできない
それを見て、イワンさんが
「あの牛のモンスター捕まえられるなら捕まえたいとこなんだけどな」
「敵だったら攻撃力強そうだし、お前には丁度いいかもな」
ホムラさんがからかって言う
「あそこが店かな?」
村を一回りして、入り口近くまで来た所で雑貨屋さんぽい看板のある建物が見えた
中に入ると、いろんな樽が置いてあり
中身は・・・砂糖、塩、酢、醤油、味噌と基本調味料がそろっている
後は、卵とミルク、小麦粉もある
それくらいかな
店を眺めてると、奥からおばあさんが出て来て
「ありゃま、村の外からのお客さんとは、あの狼どもは退治されたんじゃろうか?」
「倒そうとしたんですが、逃げられちゃってもうしばらく待ってくださいね」
それを聞いたおばあさんが顔を明るくして
「あらあら、狼を追い払ってくれたんかい、ありがとね、それじゃあ何か買って行ってくれるんかな」
ちょっとため息をついて
「ここ最近、町からの客が来なくて困ってたんだ、いっぱい買ってっておくれ」
と言ってくれた
ふむふむ売ってるのは、料理関係だけみたいだな
イワンさんとホムラさんはあまり興味なさそうだ
町にいる料理スキルもちの人に持っていけば喜ばれるかも、一通り試しに買ってみるか
調味料は一つ300Gで意外と量がありそうだ
(一つで1kくらいありそう)
後はミルクと小麦粉は500G卵は一つ50Gか
調味料とミルク小麦粉を1つずつと卵はコケッコのドロップがあると買うのはやめるか
「ありがとねーー」
おばあさんに聞いたが、この村には他の店はないそうなので町に戻る事にする
橋をわたって最初のエリアに戻ると
けっこう大勢の人が集まっていて
僕達が戻ると一斉に囲まれそうになったが
周りの女性の無言の圧力の為、何とか囲まれずにはすんだ
「おー、やっと戻ったか」
「やっぱショタ君のPTだったかって、ホムラさんとPT組んでたのか」
ホムラさんって実は有名だった?
「さすがショタ君、二度目は負けないよね」
「一緒にPT組んだのって男の人だったのね・・・よかった」
何がよかったのか、相変わらず女性陣は何考えてるかよくわからないや
そんな話をしてると、ホムラさんよりガッチリした体格の男の人が近付いて来て
「よう、ホムラ最初にボス倒したのはお前だったか、慎重なお前にしては大胆なまねしてくれたな」
「ああ、今回はショタ君がいてくれたからな、一度ためしにと思ったら行ったんだが倒せてよかったよ」
「ショタ君ってそんな強いのか?」
「今回一度負けたから、それようの対策を取ってくれてたから何とかなったよ」
「なるほどな」
そう言い
「紹介が遅れたな、俺はガイア、こいつと同じベータプレイヤーだ」
ホムラさんが追加情報で
「こいつはベータのゴーレム使いでな、ベータの中じゃトッププレイヤーの一人に数えられてたんだぞ」
なるほど
「それ言ったらお前もだろ」
ホムラさんもだった
「でもベータじゃろくな捕獲石がなかったから二匹目が捕まえづらくてあまり進まなかったんだけどな」
「そうそう、おかげで最初のエリアで進化してたしな」
「戦闘専門のうちらとしてはそれしかやることなかった・・・と」
「あははっ」
ベータトップ同士仲はよさそうだ
