17話 初めての敗北とパールの弱点
東平原のエリアボス
[ワイルドウルフ・リーダーLv10]
そしてその取り巻き[ウルフLv8]が6匹
「ガルルルッ」
「グルルルッ」
ウルフたちは唸る様な声を出しながら、ゆっくりと僕達の周りを囲んでいく・・・
そして・・
「ガゥッ!!」
僕達の死角にいるウルフから不意に襲い掛かってきた!!
「パール、お願い!!」
襲い掛かってくるウルフをカウンター気味に首を狩り落としながら
「メリーもお願い!!」
さっきのキラービーの経験値でLv7まで上がったメリーがウルフに体当たり
ウルフのHPが3割ほど減った
パールがその動きでウルフ達を翻弄しながら不意を見て首を狩り
メリーがその隙に攻撃をする
自分は杖を構えながら(最近忘れてた)支援魔法でパールとメリーのスピードをあげていく
あっ、支援のレベルが上がって[メンタルアップ]を覚えた
たしかこれは、精神力を上げて魔法や属性の威力を上げる魔法だったはず
魔法や属性のない今の僕には関係なさそうだ
パールとメリーが順調に取り巻きを倒し
後はリーダーだけかと思った瞬間
「ウァォーーン!!」
ウルフリーダーが吼えたと思ったら
「「「ガルルルッ」」」
また取り巻きを呼び・・・またウルフが6匹に戻った
これは切りが無い
「メリーちょっと耐えてね」
メリーに回復丸を食べさせながら
「パール、リーダーをお願い!!」
メリーに自分のガードを任せながら
パールはリーダーを狙わせる
「きゅっきゅきゅーー」
パールは素早い動きでリーダーの周りのウルフの首を落としながら
「きゅーーッ!!」
ウルフリーダーの首元に一閃!!
あれ?
しかしウルフリーダーの首は落ちず
HPも1割も削れてない
「ガルルルッ」
リーダーの反撃をかわしながら
「パールもう一回頼む!!」
「キューーッ」
何度攻撃してもなかなか減らないHP・・・
しまった!!
ウルフリーダーはボスだ・・・
ボスに即死スキルなんて効くはずはなかった
たぶんクリティカルは効果あるはずだけど・・・
クリティカルでアレしかダメージを与えられてないんだ
完全に失念してた・・・
今までベアですら一撃で倒してたから強いと勘違いしてたが
パールだってスキルがなければ、ただの素早いラビット
流石にボスの膨大なHPの前に歯が立たないそんなことをしてる間に
メリーのHPがまずい
「パール一度戻って」
パールを戻し
周りの取り巻きを倒してながら体勢を立て直し
「こうなったら持久戦だ」
「メェーー!!」
「きっきゅーーッ!!」
取り巻きを牽制して倒しながら、隙をついてリーダーに攻撃
どれだけ続けたか
さすがに回復丸もなくなり、メリーも自分も瀕死
しかも、ウルフリーダーのHPを3割ほど削った頃
「ウァォーーーン」
また新しい取り巻きを呼んだ!!
これで取り巻きが8匹・・
もしかしてHPが減るごとに取り巻きの数を増やす?
まずい
流石にパールが早くても・・
いきなりウルフたちはターゲットをパールに移し
流石のパールもウルフ8匹の攻撃はきついのか、かわすだけで精一杯になった隙に
ウルフリーダーがパールの首に噛み付いた!!
「ききゅーーーっ」
あ・・・・パールのHPが一気になくなり
パール・・・戦闘不能
光になってその光が自分の持ってる石に吸い込まれた
うん・・・オワッタ
その後あっさり瀕死の僕達もウルフに破れ
意識が遠のき
気がつくと始まりの町の噴水の裏手
別名:敗者広場 にいた・・・
周りにもけっこうな数の人が
痛がるそぶりをしてうなだれてる(実際はそんな痛くないのだが)
さすが死に戻りは精神的につらい
今回の戦いでわかったことは・・・
僕達は圧倒的に攻撃力が不足してる
今までパールの即死スキルに頼りすぎていた為
即死が効かない敵にに出会ってしまうと、こんな風に倒されてしまう
バールもよく考えてみると攻撃力は普通のラビットとほとんど変わらない
流石に今は即死が聞く敵ばかりだから先に進めるけど
これから先、即死が効かない敵がでてきたら確実に詰まる
それ以前にこのままではボスが倒せない
もっと強い仲間を集めないと
そう考えていると
「ショタ君大丈夫?」
「痛くなかった?」
あっ この人達は、さっき自分を後ろから見守ってくれてた人達だ
「皆さんも大丈夫ですか? ここにいるってことは・・・皆さんも」
「あははははっ ちょっと油断してました」
「こんくらい慣れてるから平気だよ」
「今まで何度死に戻ったか・・・」
あははは
「こっちは、今僕達の攻撃力不足について悩んでただけです」
「パールちゃんがいてもダメだったんだ」
「詳しくは言えませんが・・パールの攻撃が全然効かなかったので、ほかの子を仲間にしてから再挑戦しようかと思ってます」
「なるほど、がんばってね」
「私たちが見守ってるからね」
見守ってくれなくていいんだけど・・・
皆さんと別れ・・
ほかの子を仲間にする前に荷物整理しなくては
アイテム欄を調べてみると
まずは・・・最初に親友と狩りした時のディアやエイプ、ベアのドロップ
他にはさっきも倒したコケッコ、キラービーのドロップ
後は・・ウルフのドロップなんだけど
あれ?
