19話 響と雪
今回と次回は現実でのお話になります
ちなみに学校の終業式が12月22日
ゲーム正式サービスが12月23日になります
そして昨日が24日なので
翌日
今日は12月25日
クリスマスだ
昨日出会った少女、スノーさんに会うため
家事を済ませ、朝ごはんを食べ、身だしなみを整え
コレを忘れてはいけない・・・戸棚から
先月親戚から郵便で送られてきた、チケットを取り出し
お金も多めに持っておこう
そんなこんな準備してたら、約束時間の40分前
駅まで10分ほどかかるし、約束して身としては30分前には駅に着きたい
急いで靴を履き家の外に飛び出そうとする・・・と
家のドアを開けて不意に道のほうを見ると
黒髪ショートの小柄の少女が家の前を通り過ぎた
あれ?
髪の色と横髪は少し短いけど
今通り過ぎた少女は、昨日あった[スノー]さんそっくりだ
あわてて飛び出し、少し早めに歩くと駅の近くの信号で追いつき
「ねえ君ちょっといいかな?」
「ん?」
少女が振り向く・・・が
そこにあるのは自分の胸
「んん?」
少女は頭を上げやっと僕の顔を確認
「ん!!」
「君って昨日約束した[スノー]さんだよね?」
少女はかなり困惑した感じで
「スノーって名前じゃない」
「えっと、[モンスター・オブ・フォーチュン]で[スノー]って名前使ってない?」
そう聞くと
「ゲームではそう名乗ってるけど」
「よかった僕、昨日会った[レン]だけど」
そういうと
「うそ」
「え?」
「身長が違いすぎる、本人を連れてきて」
「だから本人なんだけど」
そんな会話をしてると、真後ろから
「あれ?柊君じゃない?」
この声は
振り向くとそこに
「あれ?四月一日さん昨日はどうもありがとね」
「こちらこそ、桜が迷惑かけたね、あれ?柊君は妹さんと一緒なの?・・・・・って 雪」
「あっ、妹とかじゃなくて、今日一日ちょっと付き合ってもらうことになったって・・・知り合いなの?」
そう言うと今度はスノーさんが
「響・・・知り合い?」
「えっと・・・・柊君いつのまに雪と知り合ったの?そして一日付き合うってどーいうことなの?」
「響、コイツ知り合いなの?」
「四月一日さんとスノーさんって知り合いだったんだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・
話がかみ合わない
要約すると
響さんとスノーさんこと、雪さん、あと桜さんと後もう一人は小学校時代からの親友同士で
雪さんともう一人、葉月さんと言う人は高校になって近くの女子高に通ってるらしい
「なるほど、昨日身長の事で雪と言い争いになって、会う条件として、一日用事に付き合うことになったと」
「そういうことです」
「雪らしいわね」
雪さんは雪さんで
「ゲーム内で身長が縮むなんて・・・うそ」
とか
「身長が縮むんなら、伸ばすことだって」
などぶつぶつ言ってる
「えっと・・・今回は中古ゲーム機のスキャンデータの消却ミスが原因だから」
「それに、身長が低い人が背を高くしちゃうと、ロクに体が動かせないらしいよ」
「雪・・・あきらめなさい」
ぽつりと響さんが
「ごめんね、雪って身長コンプレックスと言うか身長フェチだから身長の事になるとかなりうるさくて」
と教えてくれた
僕も一応この春に計った時は身長175強あったし
「179・・・180はある」
急に雪さんがそう言ってきた
「柊君そんなあるの?」
「春の身体測定のときは175だったけど・・・また伸びたのかも」
「!!!!!」
響さんも雪さんも驚いてる
「父も母も身長高いほうだから・・・特に父なんか190超えてるし」
「うわっ」
雪さんに関しては、もう無言で悶絶してる・・・
「そっそれで雪をどこに連れて行く気なの?」
響さんが話題を変えてきた
「実は先月親戚から、今日クリスマス限定のテーマパークのペア入場チケットをもらっちゃって、一緒に行ってくれる人を探してたの」
「テーマパーク?遊園地?」
「そんな感じだね」
「なっなるほどって、それじゃあ雪じゃなくても、蓼丸君でも誘えばよかったのでは?」
雪さんも必死に首を縦にフリ同意してる
「このチケット、厄介な事に男女のペアじゃないと使えないんだ」
そう言ってチケットを取り出すとそこには
[クリスマス限定カップルチケット]と書かれていた
「そっそれは・・・[無限城]ペアパスポートじゃない」
あわててる響きさんとまるでこの世の終わりかと思うくらい顔を真っ白にしている雪さんの姿が
[無限城]それは、この夏にオープンした、無限の夢の詰まった遊びの城というテーマのもと造られた
[完全屋内型テーマパーク]の事で
東〇ドーム〇個分の大きさの広さを誇りながら屋内型の強さを生かし
地上二階、地下一階、屋上もあり、全体的な広さは本当に一日では回りきれない広さを実現している
しかし・・・その反面
設計、開発者は何を考えているのか
テーマパークの外見は完全にちょっと朽ちた団地が歪に重なったどう考えてもかなり不気味な外見をしてる
これは、かつて存在したという、香港の[九龍〇砦]をモチーフにしたといわれ
(何でそんなのをモチーフにしたかは謎)
一度迷い込んだら(楽しくて)二度と抜け出せない、というCMがよく流れてる
「こっこれは、流石に雪には酷なような」
雪さんは必死に頭を縦にフリ必死に抵抗をしてる
「も、もしかして終業式に桜に告白したのって・・・これが原因だったりする?」
「あ・・・うん、ちょっとこのチケットの事がきっかけになったのは事実だけど・・・見事振られたけど」
「あはは、でも今なら、桜「ゲーム内で一日デートしてくれるなら付き合ってあげていいよ」なんて言いそうだよ」
「それはゴメン蒙る!!」
「あはははは」
「桜に振られたんだ」
「うん」
「やっぱ身長?」
「みたい」
「桜らしい」
「でも、スノーさん昨日付き合ってくれるって行ったよね」
「それは・・・・」
「一緒に行ってくれないと、このチケットが無駄になっちゃうの、お願い」
ちなみに・・・[無限城]一日パスポートは一人、一万円近くする、ペアチケットでも安くて1万8千円位したはず
「でも、でも・・・何も聞いてなかったからお金が」
「全部僕が出すから」
「うぅ・・・」
仕舞いには、最後の望みをかけるような目で響さんを見つめてる
「雪・・・」
「響・・・」
「諦めなさい!!」
「裏切り者ーーー!!」
「と言うことで雪さんをお借りします」
がしっと雪さんの首の後ろを掴み駅の方に歩き出す
「あっちょっと待って、何かあったらここに電話頂戴」
そういって、響さんはポケットの中に合ったレシートに自分の電話番号を書いて渡してくれた
「ありがとう」
「たぶんそれが絶対必要になるはず」
「え?」
「じゃあいってらっしゃーい」
と、どこから出したかわからないハンカチを振りながら見送ってくれた
「響の裏切り者ーーー!!」
駅に着くまで雪さんの悲痛の叫びが響いていた・・・
ドナドナドーナードーナー♪
今回ちょっと短めです
次回デート?回