「それはそうと、ボスどうだったか教えろよ」
「ああ、あれはさすがに一人は無理だわ」
と、ホムラさんはガイアさん含め周りの人たちにボスの行動パターン、弱点、HPが減った時の取り巻きの変化など詳しく教えていった
(話す前にはこっちに話していいか聞いてくれたので許可しておきました)
「なるほど、それは流石に最低でも6匹は欲しいな、今一人で突っ込むのは無謀だな」
「弱体化したっていうけど、どこを弱体化したかわからないしな」
「情報感謝する、一人で突っ込まなくてよかった」
「ボスを倒すごとに町の流通が活発化するらしいので、がんばって倒してください」
そう言うと
「「「「「がんばります!!!」」」」」
何故か女性達が張り切って答えてくれた
その後ガヤガヤといくつかの集団で話し合ったり
「PT募集します」
「攻撃力高い人募集」
「残り@2人」
など臨時PT募集したり、橋の周りは賑わい出した・・・が
ここはセイフティーエリアではない
「ウルフ達が来たぞーー」
やら
「あっちから来たやつ、後ろにキラービーが・・・」
そんな時は、いまいるメンバー全員で対処しているらしい
(いまさらだけど、このゲームには共闘ペナルティーと言うものはなく、経験値やアイテムは攻撃ダメージによって多少少なくなったりはするが、横殴りとかで騒ぎになったりはしてないみたいだ、逆に同じ敵を数人で叩くと、追撃ボーナスと言うのが発生し叩いた人数によってドロップ率と経験地が増えていくらしい)
軽くモンスター退治を手伝ったあと、僕達は町に戻る事にした
町に戻ると
「じゃはそろそろ解散するか」
「ドロップの振り分けどうする?」
「まぁ、一応は均等にドロップしてるだろうし、特に欲しい素材も無いだろ?」
「そうですね」
そう言ってお互いアイテム欄を確認して
「けど、この魔石って何に使うのか」
皆いくつか魔石は手に入れてたみたいだ
そう言う僕もワイルドウルフの魔石1個ととウルフの魔石3個ほど手に入れてた
「さあな?」
「そのうち錬金とかで使いそうですね」
「なるほど、錬金か」
そういえば最近石も作ってなかったし、時間があるときに作っておくか
錬金のレベル上げにもなるし
イワンさん達と別れ、調味料の事があるので知り合いの料理スキル持ちの[ブラン]さんを探すべく無人販売所に向かって
無人販売所の今まで使ってなかった機能で
販売者や買取者と交渉する為の交渉メール機能を使ってみる
この機能は、消耗品を買いたいけど数が足らなかったり、売切れてしまったものを追加してもらえないかと言う催促や
売りたいけど、数がオーバーしてたり、追加で買い取ってもらえないかの交渉とかができるメール機能だ
この機能を使いブランさんの買取から
『調味料を見つけました、試しに買ってみたので買い取りお願いしていいですか?』
と言うメールを送ってみる
そーするとメールを送った直後に
『ショタ君、それほんと?すぐ行く』
そー言うメールが届き
場所も言ってないのにすぐ着てくれた
話を聞かれないようにPT組んで
『よく場所わかりましたね』
『それは、ショタ君のいる場所だったらすぐわかるわよ』
と、ちょっと目をそらした
うん
いつもの掲示板情報かな?