ちょっと少ない?
よく見ると、ウルフのドロップはボスを挑む前に見た数しかない
ボスの取り巻きはアイテムドロップしないのかな?
かなりの数倒したはずだったのに
よく見ると、経験地も増えてない
ボス戦で上がったのはスキルレベルのみのようだ
後は・・・そこらへんで拾った薬草や石等のアイテムか・・・
流石にアイテムが一杯一杯になってる
まずはこのアイテムを売るか
無人販売所に行き、誰か買取してないか調べると
アヤメさんの買取を発見
今買取してるのは、ウルフの買取もしてるが・・・主に買い取ってるのはシープの毛玉
ウールか
シープか、そういえば魔石騒動の所為で人が多そうで行ってなかったな
他の人もやっぱり、求めるものが一緒みたいで、服装系の買取はウルフとシープのドロップが多かった
どうせ売るんだったら知り合いに売りたいので
フレンドコールでアヤメさんがいるのを確認して
『すいません、レンですが今平気ですか?』
『あっ、ショタ君・・・じゃなくてレン君どうしたの?』
『実は、狩りで手に入れたドロップ品を買い取ってもらいたくて連絡をしたんですが』
『えっと、何か物凄くいやな予感するけど、だっ大丈夫・・・だよ?』
『何で疑問系なんですか』
『いやぁ、レン君が直接売りたいものとなると、こっちの手持ちが足りるか心配になっちゃって、あははっ』
『あはは、買い取れるだけでいいのでお願いしていいですか?』
『ちょっと待ってね、すぐ行くから』
そう言うと、生産棟の方からアヤメさんがやってきた
『・・・よく場所がわかりましたね』
『それはもう・・・レン君の居場所だったら提示板・・・じゃなくて目立つからすぐにわかるよ、あははははっ』
ナンカ ジブンノ コウドウハ ツネニ カンシ サレテルミタイデ コワイ
『なんか、ボスに倒されちゃったみたいだけど大丈夫だった?』
『そのこともばれてるんですか・・・それでもうちょっと装備とかも見直したくて』
『なるほど、ちょうどよかった私が作った服着てみない?見た目はちょっと心細いかもしれないけど性能には自信あるよ』
『おねがいします、まずさ先にアイテムの買取お願いしていいですか?』
『わかった』
アヤメさんが軽くガッツポーズをしてたような・・・
まあ気にしないでおいて
この前と同じ販売所の端のベンチに移動して
(また皆さんがどいてくれたw)
『さっ・・・さすがレン君、ベアドロップ一式しかもまた頭があるし、他にもエイプやディアのドロップまで、こんな大量に』
『全部無理だったら買い取れるだけでいいですよ?』
『これは全部買い取らせてもらうね、ビーの羽や蜂の顎も使えそうだし・・・これは他の服装持ちやトトにも手伝ってもらうか』
『お手数おかけします』
『いいのいいの、こんだけ大量の素材持って来て貰えるとこっちも色々試すことができるから助かるよ』
『それで相談なんだけど・・・』
『なんですか?』
『さすがにこれだけあると買い取り金額を調べるのに時間かかるし、手持ちも心も差無いから後払いでも平気かな?』
『あははっ、平気ですよいつでも待ってますからわかったら連絡ください』
『ごめんね、まずは手数料で』
『この服着てみて』
そう渡されたのは、ウール系の素材を使ったトップスとボトム
青で縁取りした青いボタンがアクセントになった白いシャツに青くゆったりとした膝までのズボン
何か戦いに着ていく服ではないような
『さぁ!!はやくはやく、早く着てみて!!』
何かあおられてるので着てみると
ちなみに服は一瞬で着替えられるからどこでも着替えられる
(流石に女性だと恥ずかしいのか、物陰に隠れて着る人が多いらしい)
服を着た瞬間
周りから
「「「「「「「「「「「おおおーーーーーー」」」」」」」」」」」
物凄い歓声が響いた
(主に女性)
「かわいい~~」
「すごいにあってる」
「こ・・これは反則的な可愛さ」
「さすがアヤメさんセンスありすぎ」
「これは確実にレン君用につくったわね」
「さすが服装トップ生産職」
「ショタ君ごとお持ち帰りしたい」
おい
最後の人、物凄いこと言ってるが気にしないでおいて
それにしても、アヤメさん服装トップだったんだ
はい、アヤメさんは服装のトッププレイヤーさんでした
(というか、まだまともな服を作れる人自体少ない)
あの服は、もちろんレン君をモデルに作って試作の服で、まさか本人も着てもらえるとは思ってなかった
(服を作るにしても、モデルが無いとなかなかいい服が作れないのがわかってるため、レン君を勝手にモデルとして製作した試作服です、アヤメさんがまともに作れた最初の服)
そのため・・普通のプレイヤーは皆、今だに初心者服を着てます
これを機会に服装ブームが巻き起こる・・・・はず?