『それより、調味料手に入れたってほんと?どこで手に入れたの?種類は?』
ブランさんは興奮した様子で近付いてきたって、近い、近い
周りの女性達の視線も怖い
『話すから落ち着いて』
ブランさんを落ち着かせて
『ごめん、ようやく見つけた調味料だから興奮しちゃった、で種類は何あるの?』
『えっと、調理の基本の、[砂糖][塩][酢][醤油][味噌]と[牛乳][小麦粉]ですね』
それを聞くとブランさんは目を輝かせた
『後は卵も売ってましたが、コケッコのドロップと同じなので買いませんでした』
『なるほど・・・・って、売ってたと言う事は』
『はい、東の村で売ってました』
そのあと、東の村の詳しい情報と
ついでに村長から聞いた、この地方の話を教えてあげた
『なるほど、フォレスタリアか・・・平原と森と言うのも気になるわね』
『それに南が海じゃなくて湖だったとは、まぁ日本にも琵琶湖とか対岸が見えないような湖もありますしね、それを考えるとありなのかもしれませんね』
『湖だったら、淡水魚とかそういう食材があるかも・・・』
と、ぶつぶつ言い始めたので
『じゃ、じゃあ、調味料とついかで手に入れた食材を買い取ってもらっていいですか?』
ブランさんは正気に戻って
『そ、そうねまずは調味料から・・・』
それから、調味料や牛乳、小麦粉、狩りで手に入れた肉や卵、ハチミツもいくつは買い取ってもらった
『調味料は一個でけっこうありそうね、でもよかったら他の料理持ちにも分けてあげたいから、よかったらまた買ってきてもらっていいかな?、買取のところに追加しとくからそこに入れてもらえばいいから』
『わかりました』
そういえば気になったんだけど
『そういえば、東のボス倒して流通が再会されたんだけど、町に変化ってありました?』
それを聞くと
『あーそれね』
『東で流通って聞いたから、知り合いと色々探索してみたんだけど、まだ閉まってた飲食店が開いたくらい見たい』
『そうなんですか』
『うん、カフェとか、食事どころが開店していてね、まだ流通が完全じゃないらしくて、簡単なメニューしかないみたいだけど』
なるほど
まだ調味料は村に行かないと買えないみたい
『あとは、数を倒すしかないということですか』
『そうですね、早く町でも調味料を販売して欲しい』
そう話していると
《西のボスは[PT:ショタ君に続けーー]によって討伐されました》
《それにより流通が一部再開して町の機能が一部利用可能になりました》
《今後、ボスが弱体して、討伐数に応じて徐々に町が活性していきます、それにより店やクエストなどが増えていきます》
西のボスも倒されたらしい
それにしてもこのPT名って何?
『西と言うと、木工系ですかね?』
『何か服装、裁縫系もあるみたいですね』
まぁ、提示板を見れば何があるかわかるかもしれないし後で見てみるか
そのあと、ブランさんにお礼を言われながら別れると
今度は目の前にアヤメさんとトトさんヒイラギさん、その後ろに数人の服装、細工スキル持ちらしい人達と
なぜか、鍛冶や木工スキル持ちらしい人達までいる
「レン君、この前売って貰った素材の代金支払うね」
あー忘れてた
「ついでにまた素材買い取ってもらっていいですか?」
それをきくと、頬を引きつらせて
「えっと・・・お手柔らかに頼むね・・・」
まずはこの前の代金をもらって・・・うわーだいぶ高く買い取ってくれたみたいだ
「えっと、今回は珍しいものはないんですが、その分数が・・・」
と言って、珍味探しの時に手に入れた素材の他にボスウルフを倒した時の大量の素材も買い取って貰った
「うわーー、何このウルフの毛皮の数、今皆初心者服から着替える為に何作っても売れるからこの数は助かるけど」
「東のボスをも倒すと大量に手に入りますから、これからウルフの毛皮は買取であふれるかも知れませんね」
「そんなに手に入るんだ」
「一回ボス倒しただけで一人50個くらい手に入りましたから、それを考えるとウルフの毛皮は確実に買取あふれますね」
「うわーー、これまずいかも、今のうちにウルフの素材の買取値段下げないとまずいかも」
他の服装スキル持ちさんもあわてて買い取りの値段調整をはじめてる
「レン君情報ありがとね、それ聞かなかったらうちら確実に破産してた」
周りの服装スキル持ち、細工スキル持ちさん達もうなずいてる
また、今回の買取の支払いは後払いにしてほしいと頼まれたので了承した
その後、毛皮類はアヤメさん達、服装スキル持ちの人達で分け、牙や羽などアクセサリーにつかえそうな素材はトトさん達細工職人、クラブの甲殻や爪や牙の一部は鍛冶職達に分けられたそうだ・・・
(流石に一人では使い切れないのと、前回もアヤメさん一人で買い取ろうとしたらちょっとした騒ぎになったらしい)
木工職人さん達は集まってみたがいいが・・・木工に使えそうな素材がなかった